鴨川ホルモー [DVD]
原作の方はもうレビューが一杯なので、映画のほうに投稿します。
『鴨川ホルモー』は、原作と映画との間に極めて良好なコミュニケーションのとれた大傑作といえます。映画は、『ホルモー六景』まで踏まえて創っているように思いました。
また、このDVDの利用の仕方として、ボクは毎年7月16日の宵山の日のPM8:00頃に、部屋を暗くして、‘四条烏丸交差点の会’のところを観ることによって、祇園祭りの雰囲気を自宅に居ながらにして楽しんでいます。
ところで、『鴨川ホルモー』では、‘レナウン娘’が目玉のひとつになっていますが、この‘レナウン娘’、周防監督の『シコふんじゃった』の中でも使われていることを発見しました。そして、その時、「この‘レナウン娘’にこそ、関東と関西の大学のちがいが表現されている!」ということに気付かされました。
どちらの‘レナウン娘’に共感を持つか?は、ひとそれぞれだと思いますが、ボクはもちろん関西派です!
『鴨川ホルモー』は、原作と映画との間に極めて良好なコミュニケーションのとれた大傑作といえます。映画は、『ホルモー六景』まで踏まえて創っているように思いました。
また、このDVDの利用の仕方として、ボクは毎年7月16日の宵山の日のPM8:00頃に、部屋を暗くして、‘四条烏丸交差点の会’のところを観ることによって、祇園祭りの雰囲気を自宅に居ながらにして楽しんでいます。
ところで、『鴨川ホルモー』では、‘レナウン娘’が目玉のひとつになっていますが、この‘レナウン娘’、周防監督の『シコふんじゃった』の中でも使われていることを発見しました。そして、その時、「この‘レナウン娘’にこそ、関東と関西の大学のちがいが表現されている!」ということに気付かされました。
どちらの‘レナウン娘’に共感を持つか?は、ひとそれぞれだと思いますが、ボクはもちろん関西派です!
鹿男あをによし DVD-BOX ディレクターズカット完全版
これほどファンタジー性の高い連続ドラマも稀有であろう。
久々に続きが楽しみで仕方なかったドラマであった。
他の方のレビューにもあるが、奈良という「地域密着」な設定、邪馬台国、ひいてはアニミズムまで組み込んだ奇想天外なストーリー。
最近の連ドラの中でも、相当な異彩を放つ。
ちょっとあらすじを聞く限りでは、バカバカしくも思える。
しかし一度見れば、先入観は吹っ飛ぶ。
むしろ、ありきたりな設定のドラマの方がバカバカしく感じられる。
完成度の高い脚本、演出の巧さ、俳優陣の熱演、すべてがうまくかみ合っており、実に上質なドラマである。
そして特筆すべきは連続ドラマの域を超えた映像美である。
奈良の美しさがすごくよく伝わってくる。
わずかに朝靄のかかった若草山で繰り広げられる、鹿と主人公との対話。
要所要所で登場する歴史的建造物。
そして主人公たちの下宿も古き良き空気感を漂わせる木造建築。暖かい電球の光の下で、おでんを囲み、日本酒を飲む登場人物。木戸の向こうから漏れてくる朝日。
カメラワークも絶妙だ。
この映像美がドラマを盛りたてているといっても過言ではあるまい。
08年1〜3月放送、平均視聴率9.9%。
同じ時間枠では「医龍2」「ラスト・フレンズ」の間に放送されたが、視聴率は圧倒的に低かった。
まぁ、わからないでもないが。
しかし、本作は本当に面白い。
こんなに「はっちゃけて」いて、かつ上質な作品だなんて滅多にない。
ここ数年の連ドラの中でも「タイガー&ドラゴン」「結婚できない男」「ハゲタカ」などと並ぶ屈指の傑作であると思う。
こんな作品がまた見たいですね
久々に続きが楽しみで仕方なかったドラマであった。
他の方のレビューにもあるが、奈良という「地域密着」な設定、邪馬台国、ひいてはアニミズムまで組み込んだ奇想天外なストーリー。
最近の連ドラの中でも、相当な異彩を放つ。
ちょっとあらすじを聞く限りでは、バカバカしくも思える。
しかし一度見れば、先入観は吹っ飛ぶ。
むしろ、ありきたりな設定のドラマの方がバカバカしく感じられる。
完成度の高い脚本、演出の巧さ、俳優陣の熱演、すべてがうまくかみ合っており、実に上質なドラマである。
そして特筆すべきは連続ドラマの域を超えた映像美である。
奈良の美しさがすごくよく伝わってくる。
わずかに朝靄のかかった若草山で繰り広げられる、鹿と主人公との対話。
要所要所で登場する歴史的建造物。
そして主人公たちの下宿も古き良き空気感を漂わせる木造建築。暖かい電球の光の下で、おでんを囲み、日本酒を飲む登場人物。木戸の向こうから漏れてくる朝日。
カメラワークも絶妙だ。
この映像美がドラマを盛りたてているといっても過言ではあるまい。
08年1〜3月放送、平均視聴率9.9%。
同じ時間枠では「医龍2」「ラスト・フレンズ」の間に放送されたが、視聴率は圧倒的に低かった。
まぁ、わからないでもないが。
しかし、本作は本当に面白い。
こんなに「はっちゃけて」いて、かつ上質な作品だなんて滅多にない。
ここ数年の連ドラの中でも「タイガー&ドラゴン」「結婚できない男」「ハゲタカ」などと並ぶ屈指の傑作であると思う。
こんな作品がまた見たいですね
鹿男あをによし (幻冬舎文庫)
『鹿男あをによし』。前作『鴨川ホルモー』と同様、「なんじゃそりゃ?」と、思わず書店で手を伸ばさずにはいられない、奇妙なタイトルと、可愛らしい表紙絵の組み合わせが素晴らしい。
自意識過剰な主人公が、古都を舞台に、神様(に近い存在)の気まぐれに翻弄されながら奮闘する。そして、第一印象はパッとしないけど、一皮剥けば輝くツンデレなヒロインが、思わぬ形で主人公の行動に絡んできて大活躍―――。
前作の基本的な構造を踏襲しつつも、脇役たちの作りこみ、物語のテンポなど、いたるところに進歩が見受けられる良質な青春ファンタジー小説です。巧みな風景描写で実在する土地の魅力や雰囲気を引き出しつつ、マニアックになり過ぎない程度に歴史ネタや神話ネタを物語に落とし込むのが、この作者は本当に巧い。
ただ、これは『鴨川ホルモー』の時もそうだったのですが、少し穿った読み方をしてしまうと、周囲とのコミュニケーションの軋轢に苦しみ、そのくせ原因を自分に追求することが出来ず、ひとり悶々と燻っているような男のための(レビューを書いている私自身、少なからずそういう部分がある人間です)、ドリーム小説に思えてしまう一面も。
すかした口調で物語を進め、自己中心的なきらいさえある主人公が、新天地ではいわゆる「選ばれし者」となり、(その性格のわりに)理解者や協力者に恵まれ、自分からは特にアプローチせずとも、素敵な女の子の方から好意を寄せてくれる展開が、少し出来すぎているというか、うらやましいというか………。
自意識過剰な主人公が、古都を舞台に、神様(に近い存在)の気まぐれに翻弄されながら奮闘する。そして、第一印象はパッとしないけど、一皮剥けば輝くツンデレなヒロインが、思わぬ形で主人公の行動に絡んできて大活躍―――。
前作の基本的な構造を踏襲しつつも、脇役たちの作りこみ、物語のテンポなど、いたるところに進歩が見受けられる良質な青春ファンタジー小説です。巧みな風景描写で実在する土地の魅力や雰囲気を引き出しつつ、マニアックになり過ぎない程度に歴史ネタや神話ネタを物語に落とし込むのが、この作者は本当に巧い。
ただ、これは『鴨川ホルモー』の時もそうだったのですが、少し穿った読み方をしてしまうと、周囲とのコミュニケーションの軋轢に苦しみ、そのくせ原因を自分に追求することが出来ず、ひとり悶々と燻っているような男のための(レビューを書いている私自身、少なからずそういう部分がある人間です)、ドリーム小説に思えてしまう一面も。
すかした口調で物語を進め、自己中心的なきらいさえある主人公が、新天地ではいわゆる「選ばれし者」となり、(その性格のわりに)理解者や協力者に恵まれ、自分からは特にアプローチせずとも、素敵な女の子の方から好意を寄せてくれる展開が、少し出来すぎているというか、うらやましいというか………。
鹿男あをによし オリジナルサウンドトラック
この作品は面白さと同時に話題になっているのが音楽。
近年のドラマには珍しい主題歌なしの構成。全編オーケストラ・サウンド。
しかもとんでもなくかっこいいエンディングテーマが特に話題を掻っ攫っています。
作曲は「佐橋 俊彦」。一度聞いただけで心に残るメロディを書くのが得意な作曲家です。
全18曲入で近々間違いなく吹奏楽に編曲されそうであるカッコいい極まりないエンディングテーマもしっかり入ってます。
エンディングテーマはティンパニとトロンボーンの伴奏にホルンと弦セクション、途中から入るトランペットの旋律と共に疾走するむちゃくちゃカッコいい作品です。パーカッションは生音ではスネアドラムのみで他はプログラミングされた伴奏です。
打ち込み伴奏とオーケストラの共演は映画音楽作曲家のハンス・ジマーの影響もあって、ここ近年はよくこの手法で書かれる方が目立っているように感じられます。
当アルバムの演奏者もなかなか豪華でしたので、演奏者と所属楽団等を明記しましたので見てみてください。ご存知の方がいらっしゃるかもしれませんよ。
<鹿男あをによし・ミュージシャン>
Fl:高桑 英世 - トウキョウ・モーツァルト・プレイヤーズ
Fl:野口 みお - 新日本フィルハーモニー交響楽団
Obe:庄司 さとし - 元 東京フィルハーモニー交響楽団
Cla:山根 公男 - クライネス・コンツェルトハウス
Tp:高橋 敦 - 東京都交響楽団 主席
Tp:岡崎 耕二 - 東京都交響楽団 主席
Tp:中山 隆崇 - 東京都交響楽団
Trb:小田桐 寛之 - 東京都交響楽団 主席
Trb:野々下 興一 - 侍BRASS
Hr:藤田 乙比古 - ルヴァンヴェール木管五重奏団
Hr:萩原 顕彰 - トウキョウ・モーツァルト・プレイヤーズ
Harp:朝川 朋之 - フリーランス
Perc:高田 みどり - 元 ベルリン・リアス交響楽団
Perc:萓谷 亮一 - フリーランス
Strings:篠崎 正嗣グループ
Conductor:'配島 公二 - フリーランス
ドラマを見ていなくとも大変楽しめる作品です。
近年のドラマには珍しい主題歌なしの構成。全編オーケストラ・サウンド。
しかもとんでもなくかっこいいエンディングテーマが特に話題を掻っ攫っています。
作曲は「佐橋 俊彦」。一度聞いただけで心に残るメロディを書くのが得意な作曲家です。
全18曲入で近々間違いなく吹奏楽に編曲されそうであるカッコいい極まりないエンディングテーマもしっかり入ってます。
エンディングテーマはティンパニとトロンボーンの伴奏にホルンと弦セクション、途中から入るトランペットの旋律と共に疾走するむちゃくちゃカッコいい作品です。パーカッションは生音ではスネアドラムのみで他はプログラミングされた伴奏です。
打ち込み伴奏とオーケストラの共演は映画音楽作曲家のハンス・ジマーの影響もあって、ここ近年はよくこの手法で書かれる方が目立っているように感じられます。
当アルバムの演奏者もなかなか豪華でしたので、演奏者と所属楽団等を明記しましたので見てみてください。ご存知の方がいらっしゃるかもしれませんよ。
<鹿男あをによし・ミュージシャン>
Fl:高桑 英世 - トウキョウ・モーツァルト・プレイヤーズ
Fl:野口 みお - 新日本フィルハーモニー交響楽団
Obe:庄司 さとし - 元 東京フィルハーモニー交響楽団
Cla:山根 公男 - クライネス・コンツェルトハウス
Tp:高橋 敦 - 東京都交響楽団 主席
Tp:岡崎 耕二 - 東京都交響楽団 主席
Tp:中山 隆崇 - 東京都交響楽団
Trb:小田桐 寛之 - 東京都交響楽団 主席
Trb:野々下 興一 - 侍BRASS
Hr:藤田 乙比古 - ルヴァンヴェール木管五重奏団
Hr:萩原 顕彰 - トウキョウ・モーツァルト・プレイヤーズ
Harp:朝川 朋之 - フリーランス
Perc:高田 みどり - 元 ベルリン・リアス交響楽団
Perc:萓谷 亮一 - フリーランス
Strings:篠崎 正嗣グループ
Conductor:'配島 公二 - フリーランス
ドラマを見ていなくとも大変楽しめる作品です。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫)
07年04月の単行本の文庫化.08年にはフジテレビ系列で連続ドラマにもなった作品です.
葉月から霜月までの四ヶ月,四章構成の物語は神無月にあたる三章が全体の約8割を占め,
二章の終わりに,プロローグ的だったそれまでからいよいよ動き始める事が示唆されると,
その先への期待が広がるとともに,おかしくも不思議な世界にスッと引き込まれていきます.
ややボリュームがあり,三章がかなり長いせいで少しばかり中だるみする感はありますが,
ある『勝負』が描かれる場面は,緊張感と併せて美しさががあって再度引きつけられますし,
暮らす町並みや景色など,何気ない風景が自然と浮かんでくる描写も読みやすくて好印象です.
話だけを拾えば確かに荒唐無稽なのですが,歴史ある奈良が舞台になっている事が大きく,
卑弥呼など有名な伝説や遺跡が絡む事で,そこへと繋がる人や時間,物へのロマンが膨らみ,
あり得ない話とわかっていても,「もしかしたら…?」などと考えてしまう楽しさがあります.
また,ほのかなロマンスと切なさの漂うラストも,キレイで心地の良い幕引きだったと思います.
なお,巻末にある解説はドラマにも出演されていた俳優の児玉清さんが書かれています.
葉月から霜月までの四ヶ月,四章構成の物語は神無月にあたる三章が全体の約8割を占め,
二章の終わりに,プロローグ的だったそれまでからいよいよ動き始める事が示唆されると,
その先への期待が広がるとともに,おかしくも不思議な世界にスッと引き込まれていきます.
ややボリュームがあり,三章がかなり長いせいで少しばかり中だるみする感はありますが,
ある『勝負』が描かれる場面は,緊張感と併せて美しさががあって再度引きつけられますし,
暮らす町並みや景色など,何気ない風景が自然と浮かんでくる描写も読みやすくて好印象です.
話だけを拾えば確かに荒唐無稽なのですが,歴史ある奈良が舞台になっている事が大きく,
卑弥呼など有名な伝説や遺跡が絡む事で,そこへと繋がる人や時間,物へのロマンが膨らみ,
あり得ない話とわかっていても,「もしかしたら…?」などと考えてしまう楽しさがあります.
また,ほのかなロマンスと切なさの漂うラストも,キレイで心地の良い幕引きだったと思います.
なお,巻末にある解説はドラマにも出演されていた俳優の児玉清さんが書かれています.