内田魯庵山脈―「失われた日本人」発掘
山口昌男が「挫折の精神史」「敗者の精神史」を著作し 最後に到達した本。
明治ー昭和の間の 今は忘れられてたアカデミズムとは一線を画した民間のアカデミズム。有名無名の人が趣味的に集まり、独特のネットワークを作り上げていく様は 「曼荼羅」を思わせるものがある。近代史の一つの掘り下げ方としての 山口昌男の視線は 研究者のそれ というよりは 最早趣味人のそれである。
昔の実業家達は 昼間は 実業家として日本経済に奔走する一方 夜ともなると 趣味に走る様も散見されて実に好ましい。今の財界人たちにも そんな「幅」があったらと 考えてしまう次第である。ためになるかは分からないが実に面白い。というか 何かの為だけにする読書自体が 既に貧しい、そんな風に 山口は語っている。
明治ー昭和の間の 今は忘れられてたアカデミズムとは一線を画した民間のアカデミズム。有名無名の人が趣味的に集まり、独特のネットワークを作り上げていく様は 「曼荼羅」を思わせるものがある。近代史の一つの掘り下げ方としての 山口昌男の視線は 研究者のそれ というよりは 最早趣味人のそれである。
昔の実業家達は 昼間は 実業家として日本経済に奔走する一方 夜ともなると 趣味に走る様も散見されて実に好ましい。今の財界人たちにも そんな「幅」があったらと 考えてしまう次第である。ためになるかは分からないが実に面白い。というか 何かの為だけにする読書自体が 既に貧しい、そんな風に 山口は語っている。
新編 思い出す人々 (岩波文庫)
名著「二葉亭四迷の一生」をはじめ、「二葉亭余談」「二葉亭追録」など、私のような二葉亭ファンには
有難い文章が収録されています。他にも「硯友社の勃興と道程」「齋藤緑雨」「淡島椿岳」「鴎外博士の
追憶」など楽しく読めます。
食道楽の二葉亭と食べ物にはまるで無頓着な魯庵、死の床にありながら大金をだして大辞典を買った
紅葉、あぐらをかくのは田舎者のする事だとして膝をくずさなかった緑雨、魯庵が語るこれらのエピソード
は些事に過ぎませんが、彼らの作品を愛読する者にとっては興味深いものです。
書店で発見してすぐさま購入し、その日のうちに読了して、今は「二葉亭四迷の一生」をもう一度読んで
いる所です。やはり面白い。熟読に堪える一冊だと思います。
有難い文章が収録されています。他にも「硯友社の勃興と道程」「齋藤緑雨」「淡島椿岳」「鴎外博士の
追憶」など楽しく読めます。
食道楽の二葉亭と食べ物にはまるで無頓着な魯庵、死の床にありながら大金をだして大辞典を買った
紅葉、あぐらをかくのは田舎者のする事だとして膝をくずさなかった緑雨、魯庵が語るこれらのエピソード
は些事に過ぎませんが、彼らの作品を愛読する者にとっては興味深いものです。
書店で発見してすぐさま購入し、その日のうちに読了して、今は「二葉亭四迷の一生」をもう一度読んで
いる所です。やはり面白い。熟読に堪える一冊だと思います。