NHK「その時歴史が動いた」コミック版 策士・軍師編 (ホーム社漫画文庫)
自分が劣勢な状況でもわずかな可能性にかけて全力を尽くす。これはかっこいいです。こういう時にモデルとなるのが真田幸村ですね。是非本書を読んで脳裏に焼き付けましょう。
モンテヴェルディ 聖母マリアの夕べの祈り (1610)
2007年の目白バ・ロック音楽祭のライブ録音。
ほとんど同じ演奏者・同じ会場で2005年にも録音した番があるが、こちらの2007年版の方がより各演奏者の個性が前面に出て、かつ融和しあい、アンサンブルとして非常に整った演奏になっている。
テンポ設定や楽器の扱いに他のヴェスプロには見られない個性が現れているのは指揮者の濱田氏の徹底した研究と、卓越した感性のたまものでしょう。
また情熱的な指揮者の棒もあって、祈り、というよりは祝祭に近い躍動感があるのも特徴。「Laetatus sum」の通奏低音はまるでジャズだ、とは公演パンフレットからの引用ですが、僕自身は非常に気に入っている演奏解釈です。
しかしこのディスクをもっとも個性的にしているのは、なんといってもテナーソリストの七条信明さんの存在でしょう。
全くクラシックの声ではなく、ラテン語の発音もほとんごカタカナに聞こえてしまうし、ポルタメントたっぷりの歌い方は、これまでのバロック音楽のソリストの基準からは到底考えられないものです。
しかし逆に、それが非常に良い!
七条さんは中世音楽からロック、ポップス、民謡、演歌までなんでもうたうヴォーカリストですが、このヴェスプロの演奏では、様式感なんかよりも歌い手自身のあふれ出る表現への情熱がダイレクトに伝わってきます。とにかくアツい。
ソロの「Nigra sum」、男声三重唱の「Duo Seraphim」は、七条さんのソロにハマってしまうと、なかなか他の録音では満足できなくなってしまいます。
このほか、チェンバロの西山まりえさんも素晴らしい。声楽ソリスト陣も、型にはまらない自在かつアクティブな歌唱で、この400年も前の作品を「いま」の音楽として演奏しています。
こういう演奏もありうるから、古楽ってのは本当におもしろいですね。
モンテヴェルディのヴェスプロは結構聞いてみましたが、名盤の一つとしていいんじゃないでしょうか。七条さんのソロを聴くだけでも価値ありです。