アメリカ白人による日本批判―民族間関係の研究
「なるほど、やはりそうだったのか、納得できた」というのが、私がこの研究書を読んだ直後の感想である。「TOYOTA」が、何故に繰り返し米国で批判されるのか不思議であったが、この研究書を読んでその理由の一部が判然と理解できた。「アメリカ白人は日本人に生物的な疎遠感を持てば持つほど日本を批判しがちである」ということを、この研究書はアメリカ白人から直接的に収集したデータを分析した結果として明らかにしている。この分野は、感情に訴えているだけの類書が多い中で、この分析結果はデータ分析に基づいているだけに納得出来る。
この研究書では、従来から指摘されてきた「アメリカ白人による人種差別」というものを、「アメリカ白人が日本人に関して懐いている生物遺伝的構造に関する意識」という新たな概念に置き換え、それをさらに変数として測定した上で、「その生物的意識」と「日本批判」との因果性を解明している。全く新しい分析視点である。同じ視点から「アメリカ白人による反捕鯨活動(シーシェパードによる南氷洋での妨害行為等)」の生物的根拠も解明している。実に興味深い分析視点である。これらの分析結果があれば、アメリカ白人による日本批判が、従来言われてきた「人種差別」であることが、ほぼ解明されたようなものである。また「差別」という言語が、「強度の違和感」に近い意味を持つのかなあ、と得心できた。
統計学的分析を多用していてやや難解かもしれないが、その部分は無視してもいいかもしれない。とにかくアメリカ白人による日本人差別や日本批判に興味或る人には、お薦めできる。ハードカバーだけではなく、この著者の新書の刊行が待ち遠しい。
この研究書では、従来から指摘されてきた「アメリカ白人による人種差別」というものを、「アメリカ白人が日本人に関して懐いている生物遺伝的構造に関する意識」という新たな概念に置き換え、それをさらに変数として測定した上で、「その生物的意識」と「日本批判」との因果性を解明している。全く新しい分析視点である。同じ視点から「アメリカ白人による反捕鯨活動(シーシェパードによる南氷洋での妨害行為等)」の生物的根拠も解明している。実に興味深い分析視点である。これらの分析結果があれば、アメリカ白人による日本批判が、従来言われてきた「人種差別」であることが、ほぼ解明されたようなものである。また「差別」という言語が、「強度の違和感」に近い意味を持つのかなあ、と得心できた。
統計学的分析を多用していてやや難解かもしれないが、その部分は無視してもいいかもしれない。とにかくアメリカ白人による日本人差別や日本批判に興味或る人には、お薦めできる。ハードカバーだけではなく、この著者の新書の刊行が待ち遠しい。