兎の眼 [DVD]
素晴らしい!!
タカをくくって見始めましたが、いやあ、
すっばらしい映画でした。
関西の貧困都市部へ赴任した壇ふみさん
演じる先生と、小学校の生徒たちの
涙ぐましい触れ合いと格闘・・・・。
新克利さん演じる教師ともども、
これこそ教育者の鑑だ!
と言いたくなる奮闘の模様を、
ある時はシリアスに、ある時はメルヘンタッチで描いた、
「キューポラのある街」以上の快作です。
こうゆうことこそ、「人間関係」だ、と感じさせられました。
ドラマも映画もこれ、といって残っていない
壇ふみさんの若き日の凛々しさ観られるだけでも
価値あり、です。
僕の中では「典子は今」に並ぶシリアスメルヘンの
傑作ですねえ。
あ〜これダウンタウンの松本人志さんにみせたい。
号泣するやろなあ、自分たちの子供の頃思い出して。
ヒューマンな感動とはこういうもののことを
言うのです!!
タカをくくって見始めましたが、いやあ、
すっばらしい映画でした。
関西の貧困都市部へ赴任した壇ふみさん
演じる先生と、小学校の生徒たちの
涙ぐましい触れ合いと格闘・・・・。
新克利さん演じる教師ともども、
これこそ教育者の鑑だ!
と言いたくなる奮闘の模様を、
ある時はシリアスに、ある時はメルヘンタッチで描いた、
「キューポラのある街」以上の快作です。
こうゆうことこそ、「人間関係」だ、と感じさせられました。
ドラマも映画もこれ、といって残っていない
壇ふみさんの若き日の凛々しさ観られるだけでも
価値あり、です。
僕の中では「典子は今」に並ぶシリアスメルヘンの
傑作ですねえ。
あ〜これダウンタウンの松本人志さんにみせたい。
号泣するやろなあ、自分たちの子供の頃思い出して。
ヒューマンな感動とはこういうもののことを
言うのです!!
太陽の子 (角川文庫)
高校の教室にあった一冊の本、それが「太陽の子」でした。
何気なく手にとり、読み始め、その世界に引き込まれた時の事を今でも忘れません。
読んでから大分時が経っているので内容は詳しく思い出せませんが、その感動は今も心の中に生き続け、
時折私の心を内側から温かくしてくれます。
人間の悲しさ、悲しさを背負いながらも生きていく人間。
私の高校は規律が厳しく、また「善人であれ」ということを強く生徒に説く学校でした。
しかし人間である限り、完全に「善」であり続ける事ができるでしょうか。
また、人間である先生がいつも完全に『善』であることもありえるでしょうか。
言わずもがなですが、それにもかかわらず、学校では先生は常に「善」と決まっていました。
私の心は、知らないうちに傷ついていました。
灰谷健次郎という人は、そんなとき、喜びも悲しみも、失敗も成功もあるのが人間だよ、と
優しく本の中から手を差し伸べてくれました。てだのふぁの物語を通して。
そして、先生も生徒も、その前に人間なんだよ、と。
学校では先生が、美辞麗句を並べ良き人であれ、とまくしたて、細かい校則を押し付けてきます。
理由を聞いても、それが常識だ、としか言わず。
生徒が何か学校の中でいわゆる「悪い事」をしたとき、理由も聞かずに裁きます。
生徒は本当は、自分を理解して欲しかっただけなのに。先生にはわからない、優しさがあったのに。
それはまるでチャップリンのモダン・タイムスのようです。本来は人間の豊かさの為に作り出された機械(規律)が、
本来の意味を損ない形骸化され、一部権力者たちの特権を保ち続けるためだけに存在し、
下部の人間は正当な理由も与えられずに従わされ、振り回されるのです。
人間の為のシステムという構図が、システムの為の人間という構図に切り替わる瞬間です。
灰谷健次郎の本では、形骸化した規律では割り切れない、人間のひたむきに生きる姿が描かれています。
そしてそれは生徒の言葉の無い世界に、手ばなしで入り込んでくるのです。
主人公たちが苦しみ、悲しみ、喜び、笑い、そうして悩みながら生きている姿。
善悪では割り切れない、そして善悪もまた割り切れない、そういった物語や主人公たちに、
意味のない罪悪感を植え付けられた、若い心は自然に全体性を取り戻します。
押しつけではなく、寄り添ってくれる言葉に、心を濡らすのです。
晩年、灰谷健次郎は教師をやめ、島で暮らしていました。しかしその姿は、教師である事をやめたのではなく、
最後まで身を以て生きた人間を伝えようとした、灰谷らしい教師の姿だったのではないでしょうか。
本に現れる主人公や生きた教師のように、灰谷自身も自らの姿をもって、自らの生きる姿をもって、
自らの失敗や醜さを認めた上で、また人間のそれを認めた上で、それでも生きる、
そんなメッセージを送っているような気がします。少なくとも私はそう受け取りました。
教室の中だけでの正しい知識や行いではなく、ありのままの人間、清も濁も伝えようとした、灰谷健次郎の魂を感じる一冊です。
灰谷さんみたいな教師に出会えてたらなぁ。
何気なく手にとり、読み始め、その世界に引き込まれた時の事を今でも忘れません。
読んでから大分時が経っているので内容は詳しく思い出せませんが、その感動は今も心の中に生き続け、
時折私の心を内側から温かくしてくれます。
人間の悲しさ、悲しさを背負いながらも生きていく人間。
私の高校は規律が厳しく、また「善人であれ」ということを強く生徒に説く学校でした。
しかし人間である限り、完全に「善」であり続ける事ができるでしょうか。
また、人間である先生がいつも完全に『善』であることもありえるでしょうか。
言わずもがなですが、それにもかかわらず、学校では先生は常に「善」と決まっていました。
私の心は、知らないうちに傷ついていました。
灰谷健次郎という人は、そんなとき、喜びも悲しみも、失敗も成功もあるのが人間だよ、と
優しく本の中から手を差し伸べてくれました。てだのふぁの物語を通して。
そして、先生も生徒も、その前に人間なんだよ、と。
学校では先生が、美辞麗句を並べ良き人であれ、とまくしたて、細かい校則を押し付けてきます。
理由を聞いても、それが常識だ、としか言わず。
生徒が何か学校の中でいわゆる「悪い事」をしたとき、理由も聞かずに裁きます。
生徒は本当は、自分を理解して欲しかっただけなのに。先生にはわからない、優しさがあったのに。
それはまるでチャップリンのモダン・タイムスのようです。本来は人間の豊かさの為に作り出された機械(規律)が、
本来の意味を損ない形骸化され、一部権力者たちの特権を保ち続けるためだけに存在し、
下部の人間は正当な理由も与えられずに従わされ、振り回されるのです。
人間の為のシステムという構図が、システムの為の人間という構図に切り替わる瞬間です。
灰谷健次郎の本では、形骸化した規律では割り切れない、人間のひたむきに生きる姿が描かれています。
そしてそれは生徒の言葉の無い世界に、手ばなしで入り込んでくるのです。
主人公たちが苦しみ、悲しみ、喜び、笑い、そうして悩みながら生きている姿。
善悪では割り切れない、そして善悪もまた割り切れない、そういった物語や主人公たちに、
意味のない罪悪感を植え付けられた、若い心は自然に全体性を取り戻します。
押しつけではなく、寄り添ってくれる言葉に、心を濡らすのです。
晩年、灰谷健次郎は教師をやめ、島で暮らしていました。しかしその姿は、教師である事をやめたのではなく、
最後まで身を以て生きた人間を伝えようとした、灰谷らしい教師の姿だったのではないでしょうか。
本に現れる主人公や生きた教師のように、灰谷自身も自らの姿をもって、自らの生きる姿をもって、
自らの失敗や醜さを認めた上で、また人間のそれを認めた上で、それでも生きる、
そんなメッセージを送っているような気がします。少なくとも私はそう受け取りました。
教室の中だけでの正しい知識や行いではなく、ありのままの人間、清も濁も伝えようとした、灰谷健次郎の魂を感じる一冊です。
灰谷さんみたいな教師に出会えてたらなぁ。
太陽の子 [DVD]
これ、少女を主人公にしてるから、
観てられるけど、お父さんが主人公だったら、
観ちゃいられないな・・・。
重い映画です。
沖縄での第二次世界大戦の、末路が、
どれだけ沖縄の人々に大きな傷を
残したか、
そして、本州の人間が、いかにそれに対して
無関心かを、徹底して描きます。
浦山さん、「キューポラ」の次、二本目、
やっとこれですよ!?
その重い腰を上げさせるだけの題材です。
たまにはね、おしゃれ映画とか、ただのエンタメとか、
横に置いておいて、こういう映画に手を伸ばして
欲しいものです。
もうこういった題材で、現代の監督がリアルに
「沖縄」を描くことは無理だと思います。
歌手の喜納昌吉さんが、いつまでたっても、
沖縄の基地問題に対して敏感なのが、
何故なのか、諭してくれます。
ヤマトンチューである僕らも、
もう少し「沖縄」というものを意識したほうがいい、
観光地として、ではなくて。
八月が来るたびに・・・。
観てられるけど、お父さんが主人公だったら、
観ちゃいられないな・・・。
重い映画です。
沖縄での第二次世界大戦の、末路が、
どれだけ沖縄の人々に大きな傷を
残したか、
そして、本州の人間が、いかにそれに対して
無関心かを、徹底して描きます。
浦山さん、「キューポラ」の次、二本目、
やっとこれですよ!?
その重い腰を上げさせるだけの題材です。
たまにはね、おしゃれ映画とか、ただのエンタメとか、
横に置いておいて、こういう映画に手を伸ばして
欲しいものです。
もうこういった題材で、現代の監督がリアルに
「沖縄」を描くことは無理だと思います。
歌手の喜納昌吉さんが、いつまでたっても、
沖縄の基地問題に対して敏感なのが、
何故なのか、諭してくれます。
ヤマトンチューである僕らも、
もう少し「沖縄」というものを意識したほうがいい、
観光地として、ではなくて。
八月が来るたびに・・・。
兎の眼 (角川文庫)
灰谷健次郎が描く、先生と生徒のお話。
決して、物事を押し付けることなく、心と心のふれあいとすれ違いを描いていきます。
教育について色々言われている昨今ですが、こういった話を読むと人間の尊さがわかってくるような気がします。
辛くても真摯に向かいあい、がむしゃらでも前に向かおうとする姿勢には心を動かされました。
まだ自分の精神をコントロールできない子供も、苦闘している、悩んでいる。それに対して決して完全な人間ではなくともただただ、歩み寄っていく。
お勧めの本が見つかりました。
決して、物事を押し付けることなく、心と心のふれあいとすれ違いを描いていきます。
教育について色々言われている昨今ですが、こういった話を読むと人間の尊さがわかってくるような気がします。
辛くても真摯に向かいあい、がむしゃらでも前に向かおうとする姿勢には心を動かされました。
まだ自分の精神をコントロールできない子供も、苦闘している、悩んでいる。それに対して決して完全な人間ではなくともただただ、歩み寄っていく。
お勧めの本が見つかりました。
天の瞳 幼年編〈1〉 (角川文庫)
ドラマにもなったらしいし、賛否両論もあるようですが、読んだら文句なく面白かった。「こんなカッコイイ子供、いないよ~(いや確かに思いっきり問題児なんですけど)」と突っ込みつつ、幼稚園児の息子を横目に「まだ間に合うかな?」なんて欲を出したりして。見方によっては結構います、カッコイイ子供予備軍。問題は、大人がどれだけの度量で、思い通りにならない子供達(当たり前のことなんですが)を受け止められるかだよなあ、と思います。子供と関わる人は必読。自らの姿勢を問われている気がします。読後感は爽快。