情事 [DVD]
ネオリアリスモの立役者ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品です。登場人物の意味不明な行動、編集の斬新さなどから難解と思われがちな作風でこの人は有名ですが、この『情事』もある意味でその流れを汲んではいます。しかし、誰もが経験するであろうと思われる不条理な不安や心情の曖昧さがこれほど緻密に、しかも解かりやすく表現されている作品も珍しいのでは。
姿をくらましてしまった女性の婚約者と女性の女友達。もう二度と会えないかもしれない大切な存在を二人で探すうちに互いの心が結び合っていく・・・。しかし、そこは愛の不毛を生涯のテーマとしたアントニオーニ監督らしく、一筋縄ではいきません。男は孤独を恐れ女を求める。女は罪の意識に苛まれつつ男を求める。しかし、二人とも実は何を求めていいのかわからない。そんな哀しき人々の心情が台詞からだけではなく、アルド・スカヴァンダのカメラがとらえられた美しくも荒涼とした風景からにじみ出てくる様は筆舌に尽くしがたい映画的興奮をもたらします。美しいモニカ・ヴィッティの金髪が曇り空や白壁に溶け込み、情けないガブリエル・フェルゼッティのスーツが画面から消えてしまいそうになる・・・。人間とはなんと小さな存在、なんと頼りない存在であることか。そんな哀しさがまじまじと伝わってくるのです。
麗しきモニカ・ヴィッティが最高。鼻筋と目力で観る者を惹きこみます。凛としていて、真面目でいて、この可愛いらしさといったらどうでしょう。迷いながら、涙に濡れながら、不毛の迷宮で愛を希求する姿が実に印象的です。
荒涼とした風景の中で奔走し、愛し合い、迷える登場人物たちが滑稽でもあり、愛おしくもある、これは曖昧であるからこそ人間が人間であることの証を愛情に満ちた眼差しで俯瞰した愛の作家ミケランジェロ・アントニオーニの傑作。
姿をくらましてしまった女性の婚約者と女性の女友達。もう二度と会えないかもしれない大切な存在を二人で探すうちに互いの心が結び合っていく・・・。しかし、そこは愛の不毛を生涯のテーマとしたアントニオーニ監督らしく、一筋縄ではいきません。男は孤独を恐れ女を求める。女は罪の意識に苛まれつつ男を求める。しかし、二人とも実は何を求めていいのかわからない。そんな哀しき人々の心情が台詞からだけではなく、アルド・スカヴァンダのカメラがとらえられた美しくも荒涼とした風景からにじみ出てくる様は筆舌に尽くしがたい映画的興奮をもたらします。美しいモニカ・ヴィッティの金髪が曇り空や白壁に溶け込み、情けないガブリエル・フェルゼッティのスーツが画面から消えてしまいそうになる・・・。人間とはなんと小さな存在、なんと頼りない存在であることか。そんな哀しさがまじまじと伝わってくるのです。
麗しきモニカ・ヴィッティが最高。鼻筋と目力で観る者を惹きこみます。凛としていて、真面目でいて、この可愛いらしさといったらどうでしょう。迷いながら、涙に濡れながら、不毛の迷宮で愛を希求する姿が実に印象的です。
荒涼とした風景の中で奔走し、愛し合い、迷える登場人物たちが滑稽でもあり、愛おしくもある、これは曖昧であるからこそ人間が人間であることの証を愛情に満ちた眼差しで俯瞰した愛の作家ミケランジェロ・アントニオーニの傑作。
情事 [DVD]
不倫は罪か否か・・・という「テーマ性で選ぶ」より、「お気に入りの俳優別」で選んで観るべき作品です。
98年作品なので、さすがにファッション等古さは否めませんが、イ・ジョンジェの立ち姿は格好いい。特筆すべきは、彼の手の美しさ・指の綺麗なこと!!
『ラストプレゼント』で、イ・ヨンエの髪に置いた手も、ドラマ『白夜』でチン・ヒギョンを引き寄せた手も美しかった・・・この作品で再確認しました。情事のシーンもありますが、なぜかエロさを感じさせません。(男の色気がある俳優には珍しい?)
また、子供のような純真さと若さゆえの反抗心とが同居する表情にもドキドキ。特に、婚約者とその姉夫婦との食事・・・観ている方も、「そんなに困らせないで」と思わずにはいられない、居たたまれない程の気詰まりなシーンは見事です。
そして、なによりイ・ミスクの気品と美しさで成り立つ作品でもあります。
ドロドロ不倫劇という話ではないし、始終感情のまま叫き散らす・・・という作りではないので、二人の演技に酔うことが出来ました。
98年作品なので、さすがにファッション等古さは否めませんが、イ・ジョンジェの立ち姿は格好いい。特筆すべきは、彼の手の美しさ・指の綺麗なこと!!
『ラストプレゼント』で、イ・ヨンエの髪に置いた手も、ドラマ『白夜』でチン・ヒギョンを引き寄せた手も美しかった・・・この作品で再確認しました。情事のシーンもありますが、なぜかエロさを感じさせません。(男の色気がある俳優には珍しい?)
また、子供のような純真さと若さゆえの反抗心とが同居する表情にもドキドキ。特に、婚約者とその姉夫婦との食事・・・観ている方も、「そんなに困らせないで」と思わずにはいられない、居たたまれない程の気詰まりなシーンは見事です。
そして、なによりイ・ミスクの気品と美しさで成り立つ作品でもあります。
ドロドロ不倫劇という話ではないし、始終感情のまま叫き散らす・・・という作りではないので、二人の演技に酔うことが出来ました。
情事 (集英社文庫 143-A)
表題作「情事」は森瑶子38歳の時の処女作でありすばる文学賞を受賞した作品である。
37歳時、作者は自分自身に絶望してた時期、版画家池田満寿夫が芥川賞を受賞したこと
を知り、それに刺激され書くきっかけになったという。
本書は主人公洋子が若さへの不安から奔放な性に駆り立てる物語である。情愛に対する
欲望と飢えが巧みに描写されており、まさに森瑶子の世界、夏を基調にした作品で冒頭
の「夏が終わろうとしていた」は印象的な一行である。
37歳時、作者は自分自身に絶望してた時期、版画家池田満寿夫が芥川賞を受賞したこと
を知り、それに刺激され書くきっかけになったという。
本書は主人公洋子が若さへの不安から奔放な性に駆り立てる物語である。情愛に対する
欲望と飢えが巧みに描写されており、まさに森瑶子の世界、夏を基調にした作品で冒頭
の「夏が終わろうとしていた」は印象的な一行である。
情事の終わり
と、いう印象だったが実は結構名は売れている連中のようだ。新しい時代の若者からはハードバップ奏者はイイのは出ないだろうと長い間思って古いLPだけ聴いていたボクはこのアルバムを聴いて愕然とした。Jazzはほとんど死んでしまったアメリカと思っていたがこのCDはそういうボクを青春時代に引きずり戻した。そして嬉しいサウンドを聴かせるこのアルバムは日本の企画のようだがヴィーナスレコードという会社はジャケットデザインを60年代ヌーベルバーグのフランス映画のような雰囲気を出していて、もしかしたら若い世代のアイデアかも・・と思ってしまうほどクサく統一されている。モロにバップでモーダルなクールさまではいかないがもうすぐモードやるぜ、といった発展性が感じられる。しかしこの状態のバップが一番いいんだよな。ボントロ(tb)もペット(tp)もイカすねぇ。ここ10年では一番いいアルバムかも・・。