このｃｄも前に買ってあるがあらためて手に入れると又新鮮な気持ちになり聞き入ってしまう魔力か----

アイドル歌手吉川友初のミュージックビデオ集。2011年5月のデビュー曲から2013年1月発表曲までの既発映像をカバーしている。歌唱力・ルックスのよさ・ダンスや演技の表現力・なんでもこなすセンス・アイドルとしての華を兼ね備えた人なのでMVをまとめた作品はありがたい。通常版（？）のMV（以下「通常MV」）が10本、特典映像としてバージョン違いなど大ボリュームだ。

もっとも彼女のMVはこれまでのシングル・アルバム初回盤のDVDにも収録されているし、そもそもYouTubeの公式チャンネルで無料視聴できるものも多い。そこで本DVDの収録状況について概観する。

まず通常MVについて。YouTube公式はほぼ全て観られるが「Early Snow」が入っていない。また「きっかけはYOU!」と「私がオバさんになっても」はYouTube公式には入っているが過去のCD付録DVDには入っていない。以上、本作の勝ち。

特典映像1について。これは本作の圧勝である。13本のうちYouTube公式で観られるのはゼロ。過去CD付録DVDで観られるのも5本しかない。特にDance Shot ver.は基本的にこちらの独り勝ちといえる。

特典映像2は厳しい。カバーアルバム『ボカリスト?』のMVだがYouTube公式では全曲が（ver違いまで）観られるがこっちには4曲しか入っていない。まあDVDに入ってないぶんはそちらで補完すればよいとはいえるので勝負なしとする。

残念なのはメイキング映像が一切入っていないこと。『MUSIC VIDEO CLIPS』の趣旨通りとはいえ初回盤シングルおよびアルバムの付録DVDに完敗である（YouTube公式もメイキングはない）。また、やはりブルーレイでも出してほしかった。

王道アイドルポップからしっとりバラード、ロック調、ボカロP曲、過去の名曲カバー、はてはMMDとの共演と、短期間で幅広く高水準の活動を達成してきたことが見渡せる。映像で観るベスト盤にして歌手吉川友の歴史。いずれ出るだろう「Vol.2」も期待しつつ星五つ。

宮澤淳一氏のグールドの生涯と仕事総論に続いてディスクガイド。

１　Ｊ．Ｓ．バッハ（と同時代までの作曲家）
２　ハイドン＆モーツァルト
３　ベートーヴェン
４　ロマン派
５　近代・現代作品＆自作
６　ヨーロッパ・ライヴ　１９５７−１９５９
７　インタヴューとラジオ作品
８　コンピレーション＆オムニバス・アルバム
９　その他の録音

の９章立て。中核となる１〜６章（冒頭に２ページの通覧的解説あり）に計５６項目。１頁の項目もあれば、５５年ゴルトベルク変奏曲（４エディション紹介）のように５頁を費やす項目もある。「Ｊ．Ｓ．バッハ（と同時代までの作曲家）」の章を例にとると、ピアノ協奏曲全集、平均律蔵ヴィーア曲集第１集・第２集、イギリス組曲全曲といった括りで１項目とし、全部で２１項目。

巻末に作曲家別／作品別、録音順（レーベル名、ディスク番号は省略）、（５５年ゴルトベルクから始まった全正規盤）アルバム発売順のディスコグラフィ。その他、国内発売順・アルバム別（一部国内未発売を含む）映像ソフト、文献リスト、グールド略年表、といったところ。

比較的最発売されたゴルトベルク収録のライヴ盤イン・ザルツブルク１９５９は「ヨーロッパ・ライヴ　１９５７−１９５９」にあり（項目５６）、（５８年ヴァンクーバー録音所載の）グレン・グールド・イン・コンサート１９５１−１９６０は「インタヴューとラジオ作品」にある（項目７４）から、現時点で入手可能なアルバムは網羅していると思う。

コンピレーションでもグールド自身が選曲したリトル・バッハ・ブックは「Ｊ．Ｓ．バッハ（と同時代までの作曲家）」にあったりする（項目１５）から、最初は自分の探すアルバムがどの章のどの項目に該当するのか少しわかりにくい。巻末ディスコグラフィと項目番号の対応づけがあると良かっただろう。最新エディション優先でガイドしており、項目１５・フーガの技法はオルガン演奏のディスクだけ紹介しているが、＋ピアノ演奏のエディションも紹介する方が親切かと思う。

なお、この秋に出るゴルトベルク新盤３０周年記念エディションへの言及はなし。