オペラ座の怪人 スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
overtureがすごく良いです。あと、ひたすらファントムがかっこよすぎ。
The poit of no return、劇も好きですが映画版もすごくいいです。
ただこの映画では何故最後に、クリスティーヌが指輪を返しに来たのか
ちょっと不明です。ただのビッチに見えます・・・(すいません・・・
ファントムも、指輪原作みたいにもっと前に渡せばいいのにと思いましたが)
その後ロンドン公演の映像を見てやっと理解しました。
そして、舞台に比べるとエミーロッサムが大根にみえてしまう・・・
The poit of no return の間中ずっと口空いたままだし。
最後の三重奏、「エーンジェルオブミュージック」とクリスが歌い始めた
シーンは思わずずっこけてしまいました・・・ずいぶん余裕あるなあ、と
あとファントムかっこよすぎて地下に篭るほどひどい顔じゃないです。
仮面剥いだあともっとひどい顔に出来なかったんですかね。
舞台でも脳みそ見えてるのに・・・。
原作忠実度でいえばロン・チェイニーがダントツです。話も顔も。
どことなく情けないジェラルドファントム・・・ちょっとひとりよがりっぽい?
最初の仮面はがしたシーンは、ただの短気にみえる。墓場で負けるし。
まあでもかっこいいんですけどね。それで全部カバー、か?
劇ほど上手くはないですが歌い方も良いです。吹き替えにしなかった事は謎ですが。
あと、赤い死の衣装は舞台のが格好良い。何故変えたのでしょう。
やはり映画は歌より顔で選んだなあ、という印象です。ただ舞台の方々の歌がいくら上手くても、
やっぱり映像には映えなかっただろうし、映画は映画、舞台は舞台で仕方がないこととは思います。
不明点は何個かあるものの、総合的に見て結構好きです。
エビータ [DVD]
アルゼンチンの寒村で生まれ、ファーストレディにまでのし上がった
エバ・ペロンという女性のシンデレラストーリーと、僅か33歳で子宮ガンで
亡くなるという悲劇、その二つが実話という重さを背景に語られます。
美しく華やかな表の顔と、狂言まわしのバンデラスが暗喩で語るその裏の
一面を合わせもったこの女性の数奇な人生が陰陽のコントラストを
持ちながら人間の姿、悲しさ、愛しさ、そして愚かさが重なり合って
垣間見え、深く、切なく、美しさが心に残って、なんともいえない心持になります。
また、マドンナの歌唱が抜群、バンデラスが、負けないくらい凄い。
この演技・歌唱、そしてロイド、ウェバーの名曲の数々をバックに
いろいろなことを考えさせてくれる映画だとおもいます。
できれば、きちんと理解するために、実在のエバ・ペロンの資料を
読まれてから、もう一度この映画を見ることをお勧めします。
なお、セリフがほとんど歌というのもミュージカルとリアル映像の
組み合わせだと割り切れば違和感はないと思います。
エビータ―写真が語るその生涯
自分はエバ・ペロンに関心も持ち、本を読めば読むほど、彼女の実際の写真が見たくなりました。ということで手に取ったのが本書。期待を裏切らない珍しい写真でいっぱいです。エバはきれいだったけれど、ハリウッド女優で成功するまでの美貌ではなかったようです。夫のペロン大統領もなかなか男前でした。写真集ですが、文章もとても詳細で楽しめます。
エビータ (新潮文庫)
混乱時のアルゼンチンにおいて、貧困から這い上がり大統領夫人になった女優エバ・ペロン(通称エビータ)の生涯を書いたノンフィクションです。
女優から大統領夫人になったと聞けば、通常は誰しもグレイス・ケリーのようなシンデレラストリーを想像するでしょう。
しかし本書に描かれたエビータは女の子が憧れるような美しいだけのシンデレラでは決してありません。
14歳から愛人を持ち、後の夫になるペロンに出会うまでは数々の男の上を通り過ぎていきます。女優としてそれほど名声があったわけではないエビータは、
自分に有用な男を愛人とすることで自分を守って生きていくのです。ペロンの愛人になった後は、彼を助け政治に介入し、
労働者を味方につけることでペロンを大統領の地位にまで押し上げます。その後も労働者の賃金を上げ病院を整備し貧しい人々に尽くすという、
ファーストレディの鑑のような行動で、圧倒的な支持を得ていくのです。
しかし、やはりメルヘンのお姫様ではないエビータの顔がここでも出てきます。自分の支持者には果てしなく優しい彼女ですが、敵に対しては容赦しません。
権力・財力を駆使して弾圧を加え、相手の息の根が止まるまで攻撃します。
本書を読む限り、エビータという人は人々の崇拝や喝采に対してどこまでも貪欲だったように思えます。
彼女がもっとも欲しかったものは、大勢からの限りない溢れるような愛だったのではないかと感じました。
また、今まで縁遠かった国アルゼンチンについて知る契機になりました。副効果的に知識が増えるから自分はノンフィクションが好きです。
エビータの真実
エビータについては映画で見て、マドンナのイメージで焼きついていましたが、実際の本を読んでその第一印象は覆されました。
正直言って初めはエビータのあの着飾った装いでいつも高い所から大衆を見下ろしているという態度が気に入りませんでした。誰だってお金に余裕があったら人助けをして感謝されたい・・・というのが最高の夢だと私は思うのです。お金を持っていて幸せな人がさら幸せになり、逆に貧乏な人は施しを受けて、さらに卑屈になっていくことの非合理性に私は憤りすら覚えたのです。貧しい過去を背負っているエビータにこそ、もっと民衆の立場から彼らに語りかけて欲しいと私は思っていました。
しかし、私は読み進めていくうちに気が付きました。”聖女エビータ”も一人の人間にすぎないのだと。聖女という言葉に惑わされて私たちはエビータを少し神格化しすぎていたのかもしれません。恵まれない少女時代の幸せの埋め合わせをするための絶頂期があのペロン大統領の妻の時期であったとしたら、33歳で亡くなるまでの期間ではまだ彼女の心は満たしきれなかったのではないでしょうか。それを思うとあの贅を極めて着飾った彼女の姿も心なしか痛ましく見えてくるものです。