何回見ても、飽かず繰り返し見ています。第6シリーズまで購入していますが、その後が出るようでしたら、またご連絡下さい。
どうやったらこういった物語が作れるのか、そう思いたくなる名人芸の小説である。 鬼平とその世界が生きている。その世界は、原作者の筆から生まれたが、登場人物自身の力によって、生きている。名作とは、こういうものなのか。
この「語り芝居」シリーズ、全巻そろえました。母の大のお気に入りで、毎日暗記するほど聞いています。どこがそんなにいいのかきいてみると、「映像が浮かんでくるような語りがいい」「江戸時代の習慣や時間の呼び方などが、なるほど!とよくわかってうれしい」とのこと。作者の池波さんは食通で知られていますが、物語に登場する食文化もまた魅力的で、『土蜘蛛の金五郎』に出てくるイモとネギの煮物をつくってみたそうです。江戸時代にどっぷりつかっている母、視力が落ちてきたこともあり、こういうオーディオブックで名作を楽しめるのが何より、とか。読書とはひと味ちがった醍醐味がありますね!
食べ物を描いているのではなく、「人」と「街」を描いているのだと思う。 食のうんちく(もなくはないが)ではなく、そこに込められた「想い」を。連なる街並みを。
これを読んで「この店、行ってみたい!」とは思わない。 文字でじっくり、池波正太郎というフィルターを通した「昭和」を感じるのが、 この本の正しい味わい方のような気がします。
ある店のことを書いていたかと思ったら、「そういえばこんな店もあった、あんな店もあった」と話がけっこうとびがちなのがまた、「散歩」っぽくて良いところ。
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