「高田の馬場」より 中山安兵衛 [DVD] STD-114
堀内道場の四天王として、その名を世にとどろかせている中山安兵衛
(嵐寛寿郎)は、天涯孤独の身ながら、菅野六郎左衛門(東野英治郎)と
伯父、甥の契りを結んでいた。ある夜、菅野の元に、かねてより遺恨が
あった村上兄弟から果たし状が届く。決闘の時は明朝、場所は高田馬
場。多勢の村上一味に対し、菅野の助太刀は2人のみ。菅野は、自分
の死を覚悟し、中山宛に手紙を認め、下男に届けさせるが、生憎、中山
は不在。そうしている間にも、決闘の時間は刻々と近づいて来る…。
中山義秀の原作の映画化作品。小説、講談、映画などで有名な「高田
馬場の決闘」に材を取った作品だが、旧弊なチャンバラ活劇でもなく、ヒ
ロイズム称揚でもない、新しいアプローチのリアリズム時代劇だ。GHQ
の「チャンバラ映画禁止令」が撤廃された後の、それまでとは違う道を模
索し始めた新時代劇と言っていいだろう。いつも痛快なチャンバラ・ヒー
ローを演じていたアラカンにとっても、悩む侍というのは、珍しい役柄だ。
手垢のついた題材ながら、チャンバラそのものを根本的に否定しかねな
い、人を斬ることの重み、斬り合いの虚しさ、斬られた側の家族の無念さ
などを全面に押し出しているあたりが異色。そういった意味では、西部劇
における『拳銃王 [DVD]』、『許されざる者 [Blu-ray]』と同じような位置を
占める作品だ。佐伯監督は、じっくりと細やかな演出で、登場人物たちの
心の機微を捉えている。決闘後に悶々と悩む中山の描写もいいが、前半
の菅野とのやりとり、お春とのやりとりの絶妙の間から生まれる、人間的
つながりの温か味が、何と言っても素晴らしい。もちろん、それらは、演出
だけでなく、アラカンと東野、北見の血の通った演技あってのことであるの
は言うまでもない。
本DVDは、国際放映(=新東宝)のマスターを使用した正規盤。かつて発売
されていたVHSと同一のマスターらしく、キズも多く、白黒諧調にも乏しい
レストアされていない画質だが、特に鑑賞に支障はない。音声もノイズがあ
るものの、全体としては明瞭だ。何より、高い日本映画クラシックが、この
価格で手に入ることが嬉しい。
(嵐寛寿郎)は、天涯孤独の身ながら、菅野六郎左衛門(東野英治郎)と
伯父、甥の契りを結んでいた。ある夜、菅野の元に、かねてより遺恨が
あった村上兄弟から果たし状が届く。決闘の時は明朝、場所は高田馬
場。多勢の村上一味に対し、菅野の助太刀は2人のみ。菅野は、自分
の死を覚悟し、中山宛に手紙を認め、下男に届けさせるが、生憎、中山
は不在。そうしている間にも、決闘の時間は刻々と近づいて来る…。
中山義秀の原作の映画化作品。小説、講談、映画などで有名な「高田
馬場の決闘」に材を取った作品だが、旧弊なチャンバラ活劇でもなく、ヒ
ロイズム称揚でもない、新しいアプローチのリアリズム時代劇だ。GHQ
の「チャンバラ映画禁止令」が撤廃された後の、それまでとは違う道を模
索し始めた新時代劇と言っていいだろう。いつも痛快なチャンバラ・ヒー
ローを演じていたアラカンにとっても、悩む侍というのは、珍しい役柄だ。
手垢のついた題材ながら、チャンバラそのものを根本的に否定しかねな
い、人を斬ることの重み、斬り合いの虚しさ、斬られた側の家族の無念さ
などを全面に押し出しているあたりが異色。そういった意味では、西部劇
における『拳銃王 [DVD]』、『許されざる者 [Blu-ray]』と同じような位置を
占める作品だ。佐伯監督は、じっくりと細やかな演出で、登場人物たちの
心の機微を捉えている。決闘後に悶々と悩む中山の描写もいいが、前半
の菅野とのやりとり、お春とのやりとりの絶妙の間から生まれる、人間的
つながりの温か味が、何と言っても素晴らしい。もちろん、それらは、演出
だけでなく、アラカンと東野、北見の血の通った演技あってのことであるの
は言うまでもない。
本DVDは、国際放映(=新東宝)のマスターを使用した正規盤。かつて発売
されていたVHSと同一のマスターらしく、キズも多く、白黒諧調にも乏しい
レストアされていない画質だが、特に鑑賞に支障はない。音声もノイズがあ
るものの、全体としては明瞭だ。何より、高い日本映画クラシックが、この
価格で手に入ることが嬉しい。
堀部安兵衛
今はどんな演歌を聞いても、メロディーが似ている。
しかしこの歌は時代を感じ、こうゆう歌い手さんは、演歌界には、もう居ないでしょう。
歌は3分間のドラマと申しますが、正に、お芝居を見ているようです。
しかしこの歌は時代を感じ、こうゆう歌い手さんは、演歌界には、もう居ないでしょう。
歌は3分間のドラマと申しますが、正に、お芝居を見ているようです。