ガーネット
「時をかける少女」でこの曲を知りました。
映画が背景になっているせいでしょうか、『ガーネット』も『変わらないもの』も過去のせつない恋の歌なのに聴いていると、とても前向きな気持ちになります。
映画のようなせつない思いをしたわけでもなく、歌詞のような淡い思い出があるわけではないのにどこか懐かしく、胸にまっすぐ届きました。
一生大切にしたい曲に出会えさせてくれて、映画に感謝します。
時をかける少女
映像の魔術師、大林宣彦ワールドをもりあげている重要なファクターのひとつが、映像とみごとにシンクロして流れる音楽です。松任谷正隆氏による、静かで広がりのあるテンポから、激しく心を揺さぶられ、なんとも物悲しい雰囲気にさせられる幅広いイメージに、酔ってしまいます。
「時をかける少女」は松任谷由実氏が作詞・作曲、編曲が松任谷正隆氏と夫婦タッグの作品です。♪もも~、くり、さ~んねんっ、で始まる「愛のためいき」には、作曲に大林監督が携わっています。監督のピアノの腕前も有名ですよね。
時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)
時かけ2代目が活躍するアニメ映画に感動し、コミック版を購入。
コミック版で語られた初代:時をかける少女の芳山和子の後日談を読んで、疑問に思った点を解消するため、ここまでタイムリープして参りました(笑)
遡ってきたかいがありました。
2代目映画でもコミック版でもわからなかった伏線がすっきり解消しました。
ここが原点で、ずっと未来に続いているんだなーと思うと、なんだか温かいような、切ないような、不思議な気持ちになります。
物語自体はあっさりと書かれているので、恋愛小説として読むには心理描写があまいかなと感じましたが、
1代目から2代目に通ずる時かけの雰囲気は健在でした(そもそもこちらが本家本元なのだから当たり前かもしれませんが)。
時代を感じさせるくだりも所々ありますが、青春という言葉がもつキラキラしたイメージは変わらないんだなぁと再感動。
2代目のアニメ映画を観た方で初代を知らない方。ぜひここまでリープしてみてください。時かけを両方の視点から楽しめますよ。
時をかける少女
第1に、「時かけ」の本質を生かしたまま、質の高いドラマに仕上がっています。
「時かけ」を脚色したドラマや映画は数多くありますが、この完成度はNHK少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー」以来です。
(NHKでの放送当時、小学5年生でしたから明確に記憶してます)
第2にスタッフ、キャストが豪華。
演出は、「パラサイトイブ」「催眠」「感染」の監督、落合正幸、「僕の生きる道」「ウォーターボーイズ(TV)」の佐藤祐市。
脚本は「踊る大走査線」でブレイク直前の君塚良一。ドラマの質が高いのは納得でしょ。
音楽は宮崎、北野両監督御用達の久石譲。ちゃんと久石節が聞けます。
キャストは和子=内田有紀、深町君=袴田吉彦、吾朗ちゃん=河相我聞。
加えて、和子の妹=安室奈美恵、和子の親友同級生=鈴木蘭々、和子のバスケ部のチームメイト=菅野美穂。
他に、森本レオ(和子父)、吉沢京子(和子母)、佐藤B作(福島先生)、森口瑤子(英語教師)、塚本信夫(深町父、MAT初代隊長)、原作者の筒井康隆まで住職役で登場。
これはフジ土8の「僕たちのドラマシリーズ」の最終作、このビデオは全5回を120分に編集した総集編ですが、このドラマの良さは堪能できます。
(福島先生と奥さんのドラマや他の丁寧な描写が味わえる、全長版のDVD発売が待たれますが・・・)
「時をかける少女」ファンと特に「NHK少年ドラマシリーズ」ファンにお勧めします。
時をかける少女 【期間数量限定生産版】 [Blu-ray]
何だかんだ言って、自分優先で過ごしていた高校時代。
…というより、自分のことでいっぱいいっぱいだった頃を思い出しました。
真琴も最初は自分のことでタイプリープを使っていますが、狂っていく未来を見せつけられ、
だんだん自分や周囲にもっと心を配っていくようになるのが印象的でした。
そして千昭の言葉。
「未来で待っている」
は深いですね。じーんとしてしました。
二人とも二度と会えないことは分かっているはず。
千昭は未来に戻るし、真琴もやがては結婚して思い出に変わっていくかもしれません。
ですが、もし将来。
真琴が「あの絵が残るように何とかしてみる」と言ったように、本当に未来その絵が残っていたら?
もしくは真琴の子孫や、真琴が記した何かが残って、それが千昭の目に触れたら?
『真琴がいた』証。『真琴という存在』と再会できたとは考えられないでしょうか?
その時は今度は真琴がタイプリープをして、千昭に会いに行ったことになります。
真琴の
「会いに行く!」
と力強く語った言葉に、そんな可能性が感じられました。
決して派手ではありませんが、あちこちに深い意味が隠された珠玉の作品だと思います。