外見オンチ闘病記―顔が変わる病「アクロメガリー」
私も著者と同じ病気ですが、アクロメガリーは稀少病のため情報も少なく、一般の人向けに平易に書かれた本は見当たりませんので、まずその意味で貴重な本だと思います。闘病記というと、どうしても暗い内容を想像してしまいますが、表紙の写真での笑顔のように、ここには前向きに生きる著者の明るいオーラが溢れていて、読んでいると元気になってくる、不思議な本です。同病の方は勿論、そうでない方にもお勧めです。
その夜、妻に最期のキスをした。
若くして肺がんになったしまった文野さん。そのがんの恐ろしさにショックでした。
10年も苦しんで勉強しやっと念願の大学講師と職が闘病によって続けられないくやしさ。それを思うと涙がでました。
闘病のつらさ、またその辛さで精神的に耐えられずうつにも苦しまれました。
その闘病日記からも、病気になられた方にとってつらい言葉、してもらうとうれしいこと、素直に書かれていて病気を患っている人にとって
人からの心がどれほど大切か考えさせられました。
それをささえるだんな様の愛にも感動しました。細やかな気遣い。夫婦の信頼感にも心うたれました。
ステージ'Wという重いがんをわずらっているさなかなら、もしかしたら死んでからのことや、この夜を去る準備をしてしまうかもしれません。
文野さんは最後まで教壇にたつことを考えておられ、希望を捨てずに頑張っていらっしゃったこと、亡くなられてからのだんな様のつらさも
ひしひしと伝わり、ほんとに涙がたくさんでました。