上村一夫 美女画集
☆男と女の儚い悲哀と人生観、崇高を美しくも、粘着的に、或いは、複雑な趣向を織り混ぜて展開される、数々の名作(※同棲時代、凍鶴、修羅雪姫、他)を生み出した、今は亡き、昭和を代表する天才漫画家、上村一夫先生の記念すべき初の画集大作。〈昭和の絵師〉と称された百戦錬磨?の、上村一夫先生の画集が発売されたのは意外にも?この作品が事実上初めてらしいです。、取り扱ったテーマはズバリ、『美女』。愛、恋、妖艶、色気、セクシー、華麗、繊細、綿密、デンジャラス、ユーモラス、ミステリアス、そして、人間の光と影、陰と陽の部分をリアルな演出を駆使しながら驚異的な表現力で、丹念に描かれております。オールラウンドな構成を軸にした心地よい描写には思わず陶酔させられる。緻密な様式美と白眉なムードも魅力的。現在社会の普通の漫画では、どう足掻いても絶対に真似ができない、異色のスタイルと画期的な絵柄&画風はまさに完璧にして、何とも言えない神秘性が漂う。上村一夫先生の偉大な功績と独自の美学の全てが楽しめる最高の画集です!☆。
修羅雪姫 怨み恋歌 [DVD]
第一部の悪役は仲谷昇、岡田英次というダンディ系に深作欣二夫人の中原早苗を混ぜた、まあどちらかといえば知性系。それに対して、今回は南原宏治と山本麟一という最凶コンビを岸田森の秘密警察長官が飼い犬にするという、この上ない悪意の世界が展開します。このトリオ、後先考えないで伊丹十三の思想家にペスト菌を注射したり、それが蔓延すると、今度はペストの温床になったスラム街を焼き払ったりと、まあやりたい放題。これだけヒドイメンバーを部下に抱えると、普段は東映ヤクザ映画で絶対に自己に疑問を持たないボスキャラを演じる安部徹ですらさすがに部下の悪逆非道に恐れ慄いて「悪いことはやめようよ」というのが面白い。
この悪役軍団の前ではさすがの梶芽衣子も前作ほどの存在感を示せないのがちょっと残念ですが、まるで怪獣映画並みの悪役たちの暴走ぶりは爽快感すら与えてくれます。『怨み恋歌』というよりも『怨み濃い歌』と読んだ方がしっくり来るほど、濃い俳優さんたちの無法な活躍が楽しめる、地獄絵図みたいだけど楽しい傑作です。
白い夏―上村一夫初期傑作短編集1970ー1972
劇画の主役に「女」を使用することがここまで斬新だとは思いませんでした。
美しい描写に悲しくて切ないストーリー。
劇画というと辰巳ヨシヒロなど読後感に陰鬱な気分にさせられる印象がありますが、全く違います。
とにかく胸が締め付けられる。
初期傑作短編集との事ですが、個人的にこの頃のタッチが素晴らしいと思います。
修羅雪姫 (初回限定/特別プレミアム版) [DVD]
当時、おっとりキャラだった釈さんが冷徹な殺し屋を演じるジャパニーズ・アクション映画。舞台は未来の鎖国世界。
ストーリーはお涙頂戴に見えなくもないけど、結構良かったかもと思います。途中、隆と笑顔で触れ合うシーンは印象的でした。
しかし何といっても、特筆はドニー様指導によるアクションです。ラストの白雷との戦闘の剣劇は香港らしさがあふれています。でもやはり修羅雪姫が目覚めるところが一番です。
海外にも飛んだそうですが、海外ウケまではしなさそうなアクション映画かもしれません。でも秀逸なジャパニーズ・アクション・ムービーだと思います。
リリシズム―上村一夫の世界
☆筆者は【昭和の絵師】上村一夫先生フリークである。代表作『同棲時代』以外にも数多くの作品を発表してきた。このボリュームたっぷりの大型図鑑こそ、まさしく上村一夫先生の全てを体験できる最初で最後の集大成である。その偉大な画業の全貌と膨大なバイオグラフィーには思わず圧倒される。上村一夫先生のファンならば大満足されること間違いなし!。これは必ずや後世に語り継がれる至宝の逸品でございます!☆。