SABU~さぶ~ [DVD]
主人公さぶと栄二の友情がダイレクトに描いてあり、今の時代では少し気恥ずかしいくらいの真っ直ぐな情熱が、観る側をも素直にさせてしまう気がします。女性が女性らしく、男性が男性らしくあった、ある意味生きにくかったのかもしれない時代を、人物も風景も魅力的に描いてある作品です。
砦なき者 [DVD]
野沢尚さんの遺作になってしまった作品ですが、完全なる悪役の妻夫木くん演じる八尋の背筋も
凍るような静かなる狂気が作品全編を覆っているドラマです。
2000万人を巻き込んだ完全犯罪というフレーズに惹かれ、原作を読まずにこの作品を見ましたが、
テレビの向こうの得体の知れない視聴者という存在の怪物、その視聴者のカリスマとなった青年の
手にかかるメディアの巨大な砦に守られていたはずの人々の翻弄される姿。普段何気なく見ている
メディアの恐ろしさを見せつけられる作品です。
自分の意のままに大衆を操る青年八尋と彼の存在に正面から立ち向かうキャスター長坂の直接対決シーンの
ふたりの演技は一番の見どころです。
役所さん演じる長坂は、八尋にとって単なる憎悪の対象ではなく、
敵でもあり、父親のような存在だったのかもという複雑な感情を妻夫木くんの繊細な表現で感じますし、
八尋が流す一筋の涙はとても衝撃的でした。
役所さんは言わずもがなですが、妻夫木くんの才能を感じる作品で、鈴木京香さんほかの素晴らしい役者が
そろったドラマとしてはかなり贅沢なつくりの作品です。
原作にはなかったそうですが、長坂が自分の存在をかけて訴えるビデオのシーンは涙が止まりませんでした。
野沢さんがこのドラマを見ている人に訴えたかったことをそのまま長坂が語りかけているように思えて
ならなかったからです。
このテープで八尋の存在は崩れ去るのですが、長坂の発見された最後の姿が今となっては野沢さんに重なる
ようで、とても辛い場面でした。ですが、特典映像でスタッフの思いを感じながらじっくりと見て欲しい作品です。
砦なき者 (講談社文庫)
サスペンスとしてはどうなってしまうのか?
と,最後まで楽しめた。
しかしTV局の報道姿勢を扱い,リアリティさを出すのなら,若者たちの行動は
滑稽で「はぁ」と溜め息が出てしまう。カリスマ青年の過去もありきたりの
話。
妻夫木聡が悪人だったあの2ヶ月 [DVD]
日本アカデミー最優主演男優賞の受賞コメントでもらい泣きし、すぐさまポチりました。
あんな妻夫木くんの表情を見たら買うしかないでしょう。
あっという間に観終わりますが、
「悪人」がどのような順序で撮影されたのかとか、俳優さんたちのインタビューもあったり、
本番を別のカメラで撮って実際に映画で使われたシーンを挿入してあったり、
妻夫木くんが「祐一」になる瞬間(金髪)などが観れて、ファンとしては大満足です。