歴史家でなくても驚くような内容ですが、多少なりと
スピリチュアルな世界を理解しているつもりなので、頭から否定する気はありません。能力のある人には見えるのでしょうし、逆にどんな風に見えるか興味深いです。
1点だけ申し上げたいのは、著者が「実証的手続きを必要と考えること自体が既に時代遅れである」と述べていますが、史実が見えること自体と歴史学における実証とは全く別物であるということ。歴史学では「過去を見聞きした人が現存しない」前提で、裁判と同じ手続きが踏まれます。すなわち、客観的に見て多くの人が納得するようたくさん証拠を集め、論証を行うことで、裁判と同じく、いくら事実であっても証拠がなければ事実とは認められません。ここで構築される後世の「歴史像」は、いわゆる「史実」とは多少ズレているかもしれない。それは過去を霊視できない普通の人が大多数を占めている以上仕方のないことで、そのズレを修正していくのが歴史家の仕事でもあります。もし将来、過去を霊視できる人が多くなれば歴史学は必要なくなるかもしれませんが、現状で実証不可能な史実が存在することを歴史家の責任にしてほしくないので。
超古代史の内容や現在もいろんな人の封印を解いているという話は、残念ながら理解が及びませんでした。惜しいですが☆3つ。しかし、霊視通りと仮定すれば納得のいく事項もいくつかあり、こういう見方を持っておくと既成観念に縛られず歴史を眺められると思います。
既成概念はどんどん疑うべし!