叔父のインチキ結婚相談所に就職した主人公活人（かつと）。連日やってくるバカな客に嫌気がさしていた。

そんなある日、叔父がトラブルに巻き込まれるが、それが活人を未踏の世界へ引き込むことになる。

前半の結婚相談所のくだりは、電車内では笑いこらえられないので読むのは危険です。笑いの連続です。

戸梶ぶりが炸裂します。ポスト３．１１で原発を痛烈に皮肉っています。

後半はアクション色の強い作風になってきます。本作は３部作の様なので、導入編という感じですが、ファンには十分楽しめる

と思います。中巻に期待しています。

内容は、詳しくいえませんが、詰まり過ぎててとても満足です。IZAM最高です。（IZAMファンは見ない方がいいかも）堤ファンならDVDとして手元に持つべきです。WOWOWでしか放送されてないし。

昨年、東京出張の折にこの作品のチラシを見て興味を持ちました。
ＤＶＤになっていることを知って購入し、観たのですが、さいしょは作りのシロウトっぽさに愕然。でも、”打ち切り隊”たちのグロでシュールな追跡劇に、これまで味わったことのない刺激とユーモアを感じました。それと、かなり個性的な役者たちもこの作品の魅力。終了後に収録されている撮影秘話も面白かったです。

堤監督作品も渡辺謙さんも好きな私も、最初見た時はよく理解でき
なかったのですが、繰り返し見るうちに堤ワールドの虜に。
窪塚君女装似合うなぁ。仲間ちゃんのまばたき一切なしの演技にも
注目。椎名さんのエースのジョーもイイ・・・
しかし謙さんファン的には珍しい悪役や、口元、顎、目元、手元、
足先など小出しにしか写らないのに各パーツと渋い声だけでも
さすがの存在感の出演シーンも見応えあります。また終盤に写る坊主頭
と全貌が怖い！少々遊びすぎてらっしゃるところありましたけど。苦笑
面白いと思うか思わないか、評価の分かれる作品かもしれませんがご一見あれ。

ツイッター暴言炎上人生破綻親父と共に母さんと俺は、老人と犯罪と孤独死に溢れる荒廃団地に逃げ込むように移り住む。21歳就職失敗の俺は壊れつつある親父を捨て、何とかしようとあがきながらも、団地で出会った3人の女に絡む問題を解決したいと一生懸命になる。でも頼りになるのは、その団地に前から住んでいるギター修理職人の祖父「おじいちゃん」74歳のみ。これがスーパーパワフル・エキセントリック・凶暴といった「枠の外の人」で突発性のうつ病持ちであるところは御愛嬌。
第1エピソードでは若いエジプト人ダンスインストラクタを悩ませる元夫と助っ人を成敗して人間ギターに改造。ここはすごくグロい。しばらくギターを持てなくなる。
第2エピソードでは、俺を不眠にする隣室の横暴チャットレディーに呪いをかけて退治。この最後の様子もえぐいし悲惨だが、レディーの娘は中国人経営者と良い感じになっている。
第3エピソードでは、とうとう限度を越えた親父を消そうとしたつもりが、連続殺人鬼に監禁されていた娘を助け出すことに振り替わり、おじいちゃんはこれを人生最後の戦いと宣言する。救出に成功？し、俺は娘にキスし、まともな社会人になる決意を固める。
動機は俺、行動方針決定はおじいちゃん、皆一緒になってのぶっ飛んだ戦いの末、問題を解決して一歩前進し俺達は成長する。ヤバい連中とおじいちゃん＆俺の起こす事件は、どれもとんでもないものでハチャメチャな暴走展開だが、真っ直ぐ求める者が前進して、捻じれた者が脱落していく、正統的なお話である。
また、日本の老齢化や就職事情や親子関係には皮肉に、日本で働くエジプト人や中国人にはちょっと暖かく、背景に取り込んで現代の小説になっている。
もっともらしく深刻な背景を設定して同級生同士の殺し合いを描くような作品と比べると、同じような乱暴な話ではあるけれどどこか明るく突き抜けている。鍋の底に残った具をいつまでもつついてあーだこーだ言っている古い作家達の作品と比べるのもなんだが、鍋から出て、店から出て、今日に立って明日を見る新鮮真摯なエンタテインメントに思えて、面白さはもちろん、挑戦的作品としてもゾクゾクする。ラノベという、文学の主流と思われていないところを足がかりに、そのラノベの枠さえ飛び越える新創作と思った。次回作でのさらなるぶっ飛びに期待したい。