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THE GREATEST HITS OF HIROMI GO
コンスタントにヒットがあるので欲張り過ぎた感があります。「地上の恋人」と「バイブレーション」は欲しいので、西城秀樹のように70’Sベストを再構築する必要があるでしょう。
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しろいうさぎとくろいうさぎ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
どれだけ互いに深く愛し合っても、私たちの想いは永遠には続かない。
「これこそは!」と思った愛情だっていつしか冷めてしまったりするし、
自分の気持ちが失われることがなかったとしても相手の方はどうだか
わからないし、運よく長続きしたところで、結局いずれどちらかの死によって、
愛は行き場を失ってしまう。生きていく中で何度か恋をして、相手に
こっぴどくふられたり、あるいは自分の中に相手に対する愛情が
まったく残っていないことに唐突に気がついたり、周りの恋バナなんかも
聞いたりしつつ、やがてそういうことが次第にわかってくる。大好きな
相手といつまでも一緒にいられるように願うこと、そして実際にそうした
言葉を口にして好きな人に伝えることに臆病になってくる。
では、「しろいうさぎとずっと一緒にいたい」というくろいうさぎの願いは、
愛情の頼りなさを誤魔化したただの欺瞞なのだろうか?
そうではない。愛の脆さを知り、その永遠を願うことの無意味さを半分
悟りつつ、それでも一生懸命に、私たちは愛について祈らなくてはならないのだ。
この愛がいつまでも続きますように、と。そして、それを声に出して相手に
伝えなくてはならないのだ。ある作家は、愛は祈りであると述べた上で、
祈りはその願いが本当に聞き届けられるかどうかとは無関係なのだと言った。
祈ること、それが不可能と知りつつも、ある意味図々しくも恐れを知らずに
祈れる自分であり続けること、そして、それを大切な人にちゃんと教えて
あげること、それ自体に価値があるのだ。臆病者だけど、臆病者だからこそ、
自分のために、自分の横にいる人のために。
この本はそういう本だと思う。結婚式を終えて二匹がどうなったのかは
わからない。でも、ともかく気軽に愛を語れるキャラじゃないくろいうさぎが
色々考えた末に「いつまでも君と一緒に」と思い切れたその一瞬に、
私たちの一生を貫く真実があるように思うのだ。
…とかなりうがった見方をしてきましたが、そんな読み方をしなくても
十分良いお話です。誰かの恋人である方も、あるいはいつか誰かの恋人になる
お子さんをお持ちのお父さん・お母さん方も、是非読んでみてください。
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ワールド フェイマス
このアルバム、個人的な評価では、スカパラの歴史の中でも「最低」ランクに位置する。なぜかって、あまりにも「実験的過ぎる」「素直にのれないナンバーが多い」からだ。スカパラの勢い、ノリをもとめる初心者の方は、ほかのアルバムから入ることをお勧めする。
しかしながら、三曲あるギムラボーカルのナンバーはいずれも素晴らしい出来だ。とくに笠木シズ子のカヴァー「ジャングルブギ」はギムラの怪しさ全開で、名曲の誉れ高い。まだギムラの歌を聴いたことのない人は、ぜひこの曲で「ショック」を受けてほしい。(初心者向けじゃないって言っておきながらなあ……)