何でも見てやろう (講談社文庫)
私が15歳か16歳の頃、高校の期末試験か何かでサッカー部の練習がない日だったと思います。試験勉強はしない主義?だったので、何か本でも読もうかなと、学校帰りに駅前
の本屋に寄りました。
あの日の午後、あの本屋に入らなかったら、そしてあの本が棚に平積みされていなかったら、そしてその本を手に取らなかったら、今、私はここでこうしてタイのバンコクに来ていたでしょうか?
この文庫本をたまたま手に取ったことで、もしかしたらその後の私の人生が決定付けられたのかも知れません。
癌で闘病生活をされているということは聞いていましたが、こんなに早くこの日がくるとは・・・。
サッカー馬鹿だった私に、社会への目を開かせてくれたのは、間違いなく小田実さんのこの本でした。かなりのページ数ですが、1晩で読了しました。
その後、高校の世界史の先生に紹介された評論集など、彼の著作を貪るように読みました。
当初は呑気に高校を卒業したらサッカー部の先輩たちの多くが進学する大学の体育学部にでも行って高校の体育教師になろうかな?と考えていました。
でも、困ったことにそれどころじゃなくなってしまいました。
それまでサッカーで熱くなっていましたが、それよりもスケールの大きな熱さが世界中にはあるのだなあ・・・早く日本を飛び出したいなあ・・・と思うようになってしまいました。
そして、あの本を読んでから20数年後、今、私はタイにいます・・・。
あ、駄目だ、目頭が熱くなってきた・・・。
参院選の自民党大敗のニュースが流れたその日、彼も旅立ちました。
何か象徴的な、ひとつの時代の区切りのような感じがします。
ご冥福をお祈りします。
そして貴重な気づきを与えてくれてありがとうございました。
信長の野望 将星録
これまでの作品とは違い、戦争や農業などをやりに行くまでの間にも武将を直接操らなければなりません。攻める時に篭城戦に持ち込めば自分の兵糧が尽きないかぎり勝ててしまうのが難点。
自己ベスト
小田さんの極め付きのベストだ。
少し前、FMでオフコースと最近の録音を比べ「若い時と比べると声の張りなどの衰えは否めない」と言っていた不謹慎なDJがいた。
声は衰えるのではなくて、味わいが増すものだ。若いころの張りのある高音ばかりが彼の魅力ではない。
熟成された彼の音楽性と、味わい深い声を堪能できるアルバム。