Silence
This profoundly thought-provoking and controversial novel depicts a historical account of how Christians were treated in the mid 17th century in Japan. European missionaries and Japanese Christians in the Edo period were fated to suffer due to the strict order of Tokugawa General, which banned and denounced any missionary works in Japan. Some missionaries and many Japanese lost their faith to save their lives; others kept their faith and died in agony. In such cruel and extremely hard circumstances, WHY and HOW people kept their faith in God. WHY the God allowed them to suffer? If there is a God, why does he let it happen to believers? Why he is being silent when they are desperate for HIS help? The central theme of this novel is condensed in these questions. Perhaps, to some extent, quite a number of people experienced such an antagonism between faith and doubt at some point of their life. Endo, the author and also a Christian, is not an exception. Historians and critiques have been arguing that one of the prominent characters, Kichijiro, who could not leave Rodriguez the missionary but also could not help deceiving him, is projection of Endo himself. There is no way to know Endo’s intention, but Kichijiro’s character reminds of Judas. Besides the theme, it is very interesting to learn what Christianity meant to lay Japanese in this period, and how these Japanese modified it in their own unique way to incorporate their native religions.
Having read in both languages (i.e. original Japanese and English translation), I found it fairly well translated. For some Christians, this may be very disturbing, but I still recommend this masterpiece in order for Christians to share our history and to understand our religious perspectives. Endo extensively investigated these underground Christians in Japan and wrote several books about it. This novel is quasi-fictional, based on true stories of European missionaries, and accurately symbolized historical account of Japanese Christianity at that time.
Having read in both languages (i.e. original Japanese and English translation), I found it fairly well translated. For some Christians, this may be very disturbing, but I still recommend this masterpiece in order for Christians to share our history and to understand our religious perspectives. Endo extensively investigated these underground Christians in Japan and wrote several books about it. This novel is quasi-fictional, based on true stories of European missionaries, and accurately symbolized historical account of Japanese Christianity at that time.
深い河 [VHS]
私は邦画をあまり見ない。
しかし、この作品だけは心から素晴らしいと思った。
この作品は遠藤周作の小説『深い河』を映画化したものである。
牧師の青年を演じる奥田瑛二が素晴らしく、我々の心を打つ。
また、この映画のラストは小説のそれとは全く異なっている。
しかし、私は映画のラストの方が好きだ。
みなさんはどう感じるだろうか?
しかし、この作品だけは心から素晴らしいと思った。
この作品は遠藤周作の小説『深い河』を映画化したものである。
牧師の青年を演じる奥田瑛二が素晴らしく、我々の心を打つ。
また、この映画のラストは小説のそれとは全く異なっている。
しかし、私は映画のラストの方が好きだ。
みなさんはどう感じるだろうか?
深い河 (講談社文庫)
「その一人一人に人生があり、他人には言えぬ秘密があり、そしてそれを重く背中に背負って生きている。ガンジスの河のなかで彼等は浄化せねばならない何かを持っている」・・・・憎しみとエゴイズムしかない世の中においても、「信じるもの」をひたすら追求していった大津と、それを蔑みながらも心の中ではその生き方をどこか望んでいた美津子の「不可解な糸の結びつけ」が特に印象的だった。
沈黙 SILENCE [DVD]
遠藤周作原作の映画化作品はジンクス的に傑作映画になる確率が高い。
1969年の浦山桐郎監督作『私が棄てた女』(同年キネマ旬報ベストテン第2位)、71年の篠田正浩監督作の本作(同2位)、86年の熊井啓監督作『海と毒薬』(同1位)――といったぐあいだ。
本作は英国でもずっと以前にDVD化されており、小子はそれを購入して所有している(リージョナルコード2。ほぼスタンダードに近いオリジナルのアスペクト・レシオ。画質はまあま)。
言わずと知れた17世紀の長崎を舞台にしたキリシタン弾圧を描いた作品。次々出とてくる拷問シーンが酷い。
数年前、カソリックであるイタリア系のマーチン・スコセッシ監督(『アリスの恋』『タクシー・ドライバー』『レイジング・ブル』『最後の誘惑』『グッドフェローズ』『ヒューゴの不思議な発明』等の名匠)が本作を再映画化することに意欲を燃やしていたことがあったが、何だ?もう立ち消えか?(ロバート・ホワイティングの『東京アンダーグラウンド』の映画化、という話も立ち消えになっているし、案外、根性のないおっさんだね、スコセッシは。ディカプリオとウォール街映画作ってた方がそれは楽だもんね)。
ところで、17世紀の江戸幕府によるキリシタン弾圧には、実は、欧州での宗教改革が間接的に影響しているという研究が以前、されていたことがあり、興味を惹かれたことがあったが、その後の研究は進んでいるのだろうか?江戸幕府が交易を許したオランダは新教国。その間接的影響で、日本では旧教のカソリックが弾圧を受けた、という見方なのだが、あながち的外れではないという気がする。
1969年の浦山桐郎監督作『私が棄てた女』(同年キネマ旬報ベストテン第2位)、71年の篠田正浩監督作の本作(同2位)、86年の熊井啓監督作『海と毒薬』(同1位)――といったぐあいだ。
本作は英国でもずっと以前にDVD化されており、小子はそれを購入して所有している(リージョナルコード2。ほぼスタンダードに近いオリジナルのアスペクト・レシオ。画質はまあま)。
言わずと知れた17世紀の長崎を舞台にしたキリシタン弾圧を描いた作品。次々出とてくる拷問シーンが酷い。
数年前、カソリックであるイタリア系のマーチン・スコセッシ監督(『アリスの恋』『タクシー・ドライバー』『レイジング・ブル』『最後の誘惑』『グッドフェローズ』『ヒューゴの不思議な発明』等の名匠)が本作を再映画化することに意欲を燃やしていたことがあったが、何だ?もう立ち消えか?(ロバート・ホワイティングの『東京アンダーグラウンド』の映画化、という話も立ち消えになっているし、案外、根性のないおっさんだね、スコセッシは。ディカプリオとウォール街映画作ってた方がそれは楽だもんね)。
ところで、17世紀の江戸幕府によるキリシタン弾圧には、実は、欧州での宗教改革が間接的に影響しているという研究が以前、されていたことがあり、興味を惹かれたことがあったが、その後の研究は進んでいるのだろうか?江戸幕府が交易を許したオランダは新教国。その間接的影響で、日本では旧教のカソリックが弾圧を受けた、という見方なのだが、あながち的外れではないという気がする。
沈黙 (新潮文庫)
江戸時代のキリシタン弾圧さなか、日本に上陸したポルトガル司祭の波乱に満ちた人生。
読者によって読み方が異なる本、聖書など読み、キリスト教について多少知っている人には
読みやすい(聖書の言葉や登場人物が度々引用)。
まず、文章表現が繊細で生々しく、まるで映画を観ているかのように一気に読める。
隠れキリシタンである貧しい農民たちの汗や干した魚、藁の臭いまでもが漂ってきそうな
作品。頻出する拷問場面は筆者がまるでその場に立ち会ったかのような強烈な印象。
「信仰」を守り広めるためにポルトガル司祭は命がけで潜伏するが、「信仰」を守る
ために殉教する信徒の姿を見るうちに疑問が生まれる。
「このような酷い状況のなかで、神はなぜ、沈黙しているのか?」
やがて捕らえられた司祭は拷問を受ける農民たちの苦悶の声を聞く。
「司祭であるおまえが信仰を捨てれば、農民たちを助けてやる」と迫られる。
長年自分がキリストに捧げてきた全生涯(信仰)を否定し、ユダのように神を捨てるか、
それとも農民の命を救うか。
キリストの存在を心から信じ愛してきた司祭は、踏み絵を前に「一番つらい愛の行為」
をする。
「信仰」という表面上の名の下に、ひとの命を捨てるか、
「信仰」という表面上の名と「司祭」のプライドを捨て、ひとの命を守り、
心の中で神を深く愛し続けるか。
宗教的には「信仰とはなんなのか?」という問いかけを与えるが、一般的な読み方を
すれば、「ほんとうに大切なものはなんなのか?」という問いかけに変換されるだろう。
自分の面子を守り、自分を中心に据えて、誰かを蹴落とすか。
それとも、自分が退いても誰かを守り、心の中を凛と保っているか。
読者によって読み方が異なる本、聖書など読み、キリスト教について多少知っている人には
読みやすい(聖書の言葉や登場人物が度々引用)。
まず、文章表現が繊細で生々しく、まるで映画を観ているかのように一気に読める。
隠れキリシタンである貧しい農民たちの汗や干した魚、藁の臭いまでもが漂ってきそうな
作品。頻出する拷問場面は筆者がまるでその場に立ち会ったかのような強烈な印象。
「信仰」を守り広めるためにポルトガル司祭は命がけで潜伏するが、「信仰」を守る
ために殉教する信徒の姿を見るうちに疑問が生まれる。
「このような酷い状況のなかで、神はなぜ、沈黙しているのか?」
やがて捕らえられた司祭は拷問を受ける農民たちの苦悶の声を聞く。
「司祭であるおまえが信仰を捨てれば、農民たちを助けてやる」と迫られる。
長年自分がキリストに捧げてきた全生涯(信仰)を否定し、ユダのように神を捨てるか、
それとも農民の命を救うか。
キリストの存在を心から信じ愛してきた司祭は、踏み絵を前に「一番つらい愛の行為」
をする。
「信仰」という表面上の名の下に、ひとの命を捨てるか、
「信仰」という表面上の名と「司祭」のプライドを捨て、ひとの命を守り、
心の中で神を深く愛し続けるか。
宗教的には「信仰とはなんなのか?」という問いかけを与えるが、一般的な読み方を
すれば、「ほんとうに大切なものはなんなのか?」という問いかけに変換されるだろう。
自分の面子を守り、自分を中心に据えて、誰かを蹴落とすか。
それとも、自分が退いても誰かを守り、心の中を凛と保っているか。