瀬戸内海の発見―意味の風景から視覚の風景へ (中公新書)
本書は農学博士の学位論文「瀬戸内海の近代的風景の発見と定着ー風景間の変遷過程に関する研究ー」に基づいて書かれたものである。文学の風景描写を造園学者が分析する視点が新鮮に感じられる。
日本人の眼に映る風景は大きく変化した。見る物自体ではなく、それをどう認識するかが変化したのである。伝統的風景観から近代的風景観への移行である。前者は歌枕の地や故事・伝説に由来する名所旧跡等であった。後者は欧米人の客観的で科学的な視線の影響で、自然景や人文景といった近代的風景として見るようになった。田山花袋は前者〈厳島〉より後者〈瀬戸内海〉を賞賛している。意味の風景より視覚の風景として「瀬戸内海の発見」である。瀬戸内海国立公園の多島海景強調している。
「自然景から人文景まで多様な風景を見いだせる。瀬戸内海は風景の重層性において比類ない。
本書はこのような瀬戸内海について【風景間の変遷による風景の変貌】を論じて、充実した瀬戸内海景論に仕上がっている。
日本人の眼に映る風景は大きく変化した。見る物自体ではなく、それをどう認識するかが変化したのである。伝統的風景観から近代的風景観への移行である。前者は歌枕の地や故事・伝説に由来する名所旧跡等であった。後者は欧米人の客観的で科学的な視線の影響で、自然景や人文景といった近代的風景として見るようになった。田山花袋は前者〈厳島〉より後者〈瀬戸内海〉を賞賛している。意味の風景より視覚の風景として「瀬戸内海の発見」である。瀬戸内海国立公園の多島海景強調している。
「自然景から人文景まで多様な風景を見いだせる。瀬戸内海は風景の重層性において比類ない。
本書はこのような瀬戸内海について【風景間の変遷による風景の変貌】を論じて、充実した瀬戸内海景論に仕上がっている。
瀬戸内海モダニズム周遊
本書は筆者が所有する「絵葉書や案内書、広告など戦前期の雑資料読み取ることで、明治時代からモダニズムが喧伝された昭和戦前までの時期において、瀬戸内海沿海地域での観光事業や都市開発がいかに進展したのか、そしてその結果、瀬戸内海という広域のイメージがいかに創出されたのかをあきらかにする(6p)」という試みが披露されています。
筆者の橋爪紳也氏は建築史・都市文化論研究者で、多くのユニークで貴重な著作を世に問うている方です。日本の近代の歩みを斬新な視点で調査し、検証していく手法はいつも見事だと思ってきました。
視点の新しさと斬新さは筆者の持ち味で、それは本書でもコンセプトの段階から光っていました。語り口の面白さや取り上げ方の巧さは随所で感じましたが、テーマの広がりに限界がありましたので、掘り下げの深さにおいて少し物足りなさを感じたのも事実です。
また様々な所で、「大正の広重」と称された吉田初三郎によって作図された鳥瞰図が披露されています。冒頭の折り込みにも「日本鳥瞰 中国四国大図絵」がありますが、これは本書の魅力をあますところなく伝える絵図でした。裏面の「瀬戸内海航路図」と併せて視覚的に楽しませてもらいました。
70ページ以降には、大正から昭和初期にかけて、大阪商船が瀬戸内海の観光コースを提唱したことが記されています。昭和初期の体験記も掲載してありました。軍国主義一辺倒の感がある時代ですが、このような観光を楽しむ雰囲気があったわけで、モダニズム時代を様々な点から再検証すべき時期が来ているようです。
昭和5年に大阪商船が発行したパンフレット『寒霞渓遊覧案内』を掲載してありますが、なかなか魅力的な観光案内だと思います。
「モダンな観光地」として別府が書かれてあり、350ページ以降の写真や文章をみれば、瀬戸内観光と別府が見事にマッチして発展したことが綴られています。娯楽施設やアトラクションなど発展を遂げた過程を見るにつけ、当時の観光による繁栄ぶりが伝わってきました。
本書の魅力はこのように分かり易く豊富な当時の印刷物を効果的に散りばめながら、読者を飽きさせずに知られていない事象を提示してくれる所にあります。視点の素晴らしさが本書の魅力を作りだしているのは間違いないようです。
筆者の橋爪紳也氏は建築史・都市文化論研究者で、多くのユニークで貴重な著作を世に問うている方です。日本の近代の歩みを斬新な視点で調査し、検証していく手法はいつも見事だと思ってきました。
視点の新しさと斬新さは筆者の持ち味で、それは本書でもコンセプトの段階から光っていました。語り口の面白さや取り上げ方の巧さは随所で感じましたが、テーマの広がりに限界がありましたので、掘り下げの深さにおいて少し物足りなさを感じたのも事実です。
また様々な所で、「大正の広重」と称された吉田初三郎によって作図された鳥瞰図が披露されています。冒頭の折り込みにも「日本鳥瞰 中国四国大図絵」がありますが、これは本書の魅力をあますところなく伝える絵図でした。裏面の「瀬戸内海航路図」と併せて視覚的に楽しませてもらいました。
70ページ以降には、大正から昭和初期にかけて、大阪商船が瀬戸内海の観光コースを提唱したことが記されています。昭和初期の体験記も掲載してありました。軍国主義一辺倒の感がある時代ですが、このような観光を楽しむ雰囲気があったわけで、モダニズム時代を様々な点から再検証すべき時期が来ているようです。
昭和5年に大阪商船が発行したパンフレット『寒霞渓遊覧案内』を掲載してありますが、なかなか魅力的な観光案内だと思います。
「モダンな観光地」として別府が書かれてあり、350ページ以降の写真や文章をみれば、瀬戸内観光と別府が見事にマッチして発展したことが綴られています。娯楽施設やアトラクションなど発展を遂げた過程を見るにつけ、当時の観光による繁栄ぶりが伝わってきました。
本書の魅力はこのように分かり易く豊富な当時の印刷物を効果的に散りばめながら、読者を飽きさせずに知られていない事象を提示してくれる所にあります。視点の素晴らしさが本書の魅力を作りだしているのは間違いないようです。
にがり温泉 500g
小1の息子は2年ほど、痒疹という皮膚疾患に悩まされていましたが、このにがり温泉を使うようになってから、皮膚をかきむしることが少なくなり、ほぼ完治しました。
年齢とともに皮膚が強くなったのかも知れませんが、いまだ毎日使っています。
年齢とともに皮膚が強くなったのかも知れませんが、いまだ毎日使っています。
東野・岡村の旅猿3 プライベートでごめんなさい… 瀬戸内海・島巡りの旅 ワクワク編 プレミアム完全版 [DVD]
初期のものより最近のものは面白くない、退屈などのレビューも見られますが、私は初期のものから最近のものまで変わらず好きです。旅猿のいいところはタイトルにもあるとおり「プライベート」感です。ありきたりな展開や台本通りの番組にはないゆる〜い雰囲気がたまらなく楽しいです。今作品もすったもんだあり、テキトーな感じあり。旅猿です。あれこれ求めず、気楽に寝転びながら観ましょう!