毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記
週刊朝日で連載されているときから愛読してましたが、一冊にまとまると独特のスピード感があってぐいぐい引き込まれるように読みました。
最初は木嶋被告が男性たちを殺したのは、「自分をブスと嘲る男たちへの復讐だったのかな」などと思いながら読んでいたのですが、後半に行くにしたがって明らかになってくる、彼女の計り知れない不思議っぷり。それを著者は「モンスター」とか「蜘蛛女」とか、分かりやすい言葉で切り捨てることなく、丁寧に法廷での彼女の様子や証言、生い立ちや周辺への取材で、実像に追っていきます。
著者が指摘する、男性たちへの違和感には「そー、そー」と頷くことがいっぱいあったのに、週刊朝日連載中から「徹底的に女性目線の記事ですね」と言われてきたそう。逆に、新聞やテレビの事件報道って、どんだけ「徹底的に男目線」でつくられてるんだ!と驚きました。
でも、法廷で高らかに「貯金はしたことありません」「普通の女性にはない自由奔放さが私の魅力」と語る彼女と、年金暮らしの男性のクレジットカードを限度額ギリギリまで無断で引き出す、根こそぎ感。その分裂っぷりは、本当に怖いです・・・。
人生を変える一番シンプルな方法―世界のリーダーたちが実践するセドナメソッド
いままで何種類かの自己開発メソッドや、自己啓発本などを読みましたが、
ここまで奇麗に手法が整理整頓され、簡単で、
そして即日効果を感じられるものは、はじめてです。
「心の平安を得る方法」としては、ほんとうに、その本を買ったその日から
実践し効果を体感できるものです。
そして、すばらしいのは、必要な事はすべてこの本に書かれているということです。
セミナーなどもあるようですが、方法、考え方などはすべてこの本に書かれていますし
書いてある事を追いかけながら実践していくだけで、大きな効果があるでしょう。
ただし、あまりにシンプル、簡単なので、「努力する事」にしがみついてきた人ほど、
逆に難しいと思います。書かれている事に「どうして?」「なんで?」と深く考え込んでしまう
人には向いていないかも知れません。
自転車に乗るために、物理学の深い知識が必要ないことや、
箸を使うために、筋肉に関する深い知識が必要ないことを思い出してください。
そして、このメソッドを使い、心を平安に導いた先にあるのが「引き寄せの法則」なのだと思います。
ザ・シークレット、宗教における「感謝」、思考は現実化する。など。
それらの一番“根”の部分にある、大切なことが書かれている本、それがこの本です。
<12.31追記>
セドナメソッドをはじめてから3ヶ月になります。
「手放す」行為が、歯磨きやお風呂と同じような習慣になっています。
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ハートが温かく開かれ、背筋が快く伸び、体が宙に浮いているような軽やかな感じ。
部屋を見回せばいつもより明るく見え、音はクリアに聞こえ、この世界に初めて身を置いたかのよう。
心には深い静けさ。(本書「はじめに」より引用)
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いままさにこんな感じです。物質的な面では、3ヶ月前とそれほど変わりない生活ですが、
見える世界は大きく変わったと言えるでしょう。幸せとは、何かを手に入れる事ではなく、
心の感じ方のことなのだということや、世界の複数の宗教が「無欲」を説く意味がよくわかりました。
<09.10.19追記>
この本を知って一年ほどになりますが、とにかく精神が平穏な日が格段に多くなり、
すこしイライラしてもすぐ手放すことができます。その状態自体になれてしまったので、
はじめのころの感動はなくなりましたが、大変に便利な方法ですね。
また、とにかく、不気味なほど、「悪い予感が当たらなく」なりました。こんなことが起きたらイヤだな、
ああなったら困るな、と思ったらすぐ、その気持ちを手放すようにしていますが、
そうすると、それらの予感はすべて外れるのです。なんともふしぎな話です。
<10.9.6追記>
難しい、というレビューを記載されている方が何名かいますが、
ここに書かれているメソッドを、
全部つぶさにもれなく実行する必要は全くありません。
また、自分の気持ちを細かく制御欲などに分類するのは、
自分の気持ちを探求するのに役立ちますが、これも年中いつもやる必要ありません。
とにかく「嫌な気持ちを、握っていたペンを落とすように手放す」
これだけでも十分です。
抵抗-死刑囚は逃げた [DVD]
原題の日本語直訳は「ひとりの死刑囚が逃げた、あるいは風は自ら望むところに吹く」となるらしい。DVDの題名は「抵抗 死刑囚が逃げた」だが、このサブタイトルは原題の前半を採用したものだろう。平成22年3月に岩波ホールでこの作品が再映された(抵抗をテーマに前半が「ジャン=ピエール・メルヴィルの「海の沈黙」、後半がブレッソンの「抵抗」だった」が、その際の題名は「抵抗 死刑囚の手記より」となっておりDVDのサブタイトルと変わっていた(個人的にはこのほうがしっくりすると思う)。
内容はレジスタンスのフォンテーヌ中尉がリヨンのモンリュック城塞刑務所を脱獄するストーリーだが、汚物を捨てる場所での脱獄計画の過程で発生したゴミの処理や顔を洗う場所での情報交換が前半内容。後半は脱獄計画の実行だが、小道具の作成の手元や塀の上からドイツ兵の状況をのぞき見る顔のクローズアップが中心となる。ハリウッド的なエンターテイメントを期待すると拍子抜けだが、主人公のフォンテーヌと感情がシンクロするとリアルで緊迫感のある展開を体感できる。ロベール・ブレッソン自身ドイツ軍の捕虜になった経験があるため、これほどリアルな描写ができたのだろう。
残念ながら主人公の会話や独白から戦中の捕虜の気持ちが汲み取れなかったのは私の感性の低さだが、似たような展開の「スリ」の方が主人公にシンクロしやすかった。また、ブレッソン監督作品のなかで比較すると「バルタザールどこへ行く」や「少女ムシェット」の少女達の後を惹く魅力がステキだったので本作は★をひとつ減らしてしまった。とはいえ、ブレッソンのストイックな映像は派手好みの今の映画では体感できない緊張感をもたらしてくれる魅力があり素晴らしい。