ニカラグアの博物学者
副題は「チョンタレス金鉱山滞在の記録とサバンナと森の旅、あわせて生物進化学説に関連する動物と植物の観察」
英国出身の鉱山技師で博物学者トマス・ベルトが、1868年2月から1872年9月まで、ニカラグアの金鉱山で採掘事業にたずさわるかたわら、この地で遂行した博物学探検観察の記録。
ニカラグアの自然と人を、あますところなく描き、インディオの失われた文明にも、想いを馳せた素晴らしい記録。
アステカ王家の鳥「ケツアール」とよばれるカザリキヌバネドリ、ジャガー、葉切蟻、軍隊蟻、イグアナ、無毛の犬など興味深い生き物たちが、描かれている。
当時のニカラグアの豊かな自然と、スペインの侵略がもたらした災害が、よく理解できる。
トマス・ベルトという偉大な人間を知ることができ、深く感激した。この本の翻訳者にも感謝したい。