そして扉が閉ざされた (講談社文庫)
4人の若者がいきなり核シェルターに閉じ込められ、過去の恋人の死の真相を追求していく異色の設定だが、メインのカットバックで描かれる死亡事件のプロットは純粋な本格ミステリー仕立てだ。
核シェルターでの脱出を試みるパートと過去の事件が交互に進行していき、まさに映画を見ているようなスピード感で最後まで一気に読ませる。
20年以上前の作品なのでその面白さの割にあまり今の人に知名度がないかもしれないが、現在の作家で言うと石持浅海氏とかの系統の元祖とも言える。石持氏の作品に本作のタイトルを彷彿とさせるものがあるが・・。
核シェルターでの脱出を試みるパートと過去の事件が交互に進行していき、まさに映画を見ているようなスピード感で最後まで一気に読ませる。
20年以上前の作品なのでその面白さの割にあまり今の人に知名度がないかもしれないが、現在の作家で言うと石持浅海氏とかの系統の元祖とも言える。石持氏の作品に本作のタイトルを彷彿とさせるものがあるが・・。
解決まではあと6人 (講談社文庫)
これだけ殺人がおこっても、暗くない作品は珍しい。
逆に言えば、盛り上がりに欠けるのですが、最後までページをとめることなく読めました。
「なんか面白い本ないかな」と思ったとき、この作家(方々?)の作品ははずれがありません。
個人的にはキャラの魅力で小説を読むほうなので、星は4つにさせていただきました。
逆に言えば、盛り上がりに欠けるのですが、最後までページをとめることなく読めました。
「なんか面白い本ないかな」と思ったとき、この作家(方々?)の作品ははずれがありません。
個人的にはキャラの魅力で小説を読むほうなので、星は4つにさせていただきました。
クラインの壷 (新潮文庫)
岡嶋二人の最高傑作と言われている作品。
SFは苦手なので読まずにいたが、全くの杞憂だった。
これは文句なしで面白い。
ゲーム開発のモニターとして仮想現実の世界を体験する青年の話だが、
やがて二つの"世界"が交錯し、本物と偽物の狭間で我を失ってゆく。
そのスリル満点な展開にどんどん引き込まれていき、
読みながら冷や汗をかいた。
迫り来る恐怖と興奮、崩壊してゆく自我。
一体この世界の何が真実で、何が真実ではないのか。
友情も愛情も何もかもが全て薄っぺらいものに感じられた。
自分はここに生き、ここに存在しているのだろうか?
読後一気にそんな感覚が襲ってきてゾっとし、
思わず周りとキョロキョロと見回して声を発してみたり、
ドアを開けて外を眺めてみたりと挙動不審に陥ってしまった。
完全にやられたという感じ。
手に汗握る展開も久しぶりに味わえたし、大満足の一冊だ。
SFは苦手なので読まずにいたが、全くの杞憂だった。
これは文句なしで面白い。
ゲーム開発のモニターとして仮想現実の世界を体験する青年の話だが、
やがて二つの"世界"が交錯し、本物と偽物の狭間で我を失ってゆく。
そのスリル満点な展開にどんどん引き込まれていき、
読みながら冷や汗をかいた。
迫り来る恐怖と興奮、崩壊してゆく自我。
一体この世界の何が真実で、何が真実ではないのか。
友情も愛情も何もかもが全て薄っぺらいものに感じられた。
自分はここに生き、ここに存在しているのだろうか?
読後一気にそんな感覚が襲ってきてゾっとし、
思わず周りとキョロキョロと見回して声を発してみたり、
ドアを開けて外を眺めてみたりと挙動不審に陥ってしまった。
完全にやられたという感じ。
手に汗握る展開も久しぶりに味わえたし、大満足の一冊だ。