八百比丘尼の斎―弟切草オリジナルゲームノベル
久々のゲームブックでしたが、弟切草の完全版ということで違和感なく楽しめました。
分岐はそれなりにありますが基本的にはまっすぐ進んでくれるので安心です。何カ所かアイテムや数字の語呂合わせを使ったロングジャンプの箇所があり、これらがギブアップしそうなハマりポイントでしたが、ヒントはだいたい直前に出ているので、よく考えれば何とかなりました。アイテムのメモは必須です。
ストーリーは完全版というだけあって、サウンドノベルに比べて詳細な分、少しくどかったり説明的すぎる部分もあり、神秘性が失われている面もありますが、逆に背景の設定としてはよく練られたシナリオだったんだな、ということを確認できました。弟切草はナミやナオミの物語ではなかったのです。というわけで、個人的には満足しました。
弟切草 蘇生編
かまいたちの夜が人気出すぎてちょっとかすんじゃってますけど、個人的には結構好きです。
ゾンビや血まみれの死体みたいなのと戦ったり、ハサミ男に追われたりするホラーは苦手ですけど、怖いのは好きな私には読むくらいで丁度いい。
ただ小説を読んでいるようでいて、選ぶ選択肢によって展開も結末も多様に変わっていくので飽きないです。
今のゲーム機に比べるとやはり画像や音とか落ちますけど、そこは仕方ない。SF版に比べれば多少は良くなっているとすら思う。なってて当然ですが。
話もよく出来ているし、時々コミカルに、ドキドキ感もいっぱいで、盛り上がるところは本当に盛り上がる。感動するシーンもありました。
まあ言い回しとかはどうかなと思ったりもしますけど、発売当時は大して気にしていなかったから時代の流れ・・・ということで。
かまいたちの夜に比べると物足りなさもあるかもしれませんが、これはこれ。ジャンルも違いますしね。
値段も値段なことですし、相応に楽しめます。
個人的には良作だと思っています。
弟切草 蘇生編
私はスーパーファミコン版しかプレイした事がありませんが、このCDは、プレイステーション版の「弟切草」のアレンジとサントラが収録された物です。オープニングの館があらわれる時の曲のアレンジは、合唱のような声が入っていて、かなり美しく、しびれました。
ファンなら聴いて損はないでしょう。
弟切草 (角川ホラー文庫)
同名のゲームのシナリオを手がけた著者による
ノベライズ作品です。
他のレビュアーさんが言っているように、
好き嫌いが分かれる作品だとは思います。
ホラーと言うには、恐ろしさは少ない気がしますし
キャラクター達のやり取りが癇に障る、とかんじる人もいると思います。
それはつまり、この作品にどのようなことを期待して読むか
ということだと思います。
真面目にホラー小説の恐ろしい世界に浸りたい人には向きませんが
少しくらいの滑稽さを受け入れて、軽い気持ちで読めるのならば
作者の少しおどけた文体や、テンポのよさも手伝って
面白く読めると思います。