ネジと紙幣 [DVD]
これがDVDになるとは。しかもアマゾンで買えるようになるとは思いませんでした。
元ネタが「女殺油地獄」なので結末が暗くなることは織り込み済み。
そこに至るまでの「過程」が見どころです。
良い悪いでは割り切れない人々のそれぞれの心情が描かれます。
今回、特にすごいと思ったのが、ともさか演じる妻と夫の会話です。
気を遣いすぎたりする夫婦間の気持ちと、言葉のすれ違いがリアルでドキッとしました。
どちらが悪くもなく、むしろ気にかけているのにすれ違ってしまう…非常に哀しい。
最も注目の出演者は、実は、江口のりこさんです。
今回は、ちょっと外した?キャバ嬢役。外した感じと、すれた感じが良かったです。
もっと長い出番でじっくり見たい面白い役者さんです。
意外やストレートプレイ初出演・森山未來さんのダメ男ぶりが哀しい。
ともさかりえさんは幼馴染みとの距離感や、家庭内で気を遣う主婦の微妙な心の変化を演じる難しい役に挑戦。
田口浩正さんはシリアスな演技が絶対光ってる!
それも日常の場面でのコミカルで弱気なキャラクターづくりがあってこそ、怒りの部分が強調されるよう。
満島ひかりさんは、私にとっては今でもウルトラマンマックスのエリーですが、
主人公に通じる暗く重い部分を抱えてました。
根岸季衣さんの安定した演技はさすがの貫録です。
大友良英サウンドトラック Vol.0
どうしてもCDで聴きたかった「その街のこども」の主題歌・挿入曲を含むミニアルバム。
どの曲もスローで味わい深く、スッと耳に入ってくるのですが、
決して軽く聞き流せない強烈な主張を感じます。
音と音の間の空気感が本当に素晴らしく、密閉式のヘッドフォンで1日中聴き続けたくなります。
私のベストトラックは(2)。「その街のこども」のクライマックス、
震災の記憶を抱える若者二人が深夜の神戸をひたすら歩く場面で使われた曲で、
トロンボーンが高らかと響く後半の盛り上がりに胸が熱くなります。
日本のギターインストにこれほどシビレたのは初めてかもしれない。
PLANET MAGIC (初回限定盤)
サウンドは80年代風のキラキラなエフェクトのかかったギターサウンドをメインに据えて
いて(佐久間さんGJ)、これがどこか懐かしさを感じる原因なのかもしれない。
それ以上に彼らがすごいのは曲のメロディラインがしっかりして王道であることだと
僕は思う(実はマーヤはとんでもないメロディメーカーなんじゃないか)。
確かにYOUTUBEなどで見ることのできるライヴ映像はローファイさ加減や時には
ヘロヘロ感満載で(笑)、確かに演奏力で聴かせるタイプではないかな・・・。
しかし、それでもその映像を見ているこちらが自然と微笑んでしまって楽しそうだなと
ずっと見ていられるのは、やはり曲の持つ魅力がキラキラと輝いて力強いからだと
思うのです。
リードトラックであるプラネットマジックのあまりの素晴らしさに、他の曲は大丈夫か?
と思ったのは大きなお世話で、ロックンロールの持つ切なさに殺されそうになりました。
個人的には捨て曲無し。ボーナストラックも笑えるしね。
聴いていると、高校生の自分に引き戻される。
行き場のない有り余るエネルギーとどうしようもなさにもがいていたあの頃。
ロックンロールに出会って胸が張り裂けそうになって救われた気がしたあの時代から
彼らはやってきたんじゃないかと、このアルバムを聴きながらふと思ってしまいました。
聴いていると一緒に歌ってしまっているそんなアルバムです。
2011/8/15追記:rockin'on山崎洋一郎氏のライナーノーツ付きです。
ワンダーランド [DVD]
友人に誘われて行ったのですが、初めて見たダンサー森山未來が息を呑む上手さでした!DVDで再現出来て嬉しいです。
http://miramira.blog.ocn.ne.jp/morimori/ こちらのブログのエントリー「演出家・森山未來」に詳しく書かれていて参考になりました。
世界の中心で、愛をさけぶ [VHS]
人の一生を、たとえそのヒロインの寿命が短かろうが、それを描き切るのは些か無理があったんじゃないかと思います。
展開早過ぎて余りついてこれなかったかな?
見ているこちらが少し取り残された感じですね。
当時ウォークマンがあったとはいえ、やはり高級品だったから、そこまでバシバシ使えたものなのでしょうか。
あとは、十数年前のテープを当時のそのままの状態で再生できるのかと、訝ってしまいます。
いやーこんなこと言うの詰まんないですよねー。
ただ、これの唯一の救いといえば朔が律子と最終的に結ばれるというところでしょうか。
いつも側にいてくれた人を救わねば、この主人公の朔は薄情者であるとしか言えませんからねえ。
なんか、漫画みたいでした。