仏教に関する本なので当然ですが、(中観派の仏教者である)宮崎哲弥氏がほとんど
しゃべっていた印象でした(笑)
宮崎氏は、原始仏教時代の経典から、大乗勃興期の理論、現代仏教学の事情、果ては仏教漫画といった
ところにまで通じており、それらの知識を駆使して氏の仏教観が披歴され、まさに圧巻。
読者を飽きさせません。
もちろん、対談相手の呉智英氏も、仏教には大変造詣が深く、
氏特有の粗っぽいながらも切れ味鋭く切り込むところは、仏教本としては新鮮味がありました。
タイトル通りとても知的な対談となってます^^
(ただ、漫画に興味のない私にとっては、仏教漫画で盛り上がる部分は
楽しめませんでしたが)
仏教の理論は勉強したいけど、やれ仏具がどうの宗派がどうのといった
雑学的な入門書は興味ない、でも専門書は難しすぎるし高すぎるし敬遠気味、
という人にお勧めの本です。
「あー、仏教のこういう部分が知りたかったんだよなー」という箇所に満ち溢れてました。
例えるなら【かゆいところに手が届くような】感覚の本。
やや敷居が高いと思われている仏教理論ではありますが、きっとこういう本が増えると
もっとそれへの間口が広がると思います。