吉祥寺で探偵の傍らコンビニでバイトする川庄を主人公にした書き下ろしシリーズの第三弾。今回は探偵よりもコンビニのアルバイト店員として川庄が活躍する。

川庄がバイトするコンビニに突然、フルフェイスのヘルメットを被った6人が押し入り、客と店員を人質にして籠城する。6人が警察に出した奇妙な要求…6人の正体は…6人の目的は…そして、事件の結末は…

『TVJ』、『交渉人・籠城』、『誰でもよかった』に続き、本作も籠城物であることに驚いた。一体、五十嵐貴久はどれだけ籠城フリークなんだろうか。『誰でもよかった』はイマイチの結末だったが、本作は少し苦しいながらも、納得のいく結末だった。

「年下の男の子」「ウエディングベル」に続く全3部作の完結編です。

とにかく読んでいて楽しい、テンポが良くてまるで文字が躍っているかの様に読み進められます。
そして何より晶子より14歳も年下の児島くんのキャラクターがとても良いです。
登場人物の描写も丁寧で絶えず脳内映像で動いていました。

元気になりたい方、面白い小説を読みたい方にはお奨め出来る1冊です

　読んでいる最中、裁判で無罪（冤罪）を確定した男が自分が真犯人だということを告白したということがニュースで流れていた。

　それを聞いたときは、「へー、そんなこともあるんだな」という程度の感想だったんだけど、本作を読み終えて、「やっぱり悪いことはできないもんだ」と思った。

　自分は犯罪者になったことがないのであくまで想像だけど、警察や周りの人に犯行隠し通して、普通に生活を続けていくことはできないと思う。

　見つからないことはもしかしたらあるかもしれないけど、精神はボロボロになってとても幸せになることなんてできないと、もう想像もしたくないほどだ。

　「悪いことはしてはいけない」当たり前のことだけど、当たり前すぎてつい忘れてしまっているかもしれないことだ。
　
　そのことを再確認する意味でも多くの人に読んでほしい。

五十嵐貴久の原作は、タイトルで「ゲッ」となりますが面白かった。
拾い物のような感じですが楽しめます。

さて、映画ですが、こういった場合ダメなことがありますよね。
登場人物は、若干再構成していますが、まあこんな感じかもしれません。
筋もこんなでしょう。
それなのに何でインパクトが足りないのか。

それは主人公の夫と子供の描き方かもしれません。
子供を男から女に変えています。
大したことじゃないようですが、違うのです。
小説では終盤に夫と息子が印象的な会話を交わします。
短い会話ですが、ある意味どんでん返しです。
それがラストのコンサートにつながっていきます。
彼らの心理の微妙なニュアンスとその可笑しさが上手く表現できていたと思います。

映画ではそのシーンがありません。
単に良い人になった夫と娘がコンサートを聞いて感動しています。
ひょっとしたら女性の監督ということもあるのかな。

遠藤くん目当てで買ったＤＶＤだったんです。

最初の頃は、遠藤くん演じるカジシンがすごい痛くて

ファンなんですけど。イタイイタイ！と思いながら見ていました。

が。

中盤にさしかかり、カジシンはぐっと成長を遂げるのです。

失恋、そして挫折、それでもあきらめずに挑戦することを決めて。

仲間達と一生懸命になって、夢を実現させようとする姿に

気がつけば涙があふれて止まりませんでした。

私的にはとても楽しくて、おもしろくて、そして伝えたいメッセージもすごくよく分かったので、☆を５つにさせていただきました。

オススメです！