40柄プリント千代紙 23-1986
普通の千代紙はきれいですがちょっと折りにくいし値段も高め、それにたまには単色でない折り紙も、と思ってこの日本的な柄の折り紙を購入しました。適度に薄くて折りやすいし、柄もいろいろ入っていて楽しいので、外国の方にも喜んでもらえました。大きさは15センチX15センチです。
作家 蛙石鏡子の創作ノート (ジェッツコミックス)
連載当時に飛ばし飛ばしではあるものの読んでいて気になっていたので購入しました。
読んでみてびっくりしたのが、この作品は結構直接的なエロス描写(殆どはキゼンの妄想ですが)が盛り込まれてたんですね。
私が本誌で読んでいた回は殆ど全く直接的な描写の無いエピソードで、草食系オープンスケベの弟子であるキゼンと才色兼備でお堅い才女である蛙石先生との淡い恋模様にほのかなセクシー描写を絡めた作品であるという印象だったのですが、いや、やはり漫画と言うものは最初から読まねばわからぬものです。
で、オープンな描写ががっかりだったかと言うとそんなことは勿論無く。ええ。こちらもこちらでとても素晴らしい。
さておき。
主要登場人物がわずか3人と言う思い切った構成、全11話(+番外編1話)という潔い短さ、共にあわせてすっぱりと読めて、かつ、何度でも読み返してしまう後味の良い作品です。
何しろこの短い掲載期間中に、どこと無く大正〜昭和の雰囲気を想起させる世界観をしっかりと確立しているのが凄い。
不勉強なもので西川魯介氏の作品に触れたのはこれが最初だったのですが、いや、これは勿体無いことをしていましたね。
惜しむらくはこの二人の関係の行く末をもう少々読みたいところですが、何事も「もうちょっと欲しい」と言うところで止めておくのがやはり粋というものか。
西川氏の次なる作品に期待しつつ、スルメのようにこの本を読み返すとしましょう。
手塚治虫創作ノートと初期作品集
私は、このの本を大げさではなく、感動に震えながら、紐解きました。
其の内容は、75冊あったノートのうち、有名な物?絵の多い物等10冊(ノートの日焼け、値札シール等も復元された素晴らしい物)、幽霊男、勝利の日まで、恐怖菌の初期作品、複製原画、解説書が化粧箱に梱包されています。
手塚作品では、新宝島等が、古書価格が高価な事で有名ですが、これは、主に現在残存している部数が少ないためと考えられますが、この10冊の創作ノートは、当然1冊しかなく、普段は手塚治虫記念館のガラスケースの中に鎮座し、見たくとも見れないものだったのです。これらを読んで見ると、キャラクター造形の過程、物語創作の過程、未発表のメモ、脚本等もじ通りお宝の山です。また、手塚が漫画を映画のように考え、キャラクター図鑑(俳優部屋みたいな物)から、作品に会う物を選んで、ストリーを考えていくという過程が良く解ります。
また、初期3作品ですが、16歳時の作品と云う事なので、セリフがやたら多く、従って読み難い。そして、絵のタッチも後の作品とかなり違います。しかし、書かれた年齢、お手本となる作品が殆どなかったこと等を考慮すると、まあ月並みな表現ですが、スゴイと云わざるをえません。
私は、別に手塚のコアーなフアンではありませんが、すごい物が出版されたなあと思いました。
しかし、この本は、値段も高価ですし、其の性格じょう万人向きではなく、もじ通り、読む人を選ぶ本です。ですが、この価値が分かる人には、もじ通りお宝です。私も普段は、神棚に飾っています。(少し大げさか!!)最後に解説書もなかなかの優れ物です。
本当に最後に、k社の物とは、志が違います。
黒澤明「七人の侍」創作ノート
実際手にとっても読んでも、黒澤明監督の
「七人の侍」に対する愛情とも言えるほどの思いが伝わってくる。
特に圧巻なのが、ノートに刻むように手書きされたキャラクター設定だ。
同じセリフが別の作品ノートにも書かれたり、
少しだけ変えたセリフが別の作品にも出てくることがあるのは、
黒澤監督がそのセリフが大好きでなんども使ってしまうからだそうだ。
通称:黒澤組と呼ばれた黒澤監督の肝入りの俳優立ちの演技はもちろん見事だが、
セリフにも感情移入して他の作品でも使ってしまうなんて、
まさに監督冥利につきるのではないかと思ってしまう。
商品を「消耗品」と呼び、買う側の人を「消費者」と読んでしまう時代だからこそ
本書のような本物の価値が伝わる作品が読まれて欲しいと思う。