ウズベキスタンの桜
中山恭子氏がウズベキスタン大使として現地でどの樣な
生活をしてゐたのかを記した本
なかでも日本人墓地の整備に關する件は感動した
ウズベキスタンにはシベリアに抑留され
後にウズベキスタンで働かされてゐた方々が眠る墓地がある
かつてモスクワから「日本人墓地は二ヶ所まで」と指令が出たが
ウズベキスタンの方々はその「更地にせよ」と言ふ指令を無視して
日本人墓地を守つてくれてゐたらしい
もともと更地にせよとの指令が出てゐる爲整備することは出來なかつたが
「整備しなかつた」のではなく「整備出來なかつた」と思へるのは
認められた二ヶ所がきれいに整備されてゐるからだ
「ウズベキスタンまで来て本当に良かった。父はここで眠るのが一番幸せだと思いました。お墓を訪ねたら大層綺麗になっていた。お花を飾ってくれていたし、箒の目まで立っていた。そして、周りにいたウズベキスタンの人々に話を聞いたら、みんなが『ここで働いていた人達は本当に優れた人達だった。尊敬している。だからお墓を守っている』と話してくれた。父が、みんなに、こんなにまで温かく見守られているとは思ってもいませんでした。父の遺骨を日本に持って帰るために、兄弟で少しずつ貯金をしてきました。でも、日本に帰ったら、兄弟達にきちんと話をして納得してもらいます。父はきっと、ここで仲間達と一緒に眠るのが一番幸せなのだろう……そういうふうに感じたからです。そして、貯めてきたお金は代わる代わるお墓参りに来るのに使いたいと思います」
遺骨は日本に歸國するよりもウズベキスタンで
仲間達と共に現地の方に見守られながら眠るのが良いだらう
と抑留者の方や遺族の方の間で意見がまとまり
墓地を整備することになつた
當時のスルタノフ首相の言葉
「ウズベキスタンで亡くなった方のお墓なのだから、日本人墓地の整備は、日本との友好関係の証としてウズベキスタン政府が責任を持って行う。これまで出来ていなかったことは大変恥ずかしい。さっそく整備作業に取り掛かります」
二千二年春全ての墓地整備が完了
「整備に必要な費用は全て負担するつもりでいましたが、
経費の事を話そうとしてもウズベキスタン政府には全く受け付けてもらえませんでした」
國益と國益がぶつかり合ふ國際社會にこの樣な話があると言ふことが
驚きでもありまた嬉しくもある
世界の国歌
これまで国歌のCDをたくさん買いました。でも、多くの場合、現地の演奏とかけ離れたアレンジやテンポにがっかりさせられてきました。このCDは、その点、かなり元曲に忠実な演奏が多いと思います。(ウズベキスタンなど、一部中央アジアの国々の国歌については、テンポやアレンジに不満がありますが...)。もちろん演奏の質は、他のアルバムの追従を許さない完成度です。資料的価値があります。ただ、収録されている国がもっとバラエティーに富んでいれば、さらによかったのにと思います。
Lonely Planet Central Asia
第3版との一番の違いはアフガニスタン編がカットされ、
中央アジア5ヶ国のみの情報になったこと。
(アフガニスタンはLonely Planet Afghanistanとして発行された)
前版には載っていなかった地域や町の情報が増え、
地図も豊富で少し精度が高くなっている。
カザフスタン北部やタジキスタン東部の情報は、
あの「旅行人ノート」でも少なく十分とは言えないが、
この本にはそれが詳しく豊富に載っている。
この1冊があれば中央アジアを隈なく周っても十分事足りるだろう。
UFO少年アブドラジャン [DVD]
ゆったりとした時間が流れるこの国にUFOなんて似合わないと思うかもしれませんが、映画の中の人々の気さくさや純粋さやアルミのバケツで作ったようなUFO、ほうきで飛んでいく人を見たらこの映画が大好きになると思います。ほんとうにかわいい映画です。アブドラジャンが星に帰っていくシーンには少しうるうるときます。
社会主義後のウズベキスタン―変わる国と揺れる人々の心 (アジアを見る眼)
菅原純さんのウェブサイトのコメントを参考にしました。
著者のお仕事は以前その『マハッラの実像』を割と集中して読んだことがあり、いらいそのお仕事には注目しておりました。今般のご著書は、一般向けに読みやすい文体で、タイトルどおりのソ連時代以降のウズベキスタンの国と社会の動きについて、(いつもの通り)かっちりしたデータと綿密な取材に基づいて紹介しています。
構成は以下の通り:
序章 自分の国はどこ? 失われた国の行方
第1章 ソ連邦崩壊後の国家・民族の認識
第2章 人々のアイデンティティを形づくるもの
第3章 国民の生活と政治
第4章 国民の生活と経済
第5章 ソ連邦崩壊後の家庭内関係と家族像
第6章 「未来の偉大な国」にはどのような未来があるのか
詳細はご一読をお勧めしたく思います。一言だけ申し添えるならば、本書は世間にいくつか流布している「おざなりの地域事情の紹介本」とはまったく違った、そこに暮らす人々の息吹が感じられる「ウズベキスタン入門」と申し上げてよろしいのではないかと思います。別の言葉で申し上げるならば、これから何かの縁でウズベキスタンという国を訪問する方にはぜひ旅行かばんにつめていってもらいたい。そして(多分?)タシュケントにむかう短いともいえない飛行機の移動時間や、ホテルの手隙の時間にでも読んでもらいたいものだと思います。つくづく思うのですが、われわれ日本人、そしてウズベキスタン人はこのようなすばらしい「語り手」を得たことを率直に喜ぶべきでしょう。