この本を最初に読んだのは子供が不登校になり始めた時期でした。さらっと読めてしまい「そんなにうまく行くものかなぁ」と思って、そのまま本棚にしまいました。
子供が不登校になった時、とにかく家族だけで抱えないようにしようと思い、公的機関、民間、病院…色々な所に相談し外からの支援を得ようとしました。うまくいったものもありますが、「本人が家から出なければ何もできない」と突き放されたように感じたことが多かったです。結局は、家族内で解決しないといけないのだなと限界を感じて、私(母親)が変わらなければ、と腹をくくりました。
そこで思い出したのが、この本のコンプリメントト
レーニングでした。
著者のブログを拝見したり、本をもう一度じっくり読んで自己流にコンプリメントをかけ続けました。子どもは少しずつ改善したものの、あと一歩のところで停滞してしまったので、最後は(長い間迷った挙句、勇気が要りましたが)著者のト
レーニングに申し込んで、ノートを添削してもらいながらコンプリメントをしました。私自身、AC(アダルトチルドレン)を自覚しており、子供にうまく愛情を伝えたり親として変わる自信がなかったので、添削の支援は心強かったです。
その成果は大きく、約一年間の不登校の後、急に再登校を始め、高校進学への意欲も出て、奇跡的に希望の高校の合格まで引き寄せました。一年前が嘘のようです。
この本に出会えていなかったら、私は大切なことに気づかないまま、子供に接していたと思います。
単に「言葉がけ」を実行するだけ。されど、その「言葉」がどれだけ子供にとって大切だったのだろうと、今、身に染みて思います。
タイトルにある「働きかけ」をするのは作為的な感じがして最初は抵抗がありましたが、戸惑いながら形から入っても、続けるうちに心の中にあるものに気づく…シンプルだけど奥深いです。
本を読んだだけではきっと何も変わらないです。知識を得ただけでは何も変わりません。毎日毎日続けてコンプリメントすることで意味が出てくるのだと思います。そういう本なのだと思います(ダイエット本を買って読んだだけでは痩せないのと同じですね)。
この本に出会えて良かったです。できれば、子供が不登校になる前に出会いたかった。子育てに悩む親の味方になる実践的な本だと思います。