映像の美しさ、演出のよさ。それらが魅力的な登場人物を光らせている。とてもいい映画です。和久井映見と渡部篤郎の、最初の共演。和久井さん、このころからいい演技をしていますね。

　山口智子が全盛の頃。魅力にあふれている。最近は身につまされる気がし、昔のように手放しでは喜べないが、それでも名作は名作。時は経っても、色褪せない面白さが満載だ。

数ある刑事ドラマの中でも、ほのぼの感、ハートフル度では屈指のドラマだと思う。（あまり刺激的でないという見方もできるが）　登場人物も個性はあるし、それなりに意地やプライドもあるが、基本的に良い人ばかりで、高嶋政伸、橋爪功、ベンガル、佐藤B作…といったキャストからも、シビアではなく温かみのあるドラマを目指していることがわかると思う。
家族、特に小さな子供と一緒に見ても、なんの問題もなく楽しめる。家族向け刑事ドラマ、ホームドラマ的な雰囲気のある刑事ドラマだろう。

ストーリーは、最終二話を除いて一話完結でソツなくまとめられているが、菊川刑事の事件がドラマを通じての大きな軸になっており、最終二話でのクライマックスにつながっている。このあたりも巧く作っていると思った。そして最終話のエピソードは、このドラマを象徴するような作風だった。実際にはこんな署はないだろうと思いつつも、温かな気持ちで観終わることができた。
刺激的なドラマが多い中、こんなほのぼの感のあるドラマはある意味貴重ではないだろうか。

新作では、ダブルのサイドベンツ着た大泉洋が見たいです。
昼からニッカウイスキーをダブルであおりながらクロックムッシュとか食べる。
あと、新作のガイドでは、「ポーター」について、たくさんページを割いて解説してほしいです。
北海道と内地は客引きの文化、流儀が違うと思いますので。