オズの魔法使い (ハヤカワ文庫 NV (81))
極シンプルな世界観に直線的なストーリー。
それが軸を生み、世の中の本質を上手く浮き彫りにしている。
例えば主人公に対して「良い」と自称する者は最後まで
善人で、外見も良い。逆に悪い者は外見も性格も悪く
書かれている。これが一人間から見た主観的な世の中なのでしょうね。
もう一つ、ドロシーの仲間になるかかし、きこり、ライオン。
この三者は、皆、自分に無い物をねだると言う目的で
ドロシーに同行する。道中、彼らは自分でも気付かない内に
そのコンプレックスを克服していく。それはまるで
欲しい物とは、それを求める事が手に入れる事の始まりである
と言う事を暗に物語っているかのよう。
そして極めつけはオズの正体。これには最初肩透かしを
食らう事間違いなしだが、ここに一番深いメッセージが
備わっていると思われるので、是非、一読して自分なりの
考えを構築する手伝いにして欲しい物です。
ただしこの作品、会話のやり取りが事務的で、そこの所は
同じファンタジーの傑作、不思議の国のアリスより劣ります。
最後に挿絵ですが、ハヤカワのこれは女性的なタッチで、
ドロシーなどフランス人形の様に描かれており、なかなか格式が有ります。
パースは狂ってますがwちなみに展数は内側のカラーページ入れて15です。
オズの魔法使い (岩波少年文庫)
ジュディ・ガーランドのミュージカル映画オズの魔法使い [DVD]も名作ですが、原作もまた素晴らしい名作でした。この二作は決して別物ではないのですが、興味深いことに映画には原作にはない要素が、原作には映画にない要素があって、大まかなストーリーは共有しつつ異なるメッセージを持っています。映画には「青い鳥」のように「やっぱり住み慣れた我が家が一番」というメッセージがありますが、原作にはほとんどありません。映画では臆病なライオンが本当に臆病であるのに対して、原作での彼は自分で臆病だと言って怖がってはいますが、その臆病さを認識して克服しようと常に努力しているためにむしろ序盤から行動に勇敢さを発揮しています。案山子と木こりについても同じことが言えて、彼らは自分の欠点を認識して謙虚に努めているため、その欠点は最初から既に克服されています。明示的には言っていませんが、そのように謙虚な姿勢で知・仁・勇を追求すべきであるという、論語の教えにも通じるメッセージを本書は伝えているのだと思われます。その他にもオズの正体であるとか三人の仲間の事情なども含めて、本書には何か哲学的なところがあるように思います。とはいえ小難しいことは何もなく、とても簡単にわかりやすく書いてあって、胸躍る冒険ものとして単純に楽しめます。仲間の得意技やアイテムを使って道中の問題を解決していくところはRPGみたいです。主な登場人物が皆とても優しい心を持っているのもまた素敵です。僕の想像をはるかに越えて良い本でした。挿絵がオリジナルの挿絵(の一部?)を使っており味がありました。小1と小3の子供たちと一緒に楽しみました。お勧めです(ぜひ映画もご一緒に)。
オズの魔法使 特別版 [DVD]
オズの魔法使いのDVDはいくつか出ていますが、
日本語版でこれだけ特典豊富でこの値段の商品は
買いだと思います。
オズの魔法使いをお探しの方には特に、絶対オススメです。
話の内容も、なんとなくしか知らない人が多いのでは
ないでしょうか。
思いやりの心や勇気などは、全ての人が持っているもの。
小さな子供にも、見せてそのことを伝えてあげたいですし、
思春期の子供や大人も、この作品を見て、改めてその大切な
心に気づいて欲しいですね。
RIZ-ZOAWD(リゾード) 特典 オリジナルサウンドCD付き
発売日からプレイ開始、約3週間でクリアしました。
想像以上のグラフィックのキレイさに、一瞬にして引き込まれました。
最初は戦闘方法や、トラックボールの操作に少しイラッとしたりもしましたが、
それもほんの序盤のみ。
慣れてしまえば全然気になりません。
以下、個人的な感想です。
キャラクターが皆かわいらしい。(ペットの犬がまたかわいいです)
四季折々のグラフィックが、見とれてしまうほど美しい。
(私はspringが一番好きです)
音楽が心地良い。
序盤から中盤の戦闘はなかなかシビア。(コインを集めて装備を整えていきますが
4人分の装備を整えるほどコインが集まりません。中盤ぐらいが一番大変でした。
ただ、前半は敵を倒してもコインが出る確率は少ないのですが、
後半は敵を倒す度・・と言っていいほど良く出ます。最終的にコインは余りまくりました・・・)
敵がいる場所が見えているので、早く進めたいが為に敵を避けすぎてレベルが足りなくなった。
(3週間のうち、半分はレベル上げに徹していたような気がします。)
印象としては、RPG初心者〜中級者向けかなぁという感じです。
上級者には物足りないかもしれませんが、空き時間を使って手軽にプレイできる
という点では十分楽しめると思います。
オズの魔法使い [DVD]
主人公のジュディ・ガーランドが愛犬を意地悪ばあさんにいじめられて行き場所がないといって、いきなり『オーバー・ザ・レインボウ』を少女なのか大人なのかわからない声で歌い始める。それがかの「虹の彼方に」というわけだが、すべてのミュージカル映画が唐突に歌い出す不自然さをもつのと同様あまりにも唐突で不自然である。
カンザスの郷里の田舎に(現代と同様)突然竜巻が現れ、彼女はそれこそ虹の彼方に飛ばされ舞い降りた不思議な小人たち(村上春樹のリトル・ピープルのように不気味)の村に降り立ち、オズの魔法使いを訪ねる旅に出るところから画面は突然カラーになるが、世界的な人気は別にしてこの監督の演出は、かの大愚作「風と共に去りぬ」と同様まったく凡庸そのものである。
それはともかく、少女が道中で出会うかかし男、ブリキ男、ライオン男、最後に登場する魔法使いの全員が懐かしい郷里の知り合いたちの扮装になっていて、この物語の全篇がヒロインの少女の白昼夢でもあるという仕掛けになっている。
しかしてそのキーワードはThere is no place like home。「おうちほど素敵な場所はない」という文部省唱歌と共に全巻の幕が閉じられるがここで画面は再び褐色のモントーンに戻るのであった。
劇中でライオン男が「僕はタンポポのように弱虫」と歌うのは、ライオンをフランス語で“ライオンの歯”ともいうことから。私の長男が通っている県央福祉会のカフェの名前と同じです。なお日本の歌うたいの「ラルクアンシエル」もフランス語で空の孤、つまり虹の意だから、まあこの映画の主題歌にちなんだネーミングと考えてもいいだろう。
この頃は玉葱ばかりなり百円野菜 蝶人