愛なき世界で
オーティスと言う名ではオーティス・レディング、オーティス・ラッシュですがオーティス・クレイも実力では今も評価が高いアーティストです。
シカゴ出身のオーティス・クレイもサム・クックの弟子の一人です。
オーティス・クレイの名盤といえば1978年の、「ライブ・イン・ジャパン」が有名です。
彼はブルージェイズから始まった長い歌手活動でこの日本でのライブ盤の評価が、アメリカでも見直される切っ掛けとなりました。(LPは2枚組でCDは編集盤でしたが、現在廃盤です。完全CD化での再発売を望みます)
70年代後半は日本ではサザン・ソウルの盛り上がりがあって、O・V・ライトやジェームス・カー、ウィルソン・ピケット、サム・アンド・ディブ等の来日が相次ぎました。
当時自分はこのライヴを見逃していて、今は無き下北沢ソウルバーの「エクセロ」で「ライブ・イン・ジャパン」を聴き行かなかった事を大後悔しました。(「エクセロ」は名前を変えておでん屋さんになっていて、相変わらずソウル中心の音楽をかけているそうです)
自分は都会的なモータウン・サウンドは苦手で、泥臭くシャウトする歌い手が大好きです。
オーティス・クレイの汗くさく泥臭い歌い方が、自分の琴線に触れる歌手でした。その彼がハイのレーベルに残した一枚です。
その手の好きなソウルファンには曲目も含め大推薦です。
LIVE AGAIN
Otisさん4度目の来日となる '83年10月22日 東京郵便貯金ホールでのLiveで2枚目のLive In Japan盤。日本主導にて制作され 後に "Soul Man / Live In Japan"
として米盤が発売されましたが、そちらには#2-2/3が未収録でした!
Hiリズムのハワード・グライムス+ホッジス三兄弟が今回は同行。1枚目のLiveよりバックはまとまっています。衝撃度の1枚目、完成度の本盤といった所でしょうか?
#1よりDeep Soulが熱かった頃 まんまの演奏が飛び出し熱くなる。特筆すべきは#1-2/#2-2とアル・グリーンさんの曲を2曲も取り上げている点。
#1-3 哀愁漂う物悲しいメロディーを情感たっぷりに歌い上げ、しっとりと静かな感動を呼ぶ。
#1-4 友人でも有ったO.V Wrightさんの曲。現在のステージでも取り上げています。#1-6 珍しい選曲だが、肩の力を抜いたOtisさんも かなり良いです。
#2-1はこの後 色々な編集盤に収録される事になるが、(って2枚だけどねっ!)ここでの演奏が初出。ソウル・スターラーズのGospelナンバーで
ホーン隊3人とカルテットで歌われる。素晴らしい!ああ 黒人に生まれたかった。
#2-2 Al Greenさんのバージョンでは醒めた熱気を感じたが、此処では熱く暑く 中盤にSoul Manのフレーズを挟みながら盛り上がる。
#2-3 あのサザン・オールスターズの名曲を!と発売当時はかなり興奮した事を想い出す。歌詞の方は、原曲の雰囲気を残しながら、今日来てくれたみんなに有難うと、
のメッセージとなっている。我々日本のファンに 予期せぬ素晴らしいプレゼントとなった。後に Ray Charlesさんもカバーするが、その時も日本のCMの為、
日本主導にて制作された。その時のスタッフにはこのバージョンが頭に有った筈!
#2-4 後半に向けてバンドがかなりスピードUPして行くのも微笑ましい(笑) Raise Your Handのフレーズを挟みながら、会場を巻き込み、興奮のエンディングと成る。
これを逃すと、再発は中々期待出来そうに有りませ〜ん。気になる方は無くなる前にGetすべし!