福島第一原発事故衝撃の事実―元IAEA緊急時対応レビューアーが語る
読み応えのある日本国民必読の作品であると思います。
単なる科学技術的視点のドキュメンタリーに走らず、一般大衆に、事故の真相を伝え、
改善すべき危機管理のあり方を政官学業の中枢に示し、原子力工学技術者に安全へのやる気を起こさせ、
歴史的、世界史的視点からの日本人の進むべき指針となる、多くの人に読まれるべき価値のある本です。
この本の存在を世界に向けて発信されることを希望します。
外国語(英語)翻訳も、改訂版とともに執筆されてはと思います。
如何なる国家、会社・組織にも属さず、国際社会の「しもべ」である、IAEA(国際原子力機関)査察官
及びOSART(運転安全レビューチーム)レビュアー経験者の高橋啓三氏でなければ,なし得ない、鳥瞰的視野でのメッセージです。
いにしえからの艱難辛苦を、民族の叡智で、克服してきたユダヤ人の世界を実体験され、
人類の安寧を追求する手島佑郎氏の第6章 「想定外を想定する叡智」の筆致が冴えています。
原子力発電所も一種の姿を変えたトロイの木馬かも知れません。
生かすも、殺すも、殺されるも、使用する側の人間に責任があります。
当事者の東電、保安院は、これを狼と認識して訓練したかを、問うております。
東電福島第1原子力発電所の1号炉の原子炉建屋の上部の天井および壁部分が、万一の水素爆発の際、枢要区域へ被害が及ばないような、脆弱な材料で作られていたことに、当事者が気付かなかった、としています。
緊急時の対応は正にフィード・フォワードシステムであり、これが万全であれば、全電源喪失にも即応でき、1−3号の炉心に迅速に消火系統からの注水冷却を行い、手動ベントの開放により、水素爆発を未然に防止することもできました。被害の拡大を防止する、との著者の思いが痛く感じられます。
事故発生と同時に、黒い白鳥(絶対神話の誤り)を発見した彼が、事故対応中枢に、急遽招集され、官邸側近として活躍しているのではなかろうかと、彼との連絡の途絶時に、渇望していたのは、私一人だったのでしょうか。
単なる科学技術的視点のドキュメンタリーに走らず、一般大衆に、事故の真相を伝え、
改善すべき危機管理のあり方を政官学業の中枢に示し、原子力工学技術者に安全へのやる気を起こさせ、
歴史的、世界史的視点からの日本人の進むべき指針となる、多くの人に読まれるべき価値のある本です。
この本の存在を世界に向けて発信されることを希望します。
外国語(英語)翻訳も、改訂版とともに執筆されてはと思います。
如何なる国家、会社・組織にも属さず、国際社会の「しもべ」である、IAEA(国際原子力機関)査察官
及びOSART(運転安全レビューチーム)レビュアー経験者の高橋啓三氏でなければ,なし得ない、鳥瞰的視野でのメッセージです。
いにしえからの艱難辛苦を、民族の叡智で、克服してきたユダヤ人の世界を実体験され、
人類の安寧を追求する手島佑郎氏の第6章 「想定外を想定する叡智」の筆致が冴えています。
原子力発電所も一種の姿を変えたトロイの木馬かも知れません。
生かすも、殺すも、殺されるも、使用する側の人間に責任があります。
当事者の東電、保安院は、これを狼と認識して訓練したかを、問うております。
東電福島第1原子力発電所の1号炉の原子炉建屋の上部の天井および壁部分が、万一の水素爆発の際、枢要区域へ被害が及ばないような、脆弱な材料で作られていたことに、当事者が気付かなかった、としています。
緊急時の対応は正にフィード・フォワードシステムであり、これが万全であれば、全電源喪失にも即応でき、1−3号の炉心に迅速に消火系統からの注水冷却を行い、手動ベントの開放により、水素爆発を未然に防止することもできました。被害の拡大を防止する、との著者の思いが痛く感じられます。
事故発生と同時に、黒い白鳥(絶対神話の誤り)を発見した彼が、事故対応中枢に、急遽招集され、官邸側近として活躍しているのではなかろうかと、彼との連絡の途絶時に、渇望していたのは、私一人だったのでしょうか。
イランの核問題 (集英社新書 441A)
フランスの原子力庁戦略研究局長・エッセイストのテレーズ・デルペシュ氏が、現在のイラン
の核開発疑惑について、国際関係論的視野から論じる。
構成としては、ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、中国、パキスタン、インド、イスラエル、
北朝鮮、エジプト、サウジアラビア、南アフリカ共和国に、各一章をあて、
各国が、現在イランとどのような関係にあるか、歴史を踏まえながら説明していく。
基本的には、一対一の国際関係を描き出しているためわかりやすいが、やや平板な印象も
避けられない。
この本では、イランは、エネルギーには全く不自由しないにも拘わらず、核開発を秘密裏に
進め、反欧米路線を進め中東の不安定要因となっている。
といったような、欧米から見た定番的解釈が主体となっている。
アメリカがパーレビ王朝を支援し、その後のホメイニ革命以降、強力な経済制裁を行ったため
ロシア、中国陣営に追いやったような、欧米から見た負の歴史は書かれていない。
日本が基本的には、欧米と協調しながら対イラン政策を行っていることを踏まえれば、
ある意味、常識的な視点かもしれないが。
(日本も対イランの経済制裁に参加していることをお忘れなく)
私は、他に現在のイラン問題についての良書を知らないため、本書を推すが、中東・イラン側
から見たイラン問題についても、別途、知識を得る必要があるように思う。
の核開発疑惑について、国際関係論的視野から論じる。
構成としては、ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、中国、パキスタン、インド、イスラエル、
北朝鮮、エジプト、サウジアラビア、南アフリカ共和国に、各一章をあて、
各国が、現在イランとどのような関係にあるか、歴史を踏まえながら説明していく。
基本的には、一対一の国際関係を描き出しているためわかりやすいが、やや平板な印象も
避けられない。
この本では、イランは、エネルギーには全く不自由しないにも拘わらず、核開発を秘密裏に
進め、反欧米路線を進め中東の不安定要因となっている。
といったような、欧米から見た定番的解釈が主体となっている。
アメリカがパーレビ王朝を支援し、その後のホメイニ革命以降、強力な経済制裁を行ったため
ロシア、中国陣営に追いやったような、欧米から見た負の歴史は書かれていない。
日本が基本的には、欧米と協調しながら対イラン政策を行っていることを踏まえれば、
ある意味、常識的な視点かもしれないが。
(日本も対イランの経済制裁に参加していることをお忘れなく)
私は、他に現在のイラン問題についての良書を知らないため、本書を推すが、中東・イラン側
から見たイラン問題についても、別途、知識を得る必要があるように思う。