Dinah Jams
タイトルから中身を想像すると肩透かしを食らいます。(「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」とタイトルはそっくりですが、メンバーも選定も、そして雰囲気も違います。)こちらはスタジオに観客を入れて行なったスタジオ・ジャム・セッションの録音。一枚はアルバム「ジャム・セッション」(ダイナは一曲だけ参加)、もう一枚がこのアルバムとなりました。ただし、こちらも好演なのは間違いなく、ダイナ・ワシントンの魅力が全面に出たアルバムとなっています。
アップテンポでも、スローテンポでも、ダイナの切れとパンチのある歌声が気持ちいいです。まあ、これだけのメンバー(レギュラーに加えて、ローチ&ブラウン・クインテット)ですから、歌う方としても気分が盛り上がったことでしょう。
まず、アップテンポで歌われるLover Come back to me に圧倒されます。サラりと歌詞を歌い始めつつ、最後には熱唱という展開。その後、メドレーでスローものを挟み、ミディアム・テンポで歌うI've got you under my skin がやってきます。これが本当にいいんです。スタンダードだけど、完全にダイナのものになっていて、聴く側を飽きさせない好唱。「感情移入してどっぷり」とは違った、姐(あね)さんが一肌脱いだきっぷの良い歌といった感じですね。そして、再びスローバラードを挟み、最後はYou go to my head でまとめあげます。リズム乗り、気持ちの入れ方、上手いのは言うまでもないのだけれど、それ以上の何かが確かに存在することを感じさせます。
いわゆる黒人女性のボーカルとは違った、ダイナ・ワシントンならではの世界の広がるアルバムです。是非ともお薦めします。
アップテンポでも、スローテンポでも、ダイナの切れとパンチのある歌声が気持ちいいです。まあ、これだけのメンバー(レギュラーに加えて、ローチ&ブラウン・クインテット)ですから、歌う方としても気分が盛り上がったことでしょう。
まず、アップテンポで歌われるLover Come back to me に圧倒されます。サラりと歌詞を歌い始めつつ、最後には熱唱という展開。その後、メドレーでスローものを挟み、ミディアム・テンポで歌うI've got you under my skin がやってきます。これが本当にいいんです。スタンダードだけど、完全にダイナのものになっていて、聴く側を飽きさせない好唱。「感情移入してどっぷり」とは違った、姐(あね)さんが一肌脱いだきっぷの良い歌といった感じですね。そして、再びスローバラードを挟み、最後はYou go to my head でまとめあげます。リズム乗り、気持ちの入れ方、上手いのは言うまでもないのだけれど、それ以上の何かが確かに存在することを感じさせます。
いわゆる黒人女性のボーカルとは違った、ダイナ・ワシントンならではの世界の広がるアルバムです。是非ともお薦めします。
ジャズ・ミュージシャン3つの願い ニカ夫人の撮ったジャズ・ジャイアンツ (P‐Vine BOOKs)
とにかく、まず写真が素晴らしい。きれいでカッコイイという意味ではなく、全く逆。痛んでいて汚れているし、写っているミュージシャン達は不意に撮られたものが多く、自然体で生々しい。だからこそ当時の現場に居合わせたかのような感覚を覚える。
現在はバリー・ハリスが住んでいることでも知られるキャットハウスでの写真が豊富。ある意味ジャズの聖地と言えるのではないか。
3つの答えからは、バラバラというくらい個性がにじみ出ている。奇行癖で知られる人が意外と人格者であったり、インテリであったり、ユーモアにあふれていたり、単なるやんちゃ小僧だったり、ジャズミュージシャンとひとくくりでは語れないほどのバリエイション。神格化されたJazz Giantsたちも、当時は自己の音楽確立、世の中から認められるため、そして収入を得るために、様々な葛藤を抱きながら切りつめた生活を送っていたことが伺われる。それにしても何人かの発言には心底ドキッとさせられた。ロックやファンクが台頭してきた(それまでのジャズの活動の場が脅かされる)60年代だからこその発言もあろう。
それにしても半分以上のジャズミュージシャンの名前を聞いたことがなかった。我々には名が伝わらない素晴らしいジャズメンがたくさんいたということだ。
そして何より、パノニカ男爵夫人の、ジャズミュージシャンに対する深い愛情をひしひしと感じる。
スペースに余裕があるので、ミュージシャン自身の原語(英語)と日本語両方載せてもよかったのではないか。
というわけで、原語でも読みたかったので、英語版「Three Wishes」も購入した。
現在はバリー・ハリスが住んでいることでも知られるキャットハウスでの写真が豊富。ある意味ジャズの聖地と言えるのではないか。
3つの答えからは、バラバラというくらい個性がにじみ出ている。奇行癖で知られる人が意外と人格者であったり、インテリであったり、ユーモアにあふれていたり、単なるやんちゃ小僧だったり、ジャズミュージシャンとひとくくりでは語れないほどのバリエイション。神格化されたJazz Giantsたちも、当時は自己の音楽確立、世の中から認められるため、そして収入を得るために、様々な葛藤を抱きながら切りつめた生活を送っていたことが伺われる。それにしても何人かの発言には心底ドキッとさせられた。ロックやファンクが台頭してきた(それまでのジャズの活動の場が脅かされる)60年代だからこその発言もあろう。
それにしても半分以上のジャズミュージシャンの名前を聞いたことがなかった。我々には名が伝わらない素晴らしいジャズメンがたくさんいたということだ。
そして何より、パノニカ男爵夫人の、ジャズミュージシャンに対する深い愛情をひしひしと感じる。
スペースに余裕があるので、ミュージシャン自身の原語(英語)と日本語両方載せてもよかったのではないか。
というわけで、原語でも読みたかったので、英語版「Three Wishes」も購入した。