柳川堀割物語 [DVD]
高橋裕著「都市と水」岩波新書の最終章「都市化社会の水文化」の中に紹介されていました。柳川出身の詩人である北原白秋は柳川の詩を数多く残しており、その一部が男声合唱組曲「柳川風俗詩」にもなっています(私は男声合唱経験者でかねてより関心がありましたが残念ながら当地を訪れたことはありません)。〈内容〉…柳川の成り立ちや戦国・江戸時代にから近年にいたる掘割の歴史、人々の暮らしと密接にかかわってきた様子(まさにその性質を利用しつくしていた)。戦後の高度成長期にあっては便利さ豊かさを追求した結果水路は汚染され荒廃し異臭が漂うようになり、柳川市の行政も例外でなく他の都市同様に水路に蓋をし下水路化することで対応を図ろうとしていた。ところが当時市の下水路課係長が「水路こそ柳川の命である」と市長へ直訴、熱意に打たれた市長も計画を撤回、市民総出で水路の泥を浚い、水草を刈りその復活を果すといった記録映画…。昔私たちの身近に豊富にあった水(路)、そこで泳ぎ、魚採りに夢中になった日々今は農業用水路はパイプラインとなって地中を走り、雨水排水路は蓋をされ、小川は深く掘られフェンスが施され容易に川底を望めず、一方で河川はダムや下水道等の普及によりその水量は減少、豊かさが失われているといった現状にあります。今一度水との触れ合いを取り戻すにはどうしたらよいか考える材料になりました。
聖闘士星矢 1997~少年記
ハーデス編の後の星矢たちを描いたドラマがメインのCD。
回想シーンには往年の名場面も出てきます。
瞬の出番が多めなので、瞬ファンには特に嬉しいかも。
声優さんたちが放映当時と変わらぬ演技でドラマを盛り上げていて、懐かしい気分に浸ることが出来ます。
(発売当時はハーデス編OVAなんて夢だったので、なおさら。)
新曲のうち2曲は原作者である車田先生の作詞。
イメージソングも含め、どれもとても良い曲ですよ。
そして「聖闘士神話」と「女神の子守唄」の英語バージョン!!
最初から最後まで楽しめるCDです。
ささやく河―彫師伊之助捕物覚え
元凄腕の岡っ引伊之助を主人公とする藤沢版人気ハードボイルドシリーズの第3作です。物語の冒頭を引用すると「いわくありげな男2人が登場。その片割れである島帰りの男が殺され、今では商人に治まっているもう一方の男が怪しいのでは?」といった手がかりを読者は与えられ、一体誰が殺したのか、伊之助と一緒に謎解きに加わっている気にさせられます。これは海外のミステリーにもよく見られるパターンですが、さすが海外ミステリー好きでもあった藤沢周平と思わされます。
このように、当シリーズは、サスペンス性に重点を置いたストーリー仕立てにはなっていますが、同心や岡っ引、また、彫師仲間とのやりとりなど、著者独特の市井の描写も他の藤沢本と同様であり、一挙に読ませる面白さを持ったシリーズの最終巻です。
ささやく河―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫)
良質のハードボイルドを読んでいるかのような感覚で読み終えました。
こんな時代小説は伊之助シリーズ以外にはないのでは
特にこの「ささやく河」では犯人が殺意を抱くまでの経過が作者入魂の描写で語られて素晴らしいです。
現代小説の感覚をどれほど時代小説に活かせるかに挑んだ作品という気がします。