Very Best of
私が生まれた頃、洋楽界には空前絶後のマスターピースが続出していました。『サージェント・ペパー』、モータウンサウンド、フラワー・チルドレンのムーヴメントが起き、やがてウッドストックが開催され…。音楽の揺籃期、真にずば抜けたものが生まれた時代でした。その中にあって燦然と輝く名曲があります。それは“Aquarious/Let the Sunshine In”です。“Up,Up And Away”とともに、きっとどこかで聞いたことがあったのだろうと記憶の残像がある懐かしくもゴージャスな作り。絶妙のハーモニー。題名通り宇宙的な広がりを感じさせる世界観。彼らグループの名前は忘れられ、曲も断続的に膾炙しては闇に埋もれ、しかし初聴の人が出るたびその気持ちを確実につかむ名曲中の名曲なのです。
キャリア的にも文句なしの大御所の彼らですが、不思議に前述の2曲しか聴いたことが無く今回ベスト版を手にしてみた訳ですが、意外にも軽いタッチの曲が多くて認識を改めました。そして彼らが当時の音楽シーンの中で特異な位置を占めていた理由もはっきりしました。確かにモータウン系統でもないし、カウンター・カルチャー色の強い若者のバンドでもありません。感じとしては「きちんと出来上がった」グループなのです。それもそのはず。彼らはジャズ畑のミュージシャン達だったのです。このCDの曲では例えば“Love`s Lines,Angels And Rhymes ”や“Ashes To Ashes”にそれが色濃く出ています。
1970年代前後という稀有の時代に屹立して存在したThe 5th Dimension。しかし彼らがアース・ウィンド&ファイヤーの様なブラック・コンテンポラリーを用意し、既にAOR的な曲調を提供し、そして必ずしも黒人音楽に好意的ではなかったグラミー賞への関門も大きく広げたのでした。そして今もなおその音楽のクオリティは新鮮にして至高の輝きを持っています。是非手にとって聴いてみてください。素晴らしい音楽体験になることでしょう。
Age of Aquarius
10年以上前、中古国内アナログ盤で見つけて以来愛聴。ハル・ブレインのドラムが堪能できます。中尾ミエのヒット「片思い」の元ネタとなっている曲もあったりしますがそれは置いといて。「ウエディング・ベル・ブルース」は結婚式のBGMで使いたくなりましたし(ビーチボーイズの「素敵じゃないか」もね)、捨て曲なしの、本当に楽しめるアルバムです(最近、アルバムってあんまり言わないか?)。これを聴いたら、ローラ・ニーロやニール・セダカのCDも聴きたくなるかも。
With Dionne Warwick [VHS] [Import]
内容は歌謡ショーであり、デジタルリマスターと言う割にはあまり綺麗ではない画像。不満がないでもないのですが、とりあえず動く彼らを見られることに感謝。ゲスト(ディオンヌ・ワーウィック、マール・ハガード(関連性が全くわからない)、カーペンターズ)のフィーチャーで時間をとられて、ヒット曲はメドレー形式で終わってしまっているのが残念。マリリン・マックーって本当に美人ですね。そのご亭主のビリー・デイビス・Jrはサム・クックに通じるものがあるなあと認識を新たにしました。