Friends
はっきりと自分が恋をしていると自覚している人、自覚していない人、恋を静観する人、彼と恋愛中で女友達との距離感も謀ってる人とか登場する9つの短編集は9人の作家による様々な恋の話で、文体も行間も全く雰囲気が異なっている。
各短編の始まりの表紙はオレンジ、桃、紫、赤などの異なる色の紙のページとなっていて、新しく違う話を読み始めるためにページをめくるのも楽しさがあった。
自分はその人に恋をしていても、肝心のその人はその恋心を気づかぬふりをしているのか、気づいているのか、それなら何故、会ってくれるのか?
「恋愛小説を私に」ではそんな女性の恋の甘い苦しさが28歳の主婦が主役で気持ちが描かれていてリアルだった。結婚していてもそんな気持ちは知らずに自然なもので人間らしいことだと思えてくる。
また「青い空のダイブ」は生き生きとしたスカイダイビングなどの情景と恋の話、人物たちの会話と合わさって小説なのに劇画のようなテンポもあり楽しい。
他に7つの短編、どれも独特で恋の気持ちのボリュームを身近に感じることが出来た魅力的な1冊です。
Friends―恋愛アンソロジー (祥伝社文庫)
唯川恵のファンで、彼女の作品が載っているこの本を買った。読んだ感想は、読者の期待を裏切らない、素晴らしい作品だったと思う。他の作家達の作品も良かったが、同じ出版社からでている、「LOVERS 恋愛アンソロジー」の方が良いものがあったような気がする。具体的には、島村洋子の作品など。今回の本の中にも、「KISS」という作品はあるのだが、「LOVERS」の中の作品の方が、感銘を受けた。。。
短編集の本だと色々な作家の作品に触れることができるので、これから先にどんな作家の本を読んでいこうか、という時に、ガイドとなる、というか、案内人として役立ってくれると思う。私自身、そういう関係で本を購入しているからだ。実際、最近、先の島村洋子などの本を買って読んでいる。