生きた正倉院 雅楽 [DVD]
日本人の文化とは何だろう、日本人の感性の源流とは・・・私を見つめた疑問がこのDVDで少し分かった気分です。
遠い時間に培われた日本の文化は大陸から渡来した文化と日本古来の文化が融合したもので私のルーツを知った思いです。雅楽のルーツを求め、シルクローロから敦煌、西安にまで遡り、雅楽の歴史変遷を集大成した本邦初作品ですね。
芝 祐靖氏の正倉院の復元楽器演奏と理論に圧倒されました。横須賀令子氏の墨絵アニメが何と素敵に仕上がっています。正倉院の楽面や宮内庁所蔵の管絃抄、四天王寺の聖霊会、春日若宮おん祭、伊勢神宮の悠久の舞台、五絃琵琶の調べなど古代の心が聞こえる豪華企画です。
中国世界遺産 5 【莫高窟/雲崗石窟/龍門石窟】 [DVD] WHO-005
基本的に中国で放映された(と思われる)番組に日本語字幕をつけているだけなので、
全編中国語のナレーションが入りますし、当然番組の司会の方が喋るのも中国語です。
番組構成としては基本的に遺跡等の映像をナレーションと共に映しつつ、
たまに番組の司会と解説の方の解説が入ります。
映像自体はそれほど新しいものではないものも多少ありましたが、
反面古い映像や写真などもしっかり流してくれます。
また、遺跡の周辺状況や歴史などもかなり細かく説明しています。
色々気になる点はありましたが、とりあえずこの値段ですので文句はありませんでした。
世界遺産フィルムアーカイブス [DVD]
ナレーションが速水奨で、映像を邪魔しないしっとりとした声がいい。ナレーションモードとBGMモード、字幕有り無しが選べるので、いいテレビ番組が無いけど何か画像を流しておきたいような時には良い。来客が合った時に流しておくと、適度に邪魔せず、行ったことがある場所であれば会話が弾むといった利点がある。
しかし、残念なのがカメラワークがいまいち。アングルにしっかりした切れが足りないのと、発色(空やタイルの青など)が鈍い。この点ではテレビ番組の世界遺産が勝っている。
敦煌石窟―精選50窟鑑賞ガイド(莫高窟・楡林窟・西千仏洞)
先週、莫高窟に行った際にこの本を利用して見学しました。
個人旅行でお金をケチったり、時間が合わなかったりすると、現地で中国語のガイドさんしかついてくれないし、日本語のガイドさんも必ずしも日本語が上手な方ばかりではありません。
この本は、莫高窟の調査・研究をしている研究所の所長さんが、公開されている石窟を中心に、それぞれの石窟の歴史や壁画・塑像の由来、美術的価値まで、写真・図説入りで簡潔に説明してくれたものなので、ちょっと勉強してから現地に行きたい方には最適だと思います(ちなみに現地でも売店で日本語版を売ってます)。
ただし、この本に紹介されている石窟がすべて公開されているわけではないので、現地に行って見ることができずにがっかりすることがあるかも知れません。
また、この本に紹介されている45窟や57窟などは「特別窟」といって、入場料120元(日本語ガイド。2005年時点)とは別にそれぞれ200元、150元といった特別料金が必要です。見たい方は覚悟していきましょう。ガイドさんに言えば手続をしてくれます。
採点は、がっかり点と特別窟の表示がない点で四つ星にしました。
最後に蛇足。現地では、中国人の団体ではなく、欧米人か日本人の団体にくっついて見学しましょう。ガイドさんが案内する窟が、中国人団体の場合より美術的に価値の高いものが多い気がします。中国の人たちは、精緻な芸術より、シンボリックで大きなものを見た方が満足する傾向があるようなので。