明日のない空 3 (ビッグ コミックス)
今回もハンドボールの技術的なところはほとんど描写はないんですが、全日本の合宿など、競技者でも知らない世界が描かれていたのはよかったです。
それと宮崎大輔選手をモデルにした人物も登場するので、ファンなら一読の価値は・・・まぁなくもないです。
ストーリーはタイトルどおりの暗い話が相変わらず続きますが最後に救いはあります。
個人的にはもっと長く続いてほしかったので残念。
巻末に作者が取材した時の小話があります。
明日のない空 2 (ビッグコミックス)
隠れた逸材、隠れた強豪が、いよいよスポットライトを浴びる。
そんなステージの第二巻です。
塀内作品って、イカロスのときもそうだったんですが、傍流と言うか、
隠れテーマと言うか、そんなものが結構重かったりして。
生活保護者の問題と言うか、貧困の問題と言うか、残された家族の
問題と言うか、コメントしにくい重いテーマがあって、その点、考え
させられてしまいます。
涙のバレーボールの時なんかは、このチームでプレーできるのは、あと
僅かって言う、残り少ないこの時間にかけるって思い。それが私にとって
全てでした。
史上最低のレガッタになると、これはもっと重い問題になってきて、
そのときには分からなくても、実際そういう人たちと出会ったりすると、
考えさせられてしまう。終わりは単純でしたが。
変遷。なんでしょうか。
そんな傍流を読みつつ、ガッツのプレーに、思わずわくわくする。
でも、典型的な負け組の私としては、とんでもない力の壁にぶち当たる
時。弱者が抱くあの絶望感が、どうしても予感されてしまう。
ミスバレーボールのときみたいに、一気にロシアと闘う望ちゃんへの
期待。それと似たような感情と、入り混じります。
頑張れ、凸凹コンビ。で、80点。お読みください。
明日のない空 (ビッグコミックス)
無理心中で家族を失い、ただ一人生き残った母親の面倒をみながら、働いて定時制高校に通うサイチャン。
お金がなくて医者にもいけず、母親の命と引き換えのように生まれてきたガッツ。ガッツの父親は働きもせず、生活保護を受給中…ということらしい。
定時制高校に通う彼らが、背負っているものを振り切って飛べるのは、授業を終えて、一日の終わりのわずかな時間だけ。ハンドボールに打ち込むその瞬間だけが、生きていると感じる時。
負けへん、負けへん、負けへんで!真っ直ぐに生き抜こうとするサイちゃんに精一杯の声援を送りたい。どん底を生きるサイちゃんたち。見上げた空は高く青くて、光輝くものを、その手がつかみ取る日を待っている。
でも、サイちゃん、頑張り過ぎて、どこかでポッキリ折れたらあかんで。