ハイデガー拾い読み (新潮文庫)
帯には「推理小説より面白い」とある。それはちょっと香具師の口上じみているにしても、まんざらウソではない。膨大な、しかもまだ完結しておらず、翻訳も追いつかないハイデガー講義録から、木田先生のアンテナに引っかかるオイシイところを拾い上げて、なぜそこが面白いのかという背景説明まで加えながら解説してくれる。行き当たりばったり、寄り道・道草し放題のように見えて、読了したときにはハイデガーの企てというものがスッキリ飲み込める(ような気がする)。
まず拾い読み「第1回」。ハイデガーと言えば誰もが思い浮かべる「存在と時間」だが、こうした人間存在分析はハイデガーの思想展開の中では挿話的なものにすぎない、と木田先生は切り込んでくる。実存思想から存在思想への転回など虚構だ。ハイデガーは本来が哲学史家であり、アリストテレス学者と考えた方が適切である。すでに1920年代から着手されている西洋哲学史の再検討という相の下に、その思想的行程を捉えるべきだ、云々。出だしからツカミはバッチリで、あとはただ、アレヨアレヨと木田先生の洒脱な語りに乗せられて読み進めればいい。
この本には、木田先生のゼミに出席して、さらに夜の飲み会で先生を囲んでいろんな裏話を聞いて盛り上がっているような、そんな雰囲気がある。考えてみれば、著者の文章の魅力って、そういう裃を脱いで語りかけてくるところにあるのじゃないか。知の継承というのは、本当はそういうところで行われるんだよね。
makita ディスクグラインダ 100mm9533B
今までR社の物を使用していましたがモーターのカーボンブラシを1度も交換してない位の使用で、中のギアが壊れてしまい買い替えました(もっと長く使えると思っていました)、回転スピードが以前の物より速くなり、振動も少なく使いやすいです、タイルカットに使ってみましたが持ちやすく安定して綺麗に切ることができ、もっと早く買い換えれば良かったと思いました、耐久性は使ってみないと分かりませんが振動が小さく回転が安定していて力も強いので期待できそうな感じですね。
ハイデガーの思想 (岩波新書)
ハイデガーというと「難しい」の代名詞といってもおかしくない。
哲学系の入門書の中には、少ないページ数にもかかわらず、いきなり難解なことをつらつら述べて終わるのも少なくない。
そんな中で、ハイデガーの難解さをこの本はやさしく解説してあるし、高校生でも余裕であろう。
ハイデガーの哲学史家としての偉大さを読んで理解できるし、一般的な哲学入門書より、はるかに哲学史が理解できる。
木田氏は、ハイデガーの日本における第一人者だけあります。その文章の平易さこそ、むしろ難解な語句をつらつら挙げる学者より知識の深さを示しているのではないでしょうか。
現代の哲学 (講談社学術文庫)
日本を代表する哲学者であり、とりわけハイデッガー研究で大きな功績をあげられている木田元氏による現代哲学の案内書。20世紀の哲学の大きな潮流は現象学、実存主義、心理学、構造主義、そしてマルクス主義であり、それぞれの立場が互いに反発したり、影響し合ったりする関係にある。本書ではまず第一章で、科学の進歩がもたらした理性の危機という前提から哲学の課題を提起する。第二章では、現象学の祖フッサール、そこから生まれた実存主義哲学者ハイデガー、サルトルの考察。「身体の問題」と題された第三章ではメルロ・ポンティと精神分析の祖フロイト。第四章では「言語」をテーマにソシュール、ヴァロン、レヴィ・ストロースの考察。そして「今日の知的状況」と題された第五章では、現代におけるマルクス主義の問題とラカン、フーコーらの構造主義が取り上げられる。現代哲学について大まかな鳥瞰を得るための手軽な案内書だと思われる。