各大名ごとの序盤の薦め方とコマンド解説が中心になっている。初心者にもわかるように書いてあるので、初めての人にお勧めできる。しかしシミュレーションゲームをいくつもやっている猛者には特に必要は無い。
パワーアップキットの解説、イベント一覧、Q&A、武将の相性、地域別攻略法など、知りたい情報がほぼすべてここにかいてあり、攻略本がほしいなら本書一冊で十分。まさにマスターブックの名前にふさわしい。
シリーズ中最後のマルチプレイ対応でWin7にも対応しています。COMの思考ルーチンは強くありませんので弱小大名でも統一可能です。人が操る大名が最強ですのでマルチプレイはかなり白熱します。内政が好きな人は長くあそべる一品です。
言わずと知れた傑作、信長の野望 烈風伝。
シリーズでは烈風伝、蒼天録、天下創生の三作しかプレイしていないが、この烈風伝のプレイ時間が圧倒的に長い。信長の野望シリーズ内に限らず、私のゲーム歴の上でもひときわ大きな存在感を放つ作品である。
内政、戦闘、外交、謀略、建築、何をとっても面白い。
何から何まで全てが完璧、とまではとても言えないが、あらゆる意味でバランスの良いゲームであり、実に多彩な楽しみ方が存在する。コマンドやスキルも多すぎず少なすぎず、何周クリアしてもプレイごとに新たな発見がある。
遊び方の一例としては、初期武将が二人しかいないような小勢力から天下統一を目指したり、箱庭式の内政に力を入れ、各城下町に個性をもたせたり、逆に内政を無視して短期クリアを目指したり、戦でとらえた敵方の捕虜は全て斬首して魔王プレイを満喫したり(多くの場合武将不足に泣くはめになる)、
九州南端の島津家からスタートして蝦夷まで水軍を飛ばしたり、湿地の多い関東平野で川という川に治水工事を施したり、山という山、平野という平野に道を張り巡らせたり、征夷大将軍就任を拒んだり、家臣全員を茶人・僧侶にしたり、領地に築城しまくったり、城を解体しまくってスッキリさせたり、家臣を解雇しまくったり、隠居しまくったり、戦闘能力が非常に低い武将ばかりで野戦に臨んだり、20万の兵で小田原包囲戦を再現したり、滅亡の憂き目を見たり、本願寺家でプレイして各地で一揆を勃発させたり、天罰だったりと、戦略の多様さには比類がない。
難点といえば、戦闘のモーションがまだるっこしく感じたり、有名武将以外の顔グラが百鬼夜行の様相を呈していることくらいである。
難易度もほどよく設定されている。大勢力を選択しても決して簡単ではなく、小大名を選択しても上手く立ち回れば必ず生き延びられる道がみつかる。
随所に「おっ」と思わせる仕掛けもたくさんある。セリフやイベントも豊富で、個性溢れる武将プロフィールを眺めるだけで時間が過ぎる。印象的なシーンも多い。城攻めで「壁越え」が成功したときなど胸がすく思いがする。浪人武将に無人の城を乗っ取られればカッとなる。足軽Dの武将が足軽Aまで成長したときなぞ思わず目頭が熱くなった。
何より箱庭内政が面白い。城下がにぎわってくる様子を見ているとこちらまで嬉しくなる。先に述べたように、治水、道造りも熱い。
以上が、なんとパワーアップキットを使わずに楽しめるのである。もちろんパワーアップキット使えばさらに楽しみの幅が広がることは間違いない。武将の内政能力と資金を細工し、領地が凄まじいスピードで整備されてゆくのを見るのは爽快だ。
このように、非常に自由度の高い戦略が楽しめるのが特徴である。これで7年くらい潰れた。一生涯に一本しかゲームをしてはならないと申し渡されれば、私はおそらく烈風伝を選ぶ。完成度の高い一品である。