車いす・おとしよりのためのバリアフリー京都観光
とても参考になりましたが、まだ、物足りない点が多いです。
健常者が読むには、あれでOKだと思いますが、僕たち障害者が読み、実際に使うのは、厳しいものがあるように思いました。
本に書いてある事は、脊髄破損の方やお年寄りの方に良い本ですね。
まだ、甘い点があると思います。
改善をお願いします。
つくられた桂離宮神話 (講談社学術文庫)
京都にある桂離宮。その建築の美しさは戦前来日したブルーノ・タウトによって見いだされ、単純簡素を重んじる日本文化を代表する建築として、以後、多くの文化人に支持され、日本建築の頂点に君臨している。
本書では、以上のような桂離宮観を一つの神話と見、戦前の桂離宮をめぐる言説を丁寧に追うことで、その神話がどのように形成されていったのかを鮮やかに描き出している。本書によれば、当時の日本のモダニストによってタウトの発言が誘導され、過度に強調され、日本文化論の文脈に置き換えることで神話が形成されていったのだという。
著者は近年では「パンツが見える」「愛の空間」など、キワモノのテーマを学術的に論じていくことで有名だが、それ以前に本書で見せていた、神話形成の背景にある政治力学を見事に暴いてみせる力量は素晴らしい。なるほど、この実力があるからこそ猥雑なテーマを扱うこともできるのか、と妙に納得させられた。ともあれ、ミステリのような楽しみを存分に味わえる一冊だ。
なお、文庫版のあとがきも非常に面白い。普通のあとがきからは明らかに逸脱しているのだが、学問とは何かということについて、考えさせられてしまう。
Katsura: Imperial Villa
日本建築とデ・ステイルの共通点は以前より指摘されているが、それを写真を通すことでより明確にする。時に舞台装置と言われる桂離宮だけれど、フレーミングという操作を通すことで、あたかもモンドリアンの絵画のように。とにかく写真がとてもグラフィック的で美しい。
図面の緻密さは新建築社から出ているものの方が良いかもしれない。しかし幾つか出ている桂離宮を納めた写真集の中でも、磯崎の撮る写真が段違いで美しいと感じさせられました。