ミッドウェイ 特別版 [DVD]
海戦は軍事力ではなく情報力によって決着したことを明確に示した映画で、ニミッツ提督達のの暗号解毒能力が山本五十六や南雲達のそれより優れていたことを証明している。 蟻が像に挑む戦いであったが日本の果敢な善戦ぶりにアメリカも十分な敬意を払っていてくれています。 日系人に対する人種差別も一部挿入され、それが正しくないことも暗示されており、日本人の国際的認知の評価を高めてくれた映画です。
ミッドウェー海戦〈第2部〉運命の日 (新潮選書)
まず本書の優れている点は・・・・・。ミッドウエー海戦を扱ったこれまでの「戦記物」と比べて、米軍側の動きを格段に詳しく描いていて、海戦の全体像がより具体的・立体的につかめることがある。巻末の海戦経過を時系列で整理した表と、日米双方の行動図も、大きく理解を助けている。ただ行動図はややわかり難い点があり、また肝心のミッドウエー島との位置関係が示されていないのが残念。
次に期待はずれの点は・・・・。本書のカバーには”日米決戦における敗因から、日本型組織の構造的欠陥を抉り出す!”とあるが、これについては「本日敵出撃ノ算ナシ」の敵情報告や、定説になっている「運命の5分」についてもごくあっさりと記述されていてだけで、構造的欠陥に関する内容を期待する向きには不満が残るだろう。
・・・ということで、少々点が辛すぎるかと思うが、星三つ。
次に期待はずれの点は・・・・。本書のカバーには”日米決戦における敗因から、日本型組織の構造的欠陥を抉り出す!”とあるが、これについては「本日敵出撃ノ算ナシ」の敵情報告や、定説になっている「運命の5分」についてもごくあっさりと記述されていてだけで、構造的欠陥に関する内容を期待する向きには不満が残るだろう。
・・・ということで、少々点が辛すぎるかと思うが、星三つ。
ミッドウェー戦記(上) (講談社文庫)
歴史的事実を踏まえ、そこに著者独特の想像や思い入れを込めて仕上げた読み物を戦記物とすれば、この作品はそれらのものとは一線を画する。著者は、歴史的敗北と呼ばれるミッドウェー海戦の生き残りを訪ねて今から約40年ほど前の何年間、全国を巡り、将官から士官、下士官、兵に至るまでインタビューをとり、またそれが不可能な人については手紙をやりとりし、この労作を仕上げた。インタビューをとれた人ももう今ではほとんどが故人となり、同じ手法をとるのは不可能。著者は、これら断片(同じことが人によってはまるで反対を語ることもある)をつなぎ合わせることで巷間よく言われる偏った見方からの解釈を脱却し、真の全体像を明らかにすることに成功していると思う。
インタビューの場面を叙述することばは話し言葉がそのまま使われ、まるでその場面に私たちが居合わせているような心地がする。そしてそれはたくさんの戦死者を出した海戦の生き残り、つまり死と隣り合わせの所まで行った人のことばであるので重苦しいものであるはずが,そればかりではなくかえって軽妙さを感じたりする。それはきっと戦時中は重い任務を背負い、命を犠牲にしてまでも戦わねばならなかった数多くの兵士達もごく普通の人達であったという当たり前の事実によるのだろう。もちろん重い内容だが,ところどころに挿入される後日談は戦記という範疇を脱け出して秀逸。短編小説の香りさえ漂わせる。たとえば、飛龍被弾の後、総員退去となったが,取り残された何人かのその後。そしてその話の完結にはさらに数十年を要するという作り話でさえ及びもつかないストーリーとなっている。また、後遺症で一生腕は動かないと宣告された負傷兵の帰郷時に出くわす場面。この辺の叙述の巧みさからすれば,著者がこのようなインタビューを紡ぎ上げる手法をとったのは結構つらい選択であったのではないかとさえ思えてくる。
インタビューの場面を叙述することばは話し言葉がそのまま使われ、まるでその場面に私たちが居合わせているような心地がする。そしてそれはたくさんの戦死者を出した海戦の生き残り、つまり死と隣り合わせの所まで行った人のことばであるので重苦しいものであるはずが,そればかりではなくかえって軽妙さを感じたりする。それはきっと戦時中は重い任務を背負い、命を犠牲にしてまでも戦わねばならなかった数多くの兵士達もごく普通の人達であったという当たり前の事実によるのだろう。もちろん重い内容だが,ところどころに挿入される後日談は戦記という範疇を脱け出して秀逸。短編小説の香りさえ漂わせる。たとえば、飛龍被弾の後、総員退去となったが,取り残された何人かのその後。そしてその話の完結にはさらに数十年を要するという作り話でさえ及びもつかないストーリーとなっている。また、後遺症で一生腕は動かないと宣告された負傷兵の帰郷時に出くわす場面。この辺の叙述の巧みさからすれば,著者がこのようなインタビューを紡ぎ上げる手法をとったのは結構つらい選択であったのではないかとさえ思えてくる。