心療内科を訪ねて―心が痛み、心が治す (新潮文庫)
著者の詳細な腰痛闘病記「椅子が怖い」の後、心療内科で取材した患者さんたちの記録が短編のように並んでいます。
本書により、心療内科の守備範囲がわかるという意味で、心療内科のよい入門書になっていると感じます。
たぶん典型的な症状が書かれていて、みなさん快方に向かわれているか全快された方達ばかりですが、それぞれに
壮絶な体験が書かれています。
本書のあとで、「椅子が怖い」を読み、こころを奪われました。2冊合わせて読むことで、新しい世界が
開けた感じがします。さらに、池見著「診療内科」という中公新書を読みましたが、内容として古い中公新書
よりも本書の方が読みやすかったです(池見著で心療内科の心意気はわかりましたが)。
腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫)
さすがに文章がうまいので、引き込まれて最後まで読んでしまった。
夏樹静子の腰痛は、色んな検査をしても、器質的な疾患が明確に
ならなかった。
そこで、考えられるのは、心の病である。
しかし、夏樹静子はそれが納得できなかったので色々と治療を試みる。
この本を読んで、器質的な疾患がなくて、身体に疼痛がある時は、
心の病を疑う必要があるということが、少し理解できた。
裁判百年史ものがたり (文春文庫)
夏樹氏は推理作家として知られているが本書はノンフィクションである。明治24年(1891年)の第1例「ロシア皇太子襲撃、大津事件」から平成9年(1997年)の第12例「被害者の求刑」まで、約100年に亘る我が国の裁判の中で著者が日本の司法制度に大きな影響を与えたと考える裁判を12例取り上げられている。
取り上げられたテーマは司法権の独立、冤罪、尊属殺人、被害者の権利の確立まで多岐に亘っているがどれも重いテーマばかりである。但し夏樹氏は一つ一つの事例を臨場感をもってわかりやすく語っているため、読みやすく、ぐいぐい引き込まれた。
本書を読んで日本の司法制度は紆余曲折を経ながらも、その時代の裁判官を始めとする関係者の尽力により改善が図られてきたことがよく理解できた。特に第12例については従来は「被害者の保護」が行き過ぎることにより、裁判が個人の感情に引きずられて量刑が厳しくなる方向性に行くことを懸念していたが、被害者のおかれた経済的・心理的な苦しみとそれを救済する制度があまりに手薄であったことが初めて理解できて、考え方が変わった。
親分はイエス様 [DVD]
冒頭の暴力団の抗争シーンを見ると、Vシネマにありがちなありきたりのストーリーを一瞬連想させられるが、主人公のイエス・キリストとの”出会い”のくだりから、涙あり笑いありの人間ドラマへと移っていく。日本人のキャストがコワモテ系で韓国人のキャストが善人達ばかりという点には、大人の事情を感じるが作品的には大正解と考える。特に主人公の勇次の妻の母親が、潜伏していた大阪から帰ってきた勇次と初対面となった時にかけた言葉が秀逸。私はこの言葉を聴いた瞬間涙が一気にフィーバー確変モードに突入した。ちなみにこの母親の台詞のシーンはクライマックスの韓国シーンでもあるが、こちらは別の意味で私はお気に入りである。宗教に興味がない人もこの映画はお勧めしたい。
Wの悲劇 DVD-BOX
私的には毎週楽しみで凄くのめりこんだドラマでした。
それに武井咲の二役も凄く良かったし桐谷健太の口数が少なくても目で訴えてくるような演技もとてもよかったと思うのです。
でもなんで色んなところで低評価されるのかなぁ〜
私には分からない。