聡明な女は料理がうまい (文春文庫)
ウン十年前にこの本が出版された時、故・池田満寿夫さん(作家・画家)が「聡明な女~」を外国人に紹介する時に何て英訳しようか・・・と桐島さんに相談したところ、「スマート・ウーマン」と即答されたそうです。
そうです、この本は料理のレシピ集ではなく、いかに生活をエンジョイするかを描いた「著者の姿勢」を描いた内容なのです。桐島さんは若い世代にはローランドさんやカレンさんやノエルさんのお母様としてしか知られていないかもしれませんが、当時は新しいタイプの女性登場!!私にとっては女神様のような存在だったのです。
発売当初からいまだに本棚に健在で、半年に一度は読み返してみたくなる本です。
かれん
サディスティック・ミカ・バンドに参加した流れでプロデュースはその面々が。
桐島かれん本人も語っているけど、ところどころかなり無理したボーカルです。
かわいく聴かせるためにやたら高音域で頑張らされたらしい。
まぁ、結果としては確かにかわいい曲に仕上がってはいるんだけど。
サディスティック・ミカ・バンドへの参加は見た目の存在感だけで起用されたそうで、
桐島かれん本人は本格的に歌手になるつもりは全くなかったということで、
アルバム自体にこれといったアーティスト的な方向性はないのだが、
作家陣が豪華なために個々の楽曲はポップスとしてかなり良い出来ばえ。
そして、この次のアルバムでも、彼女はまた違ったテイストの名盤を作り上げる。
天晴
生まれて初めて買ったCDアルバムが本作です。
当時1の「Boys & Girls」が自動車のCF曲になっており、格好よさに引かれて買いました。
改めて大御所ばかりになったSMBの面々です。加藤和彦、高中正義、高橋幸弘、小野田レイに桐島かれんを二代目ボーカルとして迎えた「天晴」はまさに天晴れな出来で、幸弘ファンのボクとしては「薔薇はプラズマ」「42℃のピクニック」がお勧めですが、小野田さんの「賑やかな孤独」のシュールさも捨てがたいですね。
なお、
ボーカルの桐島かれんの兄は江角マキコの元旦那の桐島ローランドです。(笑)
ホームスイートホーム―暮らしを彩るかれんな物がたり
素晴らしい本です。
芸能人としてのカレンさんしか知らなかったので、ここまで知的で深い方だったとは…(ごめんなさい)
親から貰った美しい容姿に知的な母親、華やかな芸能界でも努力しなくても楽々生きていけそうなんて羨ましく思っていたのですが、子供の頃に魔女といじめられたことや、英語が話せなくて父親と会話出来なくて切なかったことなどいわば『ダークサイド』なカレンさんを知ることが出来て驚きの連続でした。
カレンさんの大好きなものを通して語られるお話はとても深く、時に悲しく、とても愛おしく心地が良いです。夏目漱石の初版本とかかなり趣味が良いと思います。
良いもの大好きなものを丁寧に使う暮らしがしたいと思っていたところだったのでとても幸せな気分で読めました。 写真も美しく、文章も深く幸せな気分になる本。何度でも繰り返し楽しめます。 値段が高いのが難点ですが、お値段以上の情報と幸福感はいただけるかな、と。
あとカレンさんがキリムをコットンとおっしゃってましたが、基本はウールです。糸にコットンを織り込むことはもちろんありますが。(コットンみたいな柔らかい上質なウールだと解釈。良いウールはチクチクしないので)
私もキリム大好きだったのでとても嬉しかったです。
巻末にお母さんのエッセイも載っていてまたその文章が憎い。
手作りのある暮し―Handmade living
丁寧に暮らすということ。類稀なる美意識に裏打ちされた手仕事の素晴らしさ。
頁を繰るごとに、感嘆。
桐島かれんファンでなくとも、是非おすすめします。
この本じたい、とても丁寧に企画・構成されています。