食前絶後!! (富士見ファンタジア文庫)
TRPGリプレイが出版されだした頃から、ライトファンタジーでも呪文を
唱えるだけから握手の魔法理論を構築するようになった。
その中でも特筆すべきは本書で扱われている五感魔法であろう。
人は錯覚でも火傷をする。ならばあり得ない刺激を受けた人体はどのように
反応するのか?触覚では?嗅覚では?視覚では?聴覚では?そして味覚では?
とにかく、味覚に関する尋常ではない比喩だけでも楽しめること請け合いである。
本書の母体となった作者ファンタジア文庫投稿作品の調理魔法も読んでみたいものである。
九月姫とウグイス (岩波の子どもの本)
幼い頃本棚にあった数ある絵本の中で、特に印象深いものがこれでした。
本棚とタンスのあいだの狭い隙間に、いつもこの本を抱えて座り込んで読んでいたものです。
エキゾチックで、たまにちょっと不気味で美しい挿絵の数々。
見たことのない異国(タイかカンボジアあたりのイメージ?)の雰囲気をうっとりしながら眺めていた子供の頃。
訳あって幼い思い出の品をほとんど失う事になってしまい、もう出会えないと思っていましたが、妹が復刻していたものを探してきてくれてプレゼントしてくれました。
まずびっくりしたのが作者がサマセット・モームだったこと!
そして物語のテーマが、愛する相手の事を本当に思いやることが出来るか、信じる事が出来るか、という深いものだったこと。
…子供の頃は絵の美しさばかりに気を取られてそこまで気がついていませんでしたね。
自由でなければ歌うことはできません。
歌わなければしんでしまうのです。
心から愛する人がいる人には間違いなく心に響く絵本だと思います。