全六巻を読み終えたのでレビューを簡潔に。
■悪魔
六巻巻末に登場全悪魔の紹介があります。全70体です(作品オリジナルも含む)。
特筆すべきは彼らの口調でしょう。デビルサマナーには悪魔ごとに紳士風、子供、ガイン口調など独特な言葉使いが設定されてますが、今作はそこら辺も金子・山井両氏が監修しているのでゲームそのままです。
オオミツヌは設定通り
鉄人28号みたいなサイズですし(ライドウが肩に乗ります)、スカアハとクー・フーリン師弟コンビの絡み、今やライドウシリーズ看板のモコイさんも出てきますし、
アリスとおっさん二人にも二話分を割くなどきちんと悪魔にもスポットが当たっています。
70体全てに見せ場があるというのはさすがです。
■キャラクター
ゲームに登場するキャラクターはほとんど違和感なく描かれています。
ただし鳴海の軍人話やゴウトの詳しい過去、凪の修行プロセスなどはプレイ前提もしくはゲームと同じく詳細に語れることはなく匂わす程度です。
メインは主人公であるライドウと既存キャラ・新キャラクターたちとの絡みです。よくあるコミカライズだとオリジナルのキャラだけに焦点が充てられるというのがあるのですが、本作ではオリジナルキャラが違和感無く溶け込んでいます。
書生という設定ながらゲーム内では登校シーンが無かったライドウには学友キャラが。ライドウと凪、葛葉四天王に対する別流派のデビルサマナー。葵鳥や鳴海、
探偵側の人間に依頼者という形で接するヒロインなどという形です。
■作画
金子氏デザインのキャラクターを軟らかくした感じですが、戦闘シーンや残酷描写、悪魔の異形などはゲームよりも際立っています。
ライドウの靴下に緊急用の管が括りつけられてるなど絵にして初めて見える設定も盛り込まれていますし、オボログルマはゲームの勢いそのままに壁走りをするなど漫画だからこそ出来る展開もあります。
女性キャラは悪魔を含めて全員可愛い美しい怪しい魅力に溢れてますし、ライドウと鳴海・ライドウと安倍星命の少年漫画らしい友情もきちんと描かれています。女性向けというか大正ものに必須なアレっぽい話も少年安倍星命が見せてくれます。
■続編?
往々にして中途半端に終わるコミカライズが多いのですが、本作は綺麗にまとまっています。
伏線のようにラストにちょこっと煮えきれない部分もありますが、これはファンサービスだと思っています(ライドウシリーズはこれで終わらないよ的な)。
ライドウファンだけでなく、メガテンシリーズ・ペルソナ好きの方にもオススメできる作品です。ぜひ一読を。