「伝説巨神イデオン」劇場版 Blu-ray(接触篇、発動篇)(初回限定版)
今でもLDで持っていてたまに見るのですが、
脚本においても作画においても
本当に素晴らしい傑作だと思うだけに
もうちょっと最近のアニメファンが気軽に
手にとれる値段にしてほしかったです。
1万前後でも十分出すことができたのでは・・・
(接触編の方は本当にはしょっただけの
話なのであまり面白味がないだけに)。
ちなみにこの発動編の当時、ハルルの麻上洋子さんが
非常に体調不良でガラガラ声なんですが、
そこがまたハルルの鬼気迫る女の執念&色気を
表現しているのも、不思議な幸運です。
「ダラム、助けて・・・」
なんて、ハルルの最大最高の魅力です。
伝説巨神イデオン~発動篇
1979年「機動戦士ガンダム」の富野喜幸(現・由悠季)監督が翌年放った
TVアニメ「伝説巨人イデオン」の打ち切り部分を描いた真の完結篇にあたる1982年公開・劇場版
『伝説巨人イデオン発動篇 THE IDEON ーBE INVOKEDー』のオリジナルサウンドトラックです。
「接触篇」の哀しくも美しい曲調に加え、安らぎの中の残酷さがオーケストラサウンドと共に
壮大で強烈に鳴り響きます。輪廻転生への光に包まれるようなバックコーラスは
まさに無限力イデ発動への鎮魂歌と新生への賛美歌の両極面を表現しているかのような
清らかさにゾクゾクします。やや宗教的表現を思わせるような印象もありますが、
もはやアニメのサントラなどとは軽んじて言えない練り込まれた重厚な楽曲に感嘆させられます。
特にラストシーンで用いられた「15.カンタータ・オルビス」の荘厳なオーケストラと
男女混声コーラスの雄大な競演の仕上がりはまさに絶品。我々を圧倒させる至高の完成度に溜息が出ます。
凄いですね本当に。作曲家すぎやまこういちの執念、ここに極まれリです。
また、「発動篇」本編でも接触篇のサントラの曲が頻繁に使用されているので
両方で1作品のサントラと判断すべきでしょう。イデオンファンでなくともぜひ聴いて頂きたい傑作です。
伝説巨神イデオンBGM集
テープもありましたが、CD版も買いました。やはり、あの当時はアニメ全盛期でしたし、その頃の事も思い出させるかなと思います。音楽は、クラッシックとジャズがうまくマッチしていて、アップテンポの曲も多く、迫力もあって、いいと思います。
伝説巨神イデオン DVD-BOX
この作品の素晴らしさは既に至る所で語り尽くされていると思うので、今回改めてこのDVD-BOXのvol.1を観て感じた色々な事を。
「カララ・アジバって、綾瀬はるかに似てるなあ(リアルタイムの時は夏目雅子のイメージだった)」「シェリルは中森明菜みたいだなあ」「ハルルは柴崎コウかな?」「重機動メカ出てくるの遅っ!!(初登場のギラン・ドゥが7話)」「前半はジグ・マックまでか(vol.2でロッグ・マック→ガンガ・ルブ以降続く)」「イデオンソードやイデオンガンが出て来るのも後半か(前半の戦闘は基本ミサイル乱射か殴る蹴るw)」などなど。
よってイデオン特有の破壊的なカタルシスは正直薄く、それよりもソロシップ内の人間関係のギスギスした感じ、極限状況におけるテンぱった余裕の無さ、剥き出しのエゴの衝突による罵り合い(特にカララに対してしつこいほどくり返される「異星人のくせに」という蔑み)こそがこのイデオン前半の核になっている。「ガンダム」における「戦争」があくまでもシチュエーションで、話の中心にあったのはアムロやシャアといったキャラクターの心の動きだったのに較べ、「イデオン」ではそれが逆転して「戦争」という異常で特殊な状況こそが話の中心に存在していると感じる。
一般的には14話のカミューラ・ランバンの死のエピソードから話が盛り上がり始めると言われているが、個人的にはむしろ12話でバンダ・ロッタがカララを殺そうとしても結局それが出来ずに泣き崩れてしまう場面が重要だと思う。この場面の描写から感じるのは人の心の中の条理では割り切れない感情の葛藤を描くことや、たとえ分かり合えなくとも憎しみを越えて共存する道を示そうという「イデオン」の骨子みたいな物が窺われるからである。
この前半部分のストレスが後半、および『発動篇』を観た時に一気に晴れるのを楽しみにして…。