ライヴ・アット・ザ・フィルモア・イースト
1970年3月7日、ロックの殿堂フィルモア・イーストでの6人の演奏は、グラミーを受賞する「ビッチズ・ブリュー」発売1か月前だった。つまり、「マイルス・ランズ・ザ・ヴードゥー・ダウン」、「スパニッシュ・キー」、「ビッチズ・ブリュー」はライブ初演(実際は前夜が初日なのだが)なのである。聴衆は、勿論聴いた事が無い訳である。メンバーは、マイルス、ショーター(これがグループでの最後の演奏でしかも凄まじい演奏なのだ)、チック・コリア、デイブ・ホランド、ジャック・デジョネット、アイアート・モレイラの6人の演奏は、スタジオ録音とは異なる凄まじさを聴かせてくれる。アルバムではLP片面を使用した「ビッチズ・ブリュー」が8分33秒と短いが、全曲、オリジナル以上に圧倒的なパワーに溢れている。これこそライブの凄さである。6人という小編成でこれだけのパワーを持つグループに、この後演奏した「スティーブ・ミラー・バンド」や「ニール・ヤング・アンド・クレイジー・ホース」のメンバーは、どんな印象を持った事だろう。マイルスは彼らの前座だったのだが、完全に食われていた事だろう。一番驚いたのは、聴衆に違いない。この後、ショーターは、マイルスの実質上の引退コンサート(1991年7月10日、パリのラ・ヴィレ)で共演するまで独自の道を歩む(ウェザー・リポートの結成)事になる。このCDは、マイルスグループ最後の2回のコンサートで自由に羽ばたくショーターを聴く事ができるという点からも、必聴なのである。
アンソロジー・ライヴ~ジェントル・ソウツ・リユニオン [DVD]
特に必見はDisc2。
15年ぶり(?)に演奏したという「Captain Fingers」はのっけからドギモを抜かれます。メンバー全員が超ムズのフレーズを余裕しゃくしゃくと演奏しているバカテクぶりと同時に、おいしいフレーズとアンサンブルで何度観てもうなってしまいます。まあ一番びっくりしたのはKONISHIKIそっくりのアンソニージャクソンがあの短い指でどうやってあのフレーズを弾いているのか・・というとこですが。
ハーヴィー・メイソンも参加していますが、FOURPLAYの半分が揃っているのにアプローチが全然違う。とにかくアツい。
若手の演奏や歌も素晴らしく、世代交代を予感させます。ケニア・ハザウェイってハザウェイファミリーはまだいたのか!と驚き。彼女も例外なく歌が上手いです。
曲もバラエティに富んでいて飽きずに最後までドライブ感あふれるプレイを楽しめます。時が経ってもまだまだ現役!